転生者の妹曰く、ここは俺が総攻主人公のBLゲームらしい?

天城

文字の大きさ
57 / 62
番外編-ボーナスステージ-

攻略対象より愛を込めて・3






 放課後、寮の部屋には寄らずオーギュストの部屋へと転移した。

 訓練も2日目だ。先に汗を流しておこうと、勝手知ったる他人の部屋で浴室を使わせてもらう。見ればタオルと薄い夜着が用意されていて、大きさからオーギュストのではなく俺のだと判った。
 用意したのはエルヴェだろう。本当に出来るヤツだ。

「……はぁ」

 魔道具に魔力を流して、湯船にたっぷりと湯を張る。その中にとぷんと浸かりながら、出たのは大きなため息だ。
 
 ――昨日の夜、この部屋でオーギュストとエルヴェにじっくり蕩けるほど愛された。

 実は1日目はまだ、挿入されていない。二人とも股間がガチガチになるまで興奮していたようなのに、勢いに任せて突っ込んでくることはなかった。理性のバケモノなんだろうか、彼らは。

 二人はただ持てる技術の全てを使って俺を愛撫し、快楽を刻み込むだけだった。

 足の先から頭のてっぺんの髪の先まで、どろっどろに甘やかされてダメにされてしまった。いつもサロンで洗浄魔法を使われるのとは、全然違う。

 唇の触れ方ひとつ、指先で撫でる仕草やこちらを見つめる視線にさえ、俺に対する愛情が込められていた。焼かれて焦がされて奪われる行為ではない。じっくり弱火で炙られて念入りな下ごしらえをされている気分だった。
 俺は男なのに、手に絡む指先の強さでさえ加減されて、慈しまれた。

 こんな愛され方は知らない。ベッドでの性行為というのは、こんなに恥ずかしいものだと、俺は知らなかったんだ。
 
 実を言うと、閨事のときのフレデリックは少し意地悪で、俺を追い詰めてばかりいる。
 俺が耐えられるギリギリの線を知っているから、泣き出す寸前まで追い詰めて弄り回して、快楽に浸してしまう。俺の心を感情ごとめちゃくちゃにするのが好きなんだと思う。
 そうなった俺を見ると、フレデリックは心底嬉しそうに笑うから。それがフレデリックの愛し方なんだろう。
 
 それしか知らなかった俺は、オーギュストとエルヴェの手管に戸惑うばかりだった。

 こんなにじっくり、反応みながら愛撫されるのは、本当に恥ずかしい。何にも判らなくなるくらい激しいほうが、まだ言い訳がきく。
 ……そういう俺の『意地』までオーギュスト達は解かして蕩けさせ、自分達の方へ寄りかからせてしまう。

 ああコレはダメだ、ダメになってしまう、と思うのに心地良すぎて抵抗できない。ある意味で非常に恐ろしい手管だった。もともと好意は感じているが、それとは違ったむず痒さが生まれてしまう。

「ウォルフハルド、ここにいたのか」

 部屋の主、オーギュストがエルヴェを伴って帰ってきた。湯船の中でのびのびしていた俺は、頭をもたげてオーギュストを見上げた。彼はすぐに大きなタオルを広げ、こちらに近づいてくる。

 両手を上げると、すっぽりと身体がタオルに包まれ湯船から引き上げられた。ぽん、ぽん、と軽く身体にタオルが当てられて水滴がぬぐわれていく。俺を抱き上げたまま移動したオーギュストは、立派な天蓋付きのベッドに大股で歩み寄る。そしてそこへ、全裸の俺を慎重に降ろした。

「中の洗浄魔法は」
「まだだ。湯につかってただけ」

 こくん、と頷いたオーギュストは俺の足の間に陣取り、枕を腰の下に押し込んでからアナルに舌を這わせはじめた。

 てち、てち、と猫が舐めるように少しずつ、外側からキレイにされていく。オーギュストの舌が温かくて心地良くて、ん、と甘えるような声が漏れてしまった。もう条件反射でとろとろにされてる。ああ、ダメにされてるなあと思った。

 ふと、ベッドの向こうでガラガラと音がしたので、食事のワゴンでも運んできたのかと思い視線を移動すると、エルヴェがにこにこしながら台を押していた。その台の上には、異様なカタチの棒みたいなものが並んでいる。

 ……うん。これはアレだ、ペニスを模した何かだ。材質は判らないが、用途だけは判る。

「ウォルフハルド様。手配に一日頂いてしまいましたが、ペニスサックをご用意しました。こちらから、団長の性器と似た大きさのモノをお選び頂けますか。今日は流石に入れられませんが、参考にいたします」

 す、と顔を上げてオーギュストも台の方を見ていた。大きさがどれくらいか気になるんだろうか。

 ……俺は一番端にあったヤツを指さした。

 この中では一番長くて太く、カリの張った凶悪な見た目をしている。『これで勃起前』と付け足すと、エルヴェは眼鏡を押さえてはぁと小さくため息をついた。気持ちは判る。これなら勃起した後は腕くらいありそうだよな。いっそフィストで練習しろということか。……もの凄く嫌だが。泣きそうなくらい嫌だけど。

「……フィストはイヤだな」
「そんなことは致しません!」
「ウォルフハルド、それはしない」

 しないのか、それならいい。
 それはさておき、まずはマグナスのサイズよりも先にオーギュストのが入るかどうか試すんじゃなかったか。

 俺はジッとオーギュストの股間に視線を向け、昨日改めてマジマジと見たペニスを思い出していた。

 オーギュストはフレデリックやエルヴェより体格がいい。身長はエルヴェより少し高い程度だが、騎士団にいそうなほど胸板が厚かった。
 腹筋も割れているが、そこを撫でてやると嬉しそうに目元を赤く染めるから、正直可愛い。ペニスは手や足で撫でて何度かイかせたことがある。
 女泣かせっぽい大きさで、勃起すると思いのほか凶暴な見た目をしていた。それが俺に対して攻撃性を見せる事はなかったが、太い血管の浮いたペニスは、今後も使用されないのでは勿体ないだろうなとは思っていた。

 オーギュストは妻を娶ると継承権問題が発生するので、一生独身だろうと言われている。……いや、俺が貰うからソレはいいんだけどな。絶対に妻娶るより幸せにしてやるから。
 
「エルヴェ、二輪刺しというのがあると思う」
「え、……ウォルフハルド様?」
「まずオーギュストが慣らしてからお前も入れたらいい」
「ほ、本気ですか……?」

 俺はエルヴェに手招きして、その下肢の布を指に引っかけてめくっていった。戸惑うエルヴェの紫色の瞳を見上げながら、頷く。
 最終的に目指すサイズを考えると、これが二本入るくらいは耐えられないと無理だろう。多少怪我をしても回復魔法があるから、大惨事にはならない。

「お前も脱いでベッドに上がれ」
「しかし……ウォルフハルド様」
「何度も言わせるな。……脱げ」

 多少の威圧を込めて命令すると、エルヴェは1度目を瞑ってから顔を上げ、眼鏡を外した。それを机に置いて、自ら服を脱ぎベッドへ上がってくる。オーギュストには僅かに敵わないがエルヴェの身体もしっかりと筋肉がついている。

 側近といえど貴族の令息で、長いこと王家に仕えてきた家門だ。幼い頃はあまり剣術に興味がなかったらしいが、10歳頃を境に瞬く間に力をつけ第二王子の側近候補になったらしい。出世欲だけとも思えないが、エルヴェには何か目的があったんだろうか。

「ウォルフハルド、かまわないか」
「うん」
「……ご奉仕させてくださいウォルフハルド様」

 オーギュストが俺の身体を抱き寄せ、エルヴェが美しい仕草で礼をする。俺が頷いてそれを許すと、二人は欲の滲んだ瞳でこちらを見つめながら、俺の身体に触れ始めた。

感想 1

あなたにおすすめの小説

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~

槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。 公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。 そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。 アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。 その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。 そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。 義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。 そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。 完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス

BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。

佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。

義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。 あれこれめんどくさいです。 学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。 冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。 主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。 全てを知って後悔するのは…。 ☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです! ☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。 囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317

弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~

荷居人(にいと)
BL
BL大賞20位。読者様ありがとうございました。 弟が生まれた日、足を滑らせ、階段から落ち、頭を打った俺は、前世の記憶を思い出す。 そして知る。今の自分は乙女ゲーム『王座の証』で平凡な顔、平凡な頭、平凡な運動能力、全てに置いて普通、全てに置いて完璧で優秀な弟はどんなに後に生まれようと次期王の継承権がいく、王にふさわしい赤の瞳と黒髪を持ち、親の愛さえ奪った弟に恨みを覚える悪役の兄であると。 でも今の俺はそんな弟の苦労を知っているし、生まれたばかりの弟は可愛い。 そんな可愛い弟が幸せになるためにはヒロインと結婚して王になることだろう。悪役になれば死ぬ。わかってはいるが、前世の後悔を繰り返さないため、将来処刑されるとわかっていたとしても、弟の幸せを願います! ・・・でもヒロインに会うまでは可愛がってもいいよね? 本編は完結。番外編が本編越えたのでタイトルも変えた。ある意味間違ってはいない。可愛がらなければ番外編もないのだから。 そしてまさかのモブの恋愛まで始まったようだ。 お気に入り1000突破は私の作品の中で初作品でございます!ありがとうございます! 2018/10/10より章の整理を致しました。ご迷惑おかけします。 2018/10/7.23時25分確認。BLランキング1位だと・・・? 2018/10/24.話がワンパターン化してきた気がするのでまた意欲が湧き、書きたいネタができるまでとりあえず完結といたします。 2018/11/3.久々の更新。BL小説大賞応募したので思い付きを更新してみました。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。