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十二話 それぞれの婚前
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アドリアナがロドリゴに提案したことは、レオノールの躾け方についてだった。
「部下たちが、レオノールさまの面倒を見るのを嫌がっています。これを何とかしないことには、隊長になりたがる者は出ないでしょう」
「そうだな、ネックになるだろうと、先ほどの議会でも話題に上がっていた」
「そこで考えたのですが、レオノールさまを兵士見習いにしてはどうでしょうか?」
「……え?」
「これまで王族は男性に限り兵役についてきましたが、今は軍にも女性騎士や女性兵士が増えました。ここはひとつ、レオノールさまが先陣を切って、初の女性王族兵士として――」
「待て待て待て! 思い切り過ぎじゃないか!?」
ロドリゴは慌て、のんびりした態度をかなぐり捨てる。
そして思い出すのだった。
アドリアナはこういう人物だったと。
王族のロドリゴの尻を、なんの躊躇もなく引っ叩く人物だったと。
「部下たちも、兵士見習いと思えばレオノールさまを厳しく躾けられるでしょう。いい案だと思います」
「……本気か?」
「レオノールさまも、衆人環視の中で第四部隊の伝統を学べば、心が入れ替わります。どこかの誰かのように」
アドリアナがにっこりと微笑むので、ロドリゴは鳥肌が立った。
そして心の中でレオノールに詫びた。
(もう俺ではアドリアナを止められない。――レオノール、骨は拾ってやる)
その日、レオノールの第四部隊への入隊が決まり、無事にアドリアナの後任が選ばれたのだった。
◇◆◇
「坊ちゃま、花嫁衣装は3点ほど作っておきましょう。アドリアナさまには、その中から選んでいただくのがいいですよ」
「3点で足りるかな?」
「三か月の間にお針子たちは、花嫁衣装以外のアドリアナさまのドレスも制作するんですからね。あまり無茶を言っては駄目ですよ」
それもそうか、とバーナビーは思い直す。
アドリアナが必要とするものを、全て自分で揃えたいバーナビーによって、王城には国外から多くの商隊が呼ばれていた。
次はそこで身の回りの品を選ばなくてはならない。
「婆や、衣装のことは任せる。私は商人たちに会ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃいませ」
恭しく頭を下げる婆やとお針子たちを残し、バーナビーは溌溂と歩く。
なにしろ婚姻届を出してまだ数日の新婚だ。
どうしても、知らず幸せオーラを振りまいてしまう。
「待たせたね、私のお嫁さんに相応しいものは、全て買い取るよ」
気前のいい発言をしながら商人たちの待つ控え室に入ってきたバーナビーに、その場は沸き立つ。
情報の早い商人たちがさっそく、爬虫類獣人むけの商品をバーナビーに紹介する。
「こちらは、爬虫類獣人の鱗を美しく保つためのクリームです。ぜひ、バーナビー殿下のお嫁さまに」
「うん、いいね!」
勧められるままに、どんどん購入していくバーナビー。
これまで、抱かれたい男No.1として貢がれることはあっても、貢ぐことはなかった。
使われることなく22年間貯められていたバーナビーの私財が、ここにきてようやく動き出したのだ。
お金の動きに敏感な商人たちにとって、大変な稼ぎ時だった。
しかも金に糸目をつけないバーナビーが、惜しげもなく大枚をはたくので、この控え室は熱狂の坩堝と化した。
「私の美しいアナの黒髪を映すには、これくらい大きな鏡がいいかもしれない」
「この翡翠色はアナの鱗の色に似ている。これと同じシリーズの食器をまとめて買おう」
「アナは吸い込まれるような金の瞳をしているんだ。そんな煌めく金のシャンデリアはあるかい?」
その後、惚気まじりのバーナビーの話をずっと聞かされた商人たちによって、アドリアナの容姿とバーナビーの溺愛ぶりは世界中に広まる。
バーナビーが報酬を弾み、職人たちが奮起したおかげで、ふたりの新居は三か月以内に完成した。
バーナビーが特注した日当たりのいいテラス、水遊びができるプール、温度と湿度の調整ができる孵卵部屋も、素晴らしい出来栄えだった。
そこへバーナビーが買いまくった、アドリアナ仕様の生活用品や家具が運び込まれる。
アドリアナの衣装室には、お針子たちが頑張った色とりどりのドレスが並ぶ。
これで、いつアドリアナが嫁いできても大丈夫な環境が整った。
バーナビーは首を長くして、その日を今か今かと待つのだった。
――獣人国にいるロドリゴのもとに、商人たちの噂が伝わるころ、アドリアナにはこんな二つ名がついていた。
「『金と翡翠に愛されし黒蝶真珠の君』だと? はっはっは、これは一体誰のことだ?」
腹を抱えて大笑いするロドリゴは知らない。
この噂が巡り巡って、やがてアドリアナの出生の秘密を暴くことになるのだと。
◇◆◇
ようやく三か月が過ぎ、アドリアナがエイヴリング王国へ嫁ぐ日が近づいてきた。
予定通りに獣人国を出発し、式の日に間に合うように道程を進んだ。
式に参列するロドリゴたちも、アドリアナと一緒に入国しようとしたが、どうやら手続きが滞っているようだった。
「どうしたんだろうなあ? 前はもっとスムーズに入国できたのに」
「結婚式が間近とあって、エイヴリング王国も忙しいのかもしれませんよ」
ロドリゴと付き人は、馬車の中でのんきに会話している。
アドリアナだけは先に入国することができたのだが、残りの獣人たちは国境の前の町で一泊することとなった。
「式に間に合わんということはないだろう。せっかくの旅だ、ゆっくりしよう」
エイヴリング王国が手配してくれた宿でくつろいでいるロドリゴに、付き人がこんな噂をひろってきたのは夕方も過ぎてからだった。
「大変ですよ、ロドリゴさま。この宿だけで、かなりの数の王族がいます。どうやらアドリアナさまとバーナビー殿下の結婚式を、各国がお忍びで見に来ているようです」
「お忍びで? 正式に招待されていない国が?」
「そうです。さすが抱かれたい男No.1の結婚式だと思いましたが、どうもそれだけではないようです。ちょっときな臭い話も小耳に挟んでしまって……」
付き人が言うには、バーナビーに縁談を断られ続けた女王や王女が、憎きアドリアナを一目見てやろうと押しかけているのだとか。
容姿や生まれに、ケチをつけたくてしょうがない風だったと付き人は顔をしかめる。
ロドリゴも顔を曇らせた。
アドリアナは獣人国が誇る最強の戦士だ。
それこそ、どこに出しても恥ずかしくないと思っている。
しかし、それは戦士としての話で、花嫁となるとロドリゴにも自信がなかった。
「女王や王女か……もしかしなくても、レオノールみたいなのばかりじゃないだろうな? これ以上、アドリアナの怒りに、俺は触れたくないんだが……」
ついつい尻尾がひゅんとなってしまうロドリゴだ。
実は第四部隊に入隊したあとも、レオノールは散々アドリアナに手間をかけさせた。
そしてついに、レオノールは公開お尻ぺんぺんの刑を受けることになったのだ。
そのときのアドリアナの怒りはすさまじかった。
可愛い部下が、頑張って隊長職を引継ぎ指導しているのを邪魔するレオノールに、アドリアナは一切の容赦をしなかった。
舐めた態度だったレオノールが、一発目で声を失い、二発目で生理的な涙を流し、三発目でか細く許しを請い、最終的には立ち上がることもできず失神した。
そのときの鬼気迫るアドリアナに、ロドリゴは奥歯をガタガタ震わせたものだ。
「もうアドリアナはエイヴリング王国の王子妃なんだから、何かあってもバーナビー殿下が何とかしてくれることを期待しよう」
丸投げを決めたロドリゴは、翌朝すっきりした顔つきで国境を超える。
アドリアナとバーナビーの結婚式は、二日後に迫っていた。
「部下たちが、レオノールさまの面倒を見るのを嫌がっています。これを何とかしないことには、隊長になりたがる者は出ないでしょう」
「そうだな、ネックになるだろうと、先ほどの議会でも話題に上がっていた」
「そこで考えたのですが、レオノールさまを兵士見習いにしてはどうでしょうか?」
「……え?」
「これまで王族は男性に限り兵役についてきましたが、今は軍にも女性騎士や女性兵士が増えました。ここはひとつ、レオノールさまが先陣を切って、初の女性王族兵士として――」
「待て待て待て! 思い切り過ぎじゃないか!?」
ロドリゴは慌て、のんびりした態度をかなぐり捨てる。
そして思い出すのだった。
アドリアナはこういう人物だったと。
王族のロドリゴの尻を、なんの躊躇もなく引っ叩く人物だったと。
「部下たちも、兵士見習いと思えばレオノールさまを厳しく躾けられるでしょう。いい案だと思います」
「……本気か?」
「レオノールさまも、衆人環視の中で第四部隊の伝統を学べば、心が入れ替わります。どこかの誰かのように」
アドリアナがにっこりと微笑むので、ロドリゴは鳥肌が立った。
そして心の中でレオノールに詫びた。
(もう俺ではアドリアナを止められない。――レオノール、骨は拾ってやる)
その日、レオノールの第四部隊への入隊が決まり、無事にアドリアナの後任が選ばれたのだった。
◇◆◇
「坊ちゃま、花嫁衣装は3点ほど作っておきましょう。アドリアナさまには、その中から選んでいただくのがいいですよ」
「3点で足りるかな?」
「三か月の間にお針子たちは、花嫁衣装以外のアドリアナさまのドレスも制作するんですからね。あまり無茶を言っては駄目ですよ」
それもそうか、とバーナビーは思い直す。
アドリアナが必要とするものを、全て自分で揃えたいバーナビーによって、王城には国外から多くの商隊が呼ばれていた。
次はそこで身の回りの品を選ばなくてはならない。
「婆や、衣装のことは任せる。私は商人たちに会ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃいませ」
恭しく頭を下げる婆やとお針子たちを残し、バーナビーは溌溂と歩く。
なにしろ婚姻届を出してまだ数日の新婚だ。
どうしても、知らず幸せオーラを振りまいてしまう。
「待たせたね、私のお嫁さんに相応しいものは、全て買い取るよ」
気前のいい発言をしながら商人たちの待つ控え室に入ってきたバーナビーに、その場は沸き立つ。
情報の早い商人たちがさっそく、爬虫類獣人むけの商品をバーナビーに紹介する。
「こちらは、爬虫類獣人の鱗を美しく保つためのクリームです。ぜひ、バーナビー殿下のお嫁さまに」
「うん、いいね!」
勧められるままに、どんどん購入していくバーナビー。
これまで、抱かれたい男No.1として貢がれることはあっても、貢ぐことはなかった。
使われることなく22年間貯められていたバーナビーの私財が、ここにきてようやく動き出したのだ。
お金の動きに敏感な商人たちにとって、大変な稼ぎ時だった。
しかも金に糸目をつけないバーナビーが、惜しげもなく大枚をはたくので、この控え室は熱狂の坩堝と化した。
「私の美しいアナの黒髪を映すには、これくらい大きな鏡がいいかもしれない」
「この翡翠色はアナの鱗の色に似ている。これと同じシリーズの食器をまとめて買おう」
「アナは吸い込まれるような金の瞳をしているんだ。そんな煌めく金のシャンデリアはあるかい?」
その後、惚気まじりのバーナビーの話をずっと聞かされた商人たちによって、アドリアナの容姿とバーナビーの溺愛ぶりは世界中に広まる。
バーナビーが報酬を弾み、職人たちが奮起したおかげで、ふたりの新居は三か月以内に完成した。
バーナビーが特注した日当たりのいいテラス、水遊びができるプール、温度と湿度の調整ができる孵卵部屋も、素晴らしい出来栄えだった。
そこへバーナビーが買いまくった、アドリアナ仕様の生活用品や家具が運び込まれる。
アドリアナの衣装室には、お針子たちが頑張った色とりどりのドレスが並ぶ。
これで、いつアドリアナが嫁いできても大丈夫な環境が整った。
バーナビーは首を長くして、その日を今か今かと待つのだった。
――獣人国にいるロドリゴのもとに、商人たちの噂が伝わるころ、アドリアナにはこんな二つ名がついていた。
「『金と翡翠に愛されし黒蝶真珠の君』だと? はっはっは、これは一体誰のことだ?」
腹を抱えて大笑いするロドリゴは知らない。
この噂が巡り巡って、やがてアドリアナの出生の秘密を暴くことになるのだと。
◇◆◇
ようやく三か月が過ぎ、アドリアナがエイヴリング王国へ嫁ぐ日が近づいてきた。
予定通りに獣人国を出発し、式の日に間に合うように道程を進んだ。
式に参列するロドリゴたちも、アドリアナと一緒に入国しようとしたが、どうやら手続きが滞っているようだった。
「どうしたんだろうなあ? 前はもっとスムーズに入国できたのに」
「結婚式が間近とあって、エイヴリング王国も忙しいのかもしれませんよ」
ロドリゴと付き人は、馬車の中でのんきに会話している。
アドリアナだけは先に入国することができたのだが、残りの獣人たちは国境の前の町で一泊することとなった。
「式に間に合わんということはないだろう。せっかくの旅だ、ゆっくりしよう」
エイヴリング王国が手配してくれた宿でくつろいでいるロドリゴに、付き人がこんな噂をひろってきたのは夕方も過ぎてからだった。
「大変ですよ、ロドリゴさま。この宿だけで、かなりの数の王族がいます。どうやらアドリアナさまとバーナビー殿下の結婚式を、各国がお忍びで見に来ているようです」
「お忍びで? 正式に招待されていない国が?」
「そうです。さすが抱かれたい男No.1の結婚式だと思いましたが、どうもそれだけではないようです。ちょっときな臭い話も小耳に挟んでしまって……」
付き人が言うには、バーナビーに縁談を断られ続けた女王や王女が、憎きアドリアナを一目見てやろうと押しかけているのだとか。
容姿や生まれに、ケチをつけたくてしょうがない風だったと付き人は顔をしかめる。
ロドリゴも顔を曇らせた。
アドリアナは獣人国が誇る最強の戦士だ。
それこそ、どこに出しても恥ずかしくないと思っている。
しかし、それは戦士としての話で、花嫁となるとロドリゴにも自信がなかった。
「女王や王女か……もしかしなくても、レオノールみたいなのばかりじゃないだろうな? これ以上、アドリアナの怒りに、俺は触れたくないんだが……」
ついつい尻尾がひゅんとなってしまうロドリゴだ。
実は第四部隊に入隊したあとも、レオノールは散々アドリアナに手間をかけさせた。
そしてついに、レオノールは公開お尻ぺんぺんの刑を受けることになったのだ。
そのときのアドリアナの怒りはすさまじかった。
可愛い部下が、頑張って隊長職を引継ぎ指導しているのを邪魔するレオノールに、アドリアナは一切の容赦をしなかった。
舐めた態度だったレオノールが、一発目で声を失い、二発目で生理的な涙を流し、三発目でか細く許しを請い、最終的には立ち上がることもできず失神した。
そのときの鬼気迫るアドリアナに、ロドリゴは奥歯をガタガタ震わせたものだ。
「もうアドリアナはエイヴリング王国の王子妃なんだから、何かあってもバーナビー殿下が何とかしてくれることを期待しよう」
丸投げを決めたロドリゴは、翌朝すっきりした顔つきで国境を超える。
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