転生者の妹曰く、ここは俺が総攻主人公のBLゲームらしい?

天城

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第十三話-3

 
 ひゅ、と小さく息を飲んだフレデリックが動きを止めかけて、俺は激しい快感の中で相手を見上げた。不意に泣きそうな顔で俺を見つめるフレデリックが視界に入ってきて、ハッとした。

 ――お前が何考えてるかなんて、付き合いの長い俺に判らないはずないだろ。生まれた時から、何年一緒にいると思ってるんだ。仕方の無いやつだな。

「フレデリック、……おまえが、ちゃんと、すき……すきだから、……そんな顔するな」
「ウォルフ……」

 くしゃっと『泣きそうな顔』がそのまま『泣いた顔』にかわって、フレデリックは俺を強く抱き締めた。耳朶に触れる吐息に嗚咽が混じる。

「俺も、……俺もお前が好きだよ、ウォルフハルド」









 平和に慣れすぎていたのを反省した国王は、宰相の進めていた『才能のある者を見つけて育てる』方式に政策を転換していった。
 今までは魔獣被害があれば強い冒険者を雇うとか、騎士団の数にものを言わせるだとか、マグナスみたいな天然モノの強者を雇用、とかしかしていなかったらしい。


 アデラ曰く『数の少ない天然モノより養殖の方が安定して軍の増強が出来る』という話らしい。

 もともとこの宰相の密かな試みは、アデラの予言とは関係なく行われていた。
 それがより危機感を強めて実施されていただけだ。結界石の近くを通るルートも、そこに魔獣が多かったからに他ならない。

 そもそもマグナスも結界石の存在は知っていても、実際の場所は知らなかった。
 宰相も地域だけは知っていたが具体的な場所を知らず、オーギュストが言うように本当に『王家にだけ伝わる』モノだったらしい。じゃあなんでアルレーン国がそれを知ってたのかって話だが、そのあたりは宰相が調べて対処するだろう。

 ――で。俺が本格的に結界石の守護に動き出すのは卒業してからだ。今は定期的に転移で様子を見に行くことにしている。転移ポートも設置したし大した労力でもない。
 
 流石に俺もまだ16だし、団員の確保もしなければならないし、これからあと三年の間になんとかカタチにしていくしかないだろう。

 ちなみに与えられる予定の領地の経営については、エルヴェがきてくれることになった。
 オーギュストも相変わらず俺の監視という名目でこっちに来ることになっている。王族との繋ぎは無くしておくべきではないというのがアデラの意見でもあったが……うん、王妃はいなくてもあの城にオーギュストを帰したくなかったんだよな。わかる。

 無言でいながらオーギュストがめちゃくちゃ喜んでいるのが見て判ったので俺も嬉しかった。

 ともあれ、マグナスの剣術授業は国の政策という後ろ盾を得たのでこれからも続いていくらしい。
 オーギュストとエルヴェはあと1年半は学院生活が残っているし、俺とフレデリックは2年半か。
 長いようで短い学生生活だ。

 イベント類はもう細かく考えるのが面倒になったのでアデラからの情報収集は行っていない。身の危険があるような時だけ教えてくれと彼女にも言ってある。
 
 たぶん、しばらくは平和だ。眠たくなるくらい平和な生活が待っている。――……はずだったんだが。











「ウォルフハルド様、本日は湯にされますか、新しい香油もございます。……それとも、私と殿下でご奉仕を?」

 昼にいつものサロンに行くとにこやかにエルヴェが出迎えてくれた。オーギュストの座るソファまで誘導され、どさりと腰を下ろす。
 オーギュストの逞しい胸板に寄りかかって、首のタイを緩めた。後ろからオーギュストの手が回ってきて、するりと解いてくれる。

「お前はどちらがいい?」
「ご主人様の気分でいい」
「オーギュスト、お前は早く自分の欲も口に出来るようにしないとな。なんだこの股間のゴツゴツしたやつは」
「……」

 エルヴェに手伝われながら服を一枚一枚、剥ぎ取っていく。二人の目にじわりと熱が広がっていくのが判った。
 全裸になるとオーギュストの腕が俺の身体を抱き上げ、タオルの敷かれたいつもの場所へと運んでいく。慎重におろされた俺は唇の端を上げて命令した。

「奉仕しろ。……今日は薬も塗ってくれ、アナルが腫れてる」
「おやおや、お盛んですね」

 エルヴェはにっこり笑いながら軟膏を取りに行く。オーギュストは俺の手首を恭しく手に取ると、舌を這わせて洗浄魔法をかけていった。

 彼らの心地良い奉仕に身を任せて、俺は癒やしの時間を楽しんだ。

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