適正異世界

sazakiri

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第111話

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「いやー出れましたね!」
「そうね」
捕らえられていた牢獄から解放された二人が嬉しそうに話す。
まぁそりゃそうか。
普通に考えれば、知り合いなんていない世界で捕まったら望みなんてないもんな…

流石にこれは俺に感謝してね?

「ところで…」
「どうしたんですか?トウマさん」
ルナが俺に聞いてくる。
「いや…その…」
いや確かに…俺たちは二人を救出して、無事外に出られたんだけど…

「本当になんで居たの?」
「ん?」
桜川が不思議そうな顔でこちらを見てくる。

「まぁ分かるよ?トウマ」
あの二人は俺の考えは理解してくれなかったらしいが、アリスだけは理解してくれたのかもそれない。

いやまて…

こよ状況を見て、逆に不思議に思わないあいつらがおかしいだけだ。
俺はなにも悪くない…


「それってもしかして…私のことです?」
白髪の少女がこちらに喋りかけてくる。

そう。この少女こそが全ての元凶である。

まぁ命の恩人?みたいなものでもあるんだが…

「うん、お前」
「えー!何でですか?」
「いや…普通におかしくない?」
「なにがです?」
「牢獄にいること」
「ふーん、そんなこと言って良いんですか?」
「なにがだよ」
「私が全てを話したらトウマさんだって捕まる可能性があるんですよ?」
「は?」
「だってそうですよね?」
「私と一緒に洞窟に入ったじゃないですか」
「それはそうだけども…」
「それに釈放金だって…どこから沸いてきたんですかね?」
「うッ…」
「へへへ」

なにこの娘。性格が悪い以外の感想が出ないんだが

「ま、まぁ!セツナちゃんもトウマさんも落ち着いて!」
ルナが仲介に入る。

まぁことの経緯を説明すると…

牢獄で二人を助けたあとに、そのまま出ようと思った時だった。

後ろから聞き覚えのある声が聞こえて、辿ってみたら…


こいつがいた。

名前はセツナ。
俺がこの世界に始めて転送された時に始めてあったやつだ。
いやまてよ……そーいえば、始めて転送された所は…

で、でも!あれは夢だったっていう説が出始めてるから

気にしないでおこう。
まぁその「夢」の場所に向かおうとしているんだがな。


とにかく!偶然セツナが牢獄にいたってことだ。

俺は助ける義理はなかったんだがな…

この回りの二人が色々とうるさくてな…
アリスはそんなに参入的じゃなかったんだが…
まぁこれは他人に興味がないだけだな。うん

そんな感じでセツナも救出して、現在に至る。

そしてセツナの言い分的に捕まった理由はおそらく破壊が原因だろう。

前にある話を聞いたことがある。
そいつの親は山を破壊した罪で牢獄に入れられたらしい。

つまりだ。多分、あの洞窟を爆発させた影響で捕まったんじゃね?知らんけど

俺はこの世界に来てから間もないから身元が特定できなかったんだろう。
そのお陰で捕まらなかったわけだが…

この「捕まったやつ」に脅されているわけだ。

助けたのに、この態度は怖すぎる。
これで憲兵につき出されたら……

「うわあああああ」
そのまま口に出して叫ぶ俺。
だって無理だろこんなの
捕まった所で助けて貰えるわけがない!
「どうしたんです?!」
困惑するルナ。

「ついに壊れたか」
「うんうん」
なにやらアリスと桜川は冷静みたいだが…

「トウマさん、うるさいです」
そう言うセツナ。

原因はどこの誰だと思っているんだか



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