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番外編
とある忠犬のよもやま話・2
しおりを挟む確かに、立派に育った兄にはもうスペアはいらない。
ミハイルは『不要品』として競りに出されたのだ。そして多額の金と引き換えにミハイルを欲しがったのが、あの高位魔族なのだろう。
侯爵家だというから、父も繋がりを深くして置きたいと考えたのかもしれない。
それからミハイルは未開発のアナルを、専用のスライムの魔物を使い拡張する訓練に入った。
処女を散らすのを楽しみにしているというゲスな侯爵のために、締め付けはキツく処女のまま、中の開発が進められた。
スライムに毎日毎日アナルを蹂躙され、食事の時も眠る時も奥に細い張り型が入れられたまま過ごした。
専用の調教師が来て触手の魔物を使いミハイルにフェラの教育と、アナルの訓練の両方を施した時は、何故か兄が地下室まで見に来ていた。
それまであまり顔を合わせなかった兄弟だというのに、ミハイルの婚姻が決まってからは兄はよく弟の様子を見に来た。
そして処女のまま娼婦の淫乱さを刷り込まれていくミハイルを見ては、自身の性器を擦って精液を吐き出していく。
兄もそれなりにかわった性癖を持っていたのかもしれない、とミハイルは思った。
父は青みがかった銀髪にアイスブルーの瞳を持った冷たい美貌の魔族だった。
そして兄は、その血を色濃く受け継いでいて、容姿も兄弟か?と思うほど似ていた。
ミハイルは、兄が自分の痴態を見て自慰をし射精するのを見るたび、父の顔がちらついて笑ってしまった。もしかしたら父にも、他人には言えない性癖があるのかもしれない。
そして婚姻の日も差し迫ったある日、いつものようにスライムに犯されてアナルをギチギチに開かれてひんひん泣いていたミハイルは、父達の訃報を聞いた。
魔王即位の儀に立ち会った父と兄、それだけでなく婚姻を結ぶ予定だった元老院の侯爵も死んだのだという。
そして気がつけばミハイルは当主となり、元老院の長老まで務めることになった。
『お前の顔を見ているとめちゃくちゃにしてやりたくなる』
『鞭の似合う顔だ、いや縄のほうがいいか?その加虐心を煽る顔は才能だぞ』
前者は兄、後者はミハイルの開発を請け負った調教師の言葉だ。
兄が何を考えていてそんな事を言ったのか、ミハイルは見当も付かなかった。そして調教師は、ミハイルの顔に何が見えたのか。
ふと、そんな昔のことをミハイルは思い出した。
こんな顔でも、魔王に楽しんで頂けるのなら、いくらでも嬲ってかまわない。むしろ全て捧げていると言っても過言ではなかった。
「前は口枷と手錠で厳重警戒だったよねー。いつから気が変わったのかな、ルカ」
部屋の隅で気配を消して待機しているルカに、魔王が話しかけた。
急に別の者に見られているという羞恥でミハイルは顔を伏せた。耳が熱く、半分脱がされた下着から覗くアナルがヒクンと震える。
「もう魔王様に危害を加える存在でないことが判ったからですよ」
「……ルカの趣味かと思った」
「人聞きの悪い!」
この『ご褒美』の初回は、ミハイルがまだ側近となってすぐの頃だった。
魔力を封じる枷を口と後ろ手にくくられた手首に着けられ、ミハイルは床に転がされていた。
魔王の気配を近くに感じるだけで興奮して、ふー、ふー、と息をつきながらもじもじしているミハイルに、魔王はにっこり笑みかけた。
あの頃はまだ足先を使っての遊びに魔王も慣れていなかったので、ハプニングもあった。
転がったミハイルに乗り上がるようにして撫でていたら、ビクッと跳ねた拍子に足がズレて、魔王がミハイルの上に尻餅をついたのだ。
ぽすっ、と落ちた先は幸い股間ではなかったが、太腿に魔王の臀部をぎゅっと押しつけられたのを感じたミハイルは声もなくイッていた。
こうなると、あの婚姻を避けられたのは良いことだったのか、悪かったのか。
ミハイルはハイレベルの調教を受け、魔王と出会い性癖が発達し、立派な淫乱処女になってしまった。
実はあの頃使っていた調教用のスライムの魔物を、いまだに手放せていないミハイルだった。
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