40 / 42
番外編
どうあっても本質なんて変わりようがない・1
しおりを挟むああ、これは夢だ。
そう思う瞬間が魔王にはよくあった。
過去の覆せない事柄を夢に見たり、悲しい結末をくり返しなぞったりして泣きながら目覚めたこともある。
しかし今日は、その夢の様子が違った。
真っ白いシーツの上、魔王は薄物をまとって座っていた。ぼんやりしていた魔王は足先に触れた温かい手の感触にぴくりと身体を震わせる。
あたりはベッド以外何もない真っ白な空間で、ただひとり輝くような存在感を示す相手がいた。成人した姿のカーティスだ。
前世よく見かけた冒険者装備をつけた姿で、魔王の足首を優しく掴んでいる。
「あ、……カー、ティ……ッ」
ハッとして魔王は口を噤んだ。
この大人のカーティスからは、名前を呼ぶなと怒鳴られた記憶が残っている。声は出せずはくはくと口を動かすだけの魔王に、カーティスが苦笑した。
そして魔王の足の甲に唇を軽く押し当てる。
「呼んでいい。……呼んでくれ」
耳に響いたのは低めで柔らかなカーティスの声だ。
死ぬ間際聞いていたあの冷たい声ではない。魔王はぶわっと溢れ出した涙で声を詰まらせた。
慌てたように近づいてきたカーティスが、魔王の頬から涙を拭う。
温かい親指が触れ、それから柔らかな唇が頬に落ちてきた。ちゅ、ちゅ、と涙を唇で拭われて魔王はくすぐったくて首を竦めた。
「カーティス、……カー……ぁ、え?」
ころん、とそのまま押し倒され、シーツの上でカーティスを見上げた。
すすっと温かい手のひらが魔王の太腿を撫で下げ、膝を掴んで押し開く。開いた足の間にカーティスが腰を進めてきて、焦ったように魔王は彼の胸を押し返した。
「えっ、か、カーティス!?」
「大丈夫だ痛くは絶対しない」
「え、そういう問題じゃ……」
「治癒で直しながら怪我させたりもしない」
それに、夢だから、とカーティスの口からそう言われてしまうと、魔王は『そうか夢かぁ』と抵抗を止めてしまった。
いまのうち、とばかりにすぐさまカーティスの口が魔王の立派な性器を飲み込んだ。そしてじゅるっじゅるっと卑猥な音を立てはじめる。
カーティスの口は大きくて、唇が少し薄いが吸引力が並みではない。
きゅっと喉奥まで飲み込んで締められたり、 亀頭を集中的に舐めて吸われたり、尿道口に舌の先をぐりぐり押し込まれたりすると魔王は悲鳴に近い嬌声を上げた。
ビクン、と腰が震えて何度かイキそうになった。
しかしその気配を感じるとカーティスは激しいフェラを止めてしまって、玉を指で転がしたりアナルを指でふにふにと揉んだりしてくる。
何度も何度も絶頂をはぐらかされた魔王は、無意識に腰を揺らしながらカーティスの頭を両腕で抱き込んだ。
「カーティス、あ、あっ、きもちっ、いいっ、よ、すぎてっ、つらい……カーティス……ッ!」
ぼろぼろ泣きながらよがる魔王の性器を散々弄り回しながら、カーティスはアナルの方も指で拡張していた。
始めはキツくて一本入れるのも困難な程だったが、性器への刺激に気を取られている魔王は正直チョロかった。
魔王が自分から『イかせて、イかせてぇ』と泣き出した頃には、カーティスの指は3本も入っていた。
太い指がアナルをぐぽぐぽと音を立てて出入りしている。
チラチラと覗く紅い粘膜には非常にそそられた。まだ少し狭いが、と思いながらカーティスは魔王の性器への愛撫を止めた。
そして傷ひとつない真っ白な身体をうつ伏せに返すと、猛った太い性器でアナルの入口を軽く突いた。
「ぁ、……ぁ? か、てぃす……?」
「大丈夫、痛くしない」
カーティスも魔王の名前を呼びたかったが、今はアレクセイと呼ぶべきなのかアークと呼ぶべきなのか迷った。
それで耳元にキスするだけで誤魔化してしまった。
紅く染まった耳朶にカリッと歯を立てると、亀頭を押しつけていたアナルがヒクヒク震える。『あっ』と甘い声を上げた魔王がシーツの上でとろっとろの目をしてカーティスを振り返った。
ああ、もう。めちゃくちゃに泣かせたい。
カーティスは自制心を働かせながらゆっくりとアナルに亀頭を飲み込ませた。
時間をかけてゆっくりと進み、魔王への愛撫は欠かさず、辛そうならすぐに動きを止める。
「あ、あっ、あっ、カーティ、ス、……んっ、ぁ、きもちっ、ぁひっ……もっとぉっ」
83
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる