鮮血の機神兵

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1章・放浪者

[尋問]

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[ALS・取調室]

パイプ椅子は座るところが冷たいのと

長時間座ってると尻が痛くなるのはあるあるではないか。

軍本部に連行され、はや1時間はたったか

「じゃあ、最後にこの書類にサインしてね。」

取り調べは、あと、この書類にサインをして終わりだ。

担当はさっきの金髪の男だった。

名前は確かジェイ・ナックラー。階級は中尉。

話を聞かれている最中も、記録係の若そうな女性に何度か夕食を誘っていた。

チャラさは大佐の以上だと思う。あったことないけど。 

自分がサインをしようとペンを持つと

「あ!心配しなくてもブラックリストとかには載せないから安心してね」

少し笑いながらそう言った。

いや、笑えないブラックジョーク何だが…。

そう思いサインをした。

「よし!じゃ、これで終わりね!」

書類を記録係に渡した後、自分の方を向き

「ま、今回は相手側が悪かったけどさ、あんま下らん事件起こすなよ?うちのボスも相当つかれてるからさ!」
 
少々笑いながらそう言った。

「分かった。気をつける。」

そういい、部屋を出ようとすると

「あと、そんな無表情だと女できねーぞ!」

もう一度こちらを向きウィンクをした。

コイツ…絶対自分と合わねーな。

心の中でそう思った。

さてと、当初の目的に戻るとしよう。

この都市に来た理由は大きく二つある。

一つは昔と変わったところを見るため

もう一つは…まぁ、これは結局達成出来なかった。
 
さて、フードをもう一度かぶり軍本部を出た。

しかし、ここにはないとすると範囲は広い。

とりあえず隣の街にでも行くか。

そう思っていると、目の前に男が5人いる。

でかい男が二人(でかい男ら)、チビでデブな男(チビデブ)と、サングラス(サングラス)をかけた男、ロンゲの男(ロンゲ)。

男らはじっとこちらを見ている。
 
いかにも敵意むき出しである。

しかし関わってはいけない。また面倒なことになるし、先を急ぎたいからである。

しかし、男らは行く手を塞いだ。

チビデブが

「あんた…酒場で男殴ったろ?」

「さぁ…何のことだか…。」

この男ら、酒場の男の仲間(?)か何か。

男がやられて仇討ちでもしようというのか?

「バックれんじゃねえよ!今てめぇが軍んとこから出てきたことが最大の証拠だ!」

「しかし、それ以外かもしれないが…。」

どこに確証があって言っているのであろうか。

「いや、それはねぇんだよ。」

そういい隣のサングラスの男を指差し

「コイツが事件の時、てめぇが殴ってんの、見たんだってよ?」

そうだった。この男あの男と同じせきに座っていた!忘れてたァ!

しかし、自分はあたかも知らないふりをし

「本当に知らないんだ。帰っていいか?」

「コイツまじバックれてんな…。やっちまうか…。」

やってしまった…。これは完全なる殺意だ。

ボソりとチビデブがそう言うと、男らは戦闘態勢にはいった。

「まてまて、今やらかしても何の得もないぞ?」

「はぁ?そんなのカンケーねーよ!ロブの仇討なんだからよ!」

そうチビデブが叫ぶと、男らは自分に殴りかかってきた。

人数は多いが、男ら1人1人の動きは単調で読みやすかった。

しかし、殴るとまた捕まるので返さないよう努力するとしよう。

しかし、正当防衛というものが、この世にはある。

なので、多少痛い目は見てもらおう。

そもそもあの酒場の男が元々悪かったのだし…。

チビデブのパンチが来ると、みぞおちがガラ空きだったので一撃。 

しかし、その一撃は不幸にも空気を震わし男のみぞおちに吸い込まれていった。

やりすぎてしまったか…。

撃たれた男は「ウッ!!!」と苦悶の表情を浮かびあげ、静かに地面に落ち、少し嘔吐した。 

しまった!他の男らの、怒りを底上げしてしまった。
 
そう思った通り男らの怒りは頂点に達した。

しかし、もうやってしまったからあとにはもどれない。

そして、サングラスとロンゲが短剣を取り出し、咆哮を上げながら自分に向かってきた。
 
流石にそれは危ない。

ヒュッヒュッと、刃が空気を斬る音がする。

刃は怒りのせいか不規則に動き見切るのは少し困難だった。

しかし、それもまだ大丈夫なランクだった。

サングラスの短剣を受け流しそのまま、体重を乗せ回し蹴りをくらわす。

視界は、激しくブレ、そのままサングラスの体は地面に吸い込まれていった。 

ロンゲはそれで怯んでしまったのか、顔を青ざめかたまってしまった。

しかし、たかが飛び、「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」と発狂し始め、短剣を振り回してきた。

短剣は空を切って自分を襲う。

ロンゲは涙と鼻水を垂らしていて、理性はもう吹っ飛んでいるだろう。

短剣を持つ手を蹴り、顔面にパンチをくらわす。

ロンゲの顔は大きく変形し、遠くへ吹っ飛ばされた。

「おい…こいつやべぇよ…。」

「怯むな!俺らならやれるだろ!」

でかい男らは互いを鼓舞し合い、恐れを緩和した。

そして、二人同時にこちらに向かってきた。

「あのさ、今の時代仇討なんてやるもんじゃないよ。」

「なにおぉ!もとあといえば、てめぇが奴をやったせいじゃねぇか!」

男の1人が殴りながらいった。

男らのパンチが顔のギリギリを捉え、耳には「ビュー」という風切り音がした。

「いや、もとあといえば、お前のとこの馬鹿が恐喝なんてしなければ良かったんだよ。」

冷静な顔でそうシレッと言い放つと

男らは「うるせぇ!」と反発し、蹴りを入れてきた。

しかし、自分は蹴りを蹴りを、ガードした。

その時、何かの起動音がした。

それが空気中に響き渡った瞬間

男2人は、遠くに吹っ飛ばされる、ゴミの山にダイブした。

男らは気絶している者や、負傷しているものいるが

これは完全なる自業自得だと思う。

また厄介事になる前にどこかに行こう。

自分は何も無かったかのように平然とその場を去った…。





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