適正異世界

sazakiri

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第112話

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「ところで…トウマさん?」
ルナが聞いてくる。
「なんだよ」
「私たちはどこに向かってるんですか?」
「どっかの誰かのせいで、時間を使ったから宿に行こうとしてる」
「そ、そうですか」

今日一日はあいつらの探すために時間を使った。

まぁ図書館とかで多少は情報を獲得できたが…
あとギャンブル…

そんな感じで今はすっかり夜だ。
そろそろ宿を見つけないと野宿することになるからな。

「どこか近いところがあるの?」
桜川が聞いてくる。
「この近くにホテルがあるはずなんだ」
「あーなるほど」

俺はリングを見てそう言う。
なんと俺のリングはATMってだけの代物ではなくなったのだ。
なんと!マップ機能がついた!
これによって近くの建物が把握できるわけだ。

まぁ能力を習得したみたいな感じを出してるけど、設定を変えてみただけなんだけどね

そしてしばらく経ってホテルにつくことができた。

「よし!マップ最高」
「つきましたね!」
セツナが言う。
本当になんでこいつは着いてきてるの?

「じゃあ中に入るか」
「ち、ちょっとまって!」
中に入ろうとしていた俺たちを桜川が引き留める。

「どうした?」
「い、いや…その…」
「なに?ハッキリ言え」
「ギル…ない」
「は?」
ギル…ない??
ギルを持ってないってこと?

「お前持ってたろ」
「捕まった時に押収されました」
「……」
な、なるほど…
それは御愁傷様です。

「分かった。ギルは俺が払う」
「ほ、ほんとに?!」
「おう」
「本当にありがとう!意外とやさしいのね!」
ものすごいテンションの上がりようでお礼を言ってくる。
「ですねー」みたいな感じでルナも便乗してくる。

「ただし…」
「ん?」
「今回は俺が払うから、前借りた宿泊料金はチャラね」
「は?」
「は?じゃねぇよ。ちゃんと借りた金は返すぞ」
「さっきの言葉を撤回する」

いつまでもホテルの前で言い合っても時間の無駄なので、とりあえず俺たちは中に入る。

「じゃあ部屋を3部屋取ったから、部屋割りはどうする?」
「無難にトウマさんは一人でもいいですよね?」
ルナが提案してくる。
「当たり前だ。俺が払うんだからな」
「じゃああと2部屋ね。これは二人ずつで分かれるのが得策ね」
「ですね!」
桜川の提案にセツナも賛成する。

そして一分後…
部屋割りが確定した。

「じゃあ俺は301号室に泊まる」
「セツナとルナが302号室、桜川とアリスが303号室だ」
「分かったわ」
「です!」

そう言って俺はセツナと桜川にそれぞれの部屋のカードキーを渡す。

「じゃあ明日の朝に今いる場所に集合で」
「「「了解」」」

そう言って俺たちは各々の部屋に入る。

「今日は疲れたからさっさと寝たい…」

今日は人生で一番、外を歩き回ったかもしれん
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