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第一話-1
しおりを挟む「ウォルフハルド」
ずいっと顔を近づけてきた幼馴染に、俺は内心で『ヒッ』と悲鳴を上げていた。
なにしろここは寮の2人部屋、逃げようにも相手の後ろにドアがある。ちなみに窓は左側、飛びつけなくもないが外に逃げるなら窓は確実に破壊してしまう。
2階くらいの高さなら死にはしないが──いや、外聞が悪すぎる。窓破って外に出た理由をどう取り繕ったらいのかわからん。
「……ウォルフ、どうして避けるんだ。俺が何かした?」
「お、落ち着け、フレデリック」
じり、じり、と歩を進めてくるフレデリック──フレデリック・ヴァロワは、生まれた時から一緒に過ごしてきた幼馴染だ。
俺の住む領地とヴァロワ伯爵領は隣り合わせで、両親も若い頃から仲が良かった。そしてお互いの妹、姉を娶ってからは親戚となりさらに家族ぐるみの付き合いに拍車がかかった。ほぼ同時に結婚し、さらに出産の重なったうちの母上とフレデリックの母上は、どうせなら産後の大変な時期を一緒に過ごそうと我が領の保養地で出産育児をすることにしたそうだ。
そうして生まれたのがフレデリックと、俺ウォルフハルド・ジラールだ。
誕生日が数日違いなので、毎年合同で誕生会をしている。
領地ではずっとお互いが遊び相手だったし、俺に妹ができた時は一緒に喜んでかわいい妹を愛でた。ちなみにフレデリックには弟ができた。こちらは妹と3ヶ月違いの年齢なので、両親は密かに婚姻を狙っているとか。
まあ、それはいいとして。
「じゃあ、俺にも納得のいく説明をしてくれるんだろうな?」
「……あー……」
いや、うん、どうやって誤魔化そうか。
そんな顔をしたら聡いフレデリックには俺の思考なんて筒抜けだというのに、俺は余裕なく視線を彷徨わせてしまった。
その結果、ガッと腕を掴まれてそのまま壁際に追い詰められる。
正面からぴったりと胸板が重なってきて、背中には壁。ここまでギチギチにプレスされると逃げようがなかった。そうして少し高い目線から覗き込まれる。
フレデリックの身体は俺よりひと回りデカい。
幼少の頃はほぼ同じものを食べて同じだけ寝て、環境に差はあまりなかったはずなのに、こいつは頭半分くらい背が高く胸板も厚かった。
これでいて俺達はまだ成長期だ。俺はまだまだ伸びる気だが、たぶんフレデリックもこのまま大きくなると思う。いくら追いかけても先を行かれるというのはやはり少し悔しい。
「ウォルフ、ちゃんと説明してくれ」
「……そ、それが」
じっと見つめてくる青空みたいな瞳の色に、俺は弱い。
昔からこうやってフレデリックにじっと見つめられると俺が折れるしかなくなる。こいつは甘え上手で自分の強みをよく知っていた。ほんの数日分年下だからって俺の長男心をくすぐってくる。
だが、今日という今日は、折れてやるわけにはいかない。
俺は聞いてしまったんだ。この先に起きる事を、最愛の妹アデライードから。
妹の『予言』通りなら、俺はフレデリックをこの寮の2人部屋で押し倒し卒業するまで快楽調教し尽くすらしい。
フレデリックは小さい頃、淡い金髪に青い瞳で人形のように可愛らしかった。
整った容姿はそのままに身体は逞しく成長して、今では貴族令嬢にとてもモテる。着飾ってパーティーなんて行こうものなら次々に声がかかるくらいにはモテるんだ。
そんなフレデリックを、アナルでメスイキするまで犯して受け身の快楽を教え込むのが俺だ。
逞しい胸筋にぽつりと乗った乳首もいやらしく腫れるまで弄って、乳首イキするよう調教する。媚薬も使い快楽堕ちさせた後、ペニスには貞操帯の魔道具をつけて射精管理。
俺の許しがなければイけないようにして……さらには尿道開発、口淫の仕込みまでするらしい。
それがこの世界、俺が総攻め主人公のBLゲームシナリオらしいんだが。
……何がどうしてこうなった?
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