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第八話-4
しおりを挟む脱力してぼうっと見上げていたら、大きな手に頭をくしゃりと撫でられた。じんわり温かい感じがする。
いやそれよりも眠い、とてつもなく眠い。今にも寝入りそうなくらい疲れていて、瞼がくっつきそうだ。
「……ねむい」
「おう。後片付けはしといてやるよ。……おやすみ」
「おやすみ……」
ことん、と気を失うように眠って、俺は日の出の時刻までぐっすり眠ってしまった。
翌朝マグナスに抱き込まれたまま目覚め、俺は大いに困惑した。
俺は裸で、マグナスの胸の上にのっけられて寝ていたのだ。マグナスの立派すぎる胸筋を枕にすやすやと、さらには両手で豊満な胸筋を掴んだまま寝ていたらしい。
ふに、ふに、と目覚めた瞬間から乳揉みを始めてしまった。無意識にだ。
昨夜されたことを考えると、乳揉みくらいでは割が合わない気がする。好き勝手されたが怒る気がしないのが不思議だ。
では朝から乳首開発でも……と思い目の前の乳首に食い付くと、クックッと笑う振動に頭が揺れた。あと笑うだけで胸筋に力が入るのか鉄板みたいに硬くなる。
「マグナス、だめだ硬くするな」
「お?朝っぱらから煽ってくれるな。どーら、もう一発くらい抜いてやるか」
「……」
「若ぇんだからいけんだろ?」
「お前こそ年齢のわりになんでそんなに元気なんだ」
「褒めるなよ。トシもせいぜいお前の倍くらいのもんだぞ。枯れるには早い。……てわけでもう一回な。別に俺のをぶち込もうってわけじゃねーから安心しろ」
「黙れ」
「え、朝勃ちしてないのか……?うそだろ?その歳で?」
「だーまーれー」
もう枯れてんのか、といらぬ疑いを掛けられて頭痛がした。
いい加減にしろと拳でマグナスを黙らせ、俺は訓練に遅れることなく身支度を整えることが出来た。
実はこの訓練の意味だとか、どこまで王国の未来や危機を知っているのかとか、聞きたい事は山ほどあった。『大団円』を望んでいるアデラのことだ、人々の生活に関わる『予言』は黙ってはいられないだろう。
ただ、この国が滅ぶ、他国に蹂躙される、そんな滅びの予言は滅多なことでは口に出せない。
下手をすれば捕らえられて首を落されかねないからだ。
しかし少なくとも国の中枢にいる頭の良いヤツが、予言を信じている。そして使える人材を集め訓練しようとしているのは判った。
マグナスに関しては、俺についてどこまで知っているのか、それが聞きたかったんだが。
どれも聞く暇がなく、俺は自分のテントに戻らなければならなかった。
そろそろ天幕の外で人が活動し始める音がしている。
「……マグナス」
「おうよ」
「俺は何があろうと、どんな相手だろうと勝ちを譲る気がない。未来においても同様だと考えておいてくれ」
「……。そうかよ」
晴れやかに笑う赤髪の男は、なるほど見惚れるほどの良い男だった。
アデラに言われるまでもなく、普通に出会って話していたら、そのまま気の合う仕事仲間になれたかもしれないな。
漠然とだが、……攻略対象でなくとも、俺はたぶんこの男を欲するだろうなと思った。それくらい手元に置いて心地良い相手だった。
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