俺のテイマーとかいう雑魚職業が実はチートだった件

あどりりりりり

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1章 テイマー強すぎる件

五神龍

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 クラスのみんなも全員いる。そして、全員が、驚愕の色を浮かべている。

 少しの静寂が流れ、玉座のようなものに腰掛けている王様(?)が口を開いた。

「よくぞ来てくださいました。皆様。突然呼び出したりしてすみません。いきなりで悪いのですが、ステータスの確認をしてもらえますでしょうか?開けと念じれば開きますので。」

 ステータスって……ゲームかよ。てか、ここどこだよ。

 俺は聞きたいことがいくつもあったが、止めておいた。ステータス確認した後に聞け!みたいな雰囲気を王様がめっちゃ出していたからだ。ここがどこ分からないんだから、とりあえず言う通りにしておくべきだろう。

 えっと……開け!これでいいのか?

 そう念じると、シュンっと視界に何かが映り込んできた。

「うおっ。ビビった……。こんな感じで出るのか。」

 よく見ると、それは確かにステータスだった。
 内容はこんな感じ。

名前 如月 優斗
職業 テイマー
レベル 1
ユニークスキル 超魔獣契約 魔獣剣二刀流
魔法 所有していない
 
体力 50
魔力 7000
物攻 10
魔攻 7000
俊敏 20
防御 50
器用 500
運 5000

 ……ふむ。ちょっと下の方は一旦置いとこう。職業は……テイマーか。大体、ソードアー〇・オンラインの、シ〇カみたいな感じかな?

 ……予想外すぎるわけでもなく、王道でもなく、微妙な職業だ……。そして何より弱そう! テイマーとか絶対雑魚じゃん……。

 ただ、ユニークスキルを持ってるのはデカイな。超魔獣契約と魔獣剣二刀流か……。おお。全くもって意味わからん。……ま、使っていくうちに何とかなるだろ。……ここまではいいんだよ。ここまでは。

 俺はそう思いながら、ステータスの下の方へ目を移した。

 ……どうしたんだよこれ。もうちょっとこの数値、均等にできなかったの?

 俺が、よく分からんステータスと、にらめっこをしていると、その場にいた他のクラスメイト達もざわつき始めた。皆、自分のステータスを確認してなんか感想を言っているのだろう。

 ここに連れてこられた全員がユニークスキルを持っているのかな? まあ、その辺はあの王様が勝手に話すか。それまで待とう。

「えー、確認されましたか? もう分かっている方は信じられないでしょうが、あなた方は異世界からこの世界へ転移させられたのです。私達の勝手な都合で申し訳ないのですが、あなた方は魔王を倒さない限り、元の世界には帰れません。」

 王様(?)が、大きな声で言うと、クラス中からブーイングの声が上がった。そりゃそうだろう。いきなり生死を争う場所に連れてこられて、魔王倒さないと帰れないって言われたら、誰だって怒る。
 まぁ、でも、俺は絶対力とか貸さないし。こういうこと言う奴に限ってヤバイ奴だからな。さっさとトンズラして、好きに生きよう。テイマーで生きていけるのかはわからんが。

 てか、今更だけど、なんで運がそんな高いのにテイマーなんていう職業なんだよ。もうちょい強そうな職業いけただろ。

「それでは、列になってもらえますでしょうか? 自分の番が来たら、1人ずつ職業を私にいってってください。」

  俺が心の中で愚痴をこぼしていたら、王様(?)の横にいる女の人が言った。

 すぐに俺も含めたクラスメイトの全員が並んだ。

 皆、自分の職業をポンポンと言っていく。なんかこの光景、ものすごく不思議だ。

 職業は、結構多いみたいで、途中、鍛治職人みたいなのもいた。鍛治職人って……俺より微妙じゃないか……。可哀想に。

 でも、そういう生産系の職業は少なく、殆どは戦う系の職業だった。しかもみんな名前がチートっぽい。例えば、聖魔術師とか、黒魔術師とか、とか。

 そんなことを考えていると、列は俺の目の前まで来ていた。
 次は俺の番か……


「僕の職業は勇者です」

 俺の前の奴――天野 蓮《れん》が言った。聞き間違いではないかと疑ったがそうではないみたいだ。勇者ってことは、この王様にこき使われんのかな……可哀想に。……決して俺は羨ましくなんてないぞ。羨ましくなんてないんだからな。

「勇者ですね……はい次の方!」

 記録をとっている女の人が少し哀れみの表情を浮かべて言った。
 まあ、勇者とかマジでそういう扱いされるんだろうな。ちょっと同情するよ……。

「あ、俺の番か。えー、テイマーです。」

「テイマーですか……頑張ってください。」

 そう言って女の人が蓮に向けたのよりも酷い哀れみの目を向けてきた。

 ……そんな哀れむような顔しなくてもいいじゃない。なんか心が痛くなるから……。やめて。

 いや、予想はしてたけど、やっぱりテイマーって雑魚職業なんだな……。冗談キツイよ。

「はぁ……。」

 大きなため息をついて俺が頭を項垂れていると。

「優斗ー!どうだったー?職業!」

 横から元気いっぱいの明梨が話しかけてきた。

「いやー、なんかめっちゃ哀れまれた。辛い……。」

「そ、そうなの……。私はね、聖女だったよ!だから、優斗のこといっぱい癒してあげる!」

 残念そうな表情を一瞬浮かべたあと、明梨は花が咲いたように笑って言った。

 いっぱい癒してあげるって……いや、決して変なことは考えていないよ?ただちょっとだけ妄想しちゃったかなー?ってぐらい。

「優斗?熱でもあるの?」

 明梨がそんな俺の様子を心配して、顔を覗き込んできた。
 君でちょっと変な妄想してたんだよ。なんて絶対言えない……。

「……ああ。大丈夫だよ。ちょっと考え事。」

「それより、俺らってこれからどうすればいいんだろ?」 

「え?さあ?よく分かんない。私、神様じゃないし。」

 明梨が笑いながら冗談交じりに言った。本人は神ではないと言っているが、姿だけは神に見えなくもない。やっぱ不思議だ。こんな人が俺に構ってくれるなんてな……お人好しすぎるだろ。

 俺と明梨がそんな他愛ないおしゃべりをしていたら、いきなり、けたたましい轟音が部屋の中に鳴り響いた。鼓膜が大きく震え、弾け飛びそうになる。

 

「ま……また来た……。五神龍が……。もうダメだ。この国は終わりだ……。」

 王様が、震え気味の声で言った。

 おい。ちょっと待て。俺らホントにやばいところに呼び出されたっぽいな。しかも「また」って……。どうやってあの大爆発引き起こすヤツらの攻撃受けて助かってきたんだよ。

 窓に駆け寄ってその音の根源を見据えて、

「……マジかよ。」

 無意識に声が出た。なんと、外にいた龍の数は、1匹ではなく、2匹だったのだ。でも、よくよく見ると、その2匹同士で、喧嘩しているように見える。

「……やばいなあれ。明梨は行くか?」

「もちろん!人が困ってるのに見てなんかいられないよ!」

  明梨はそう言って、城の人にここら辺の道を尋ね始めた。

「はぁ……。……待って! 俺も行くよ!」

 俺は、小さく嘆息して、立ち上がると、明梨を呼び止めた。
 すると、明梨は、ゆっくりとこちらに向き直って、

「……いいの?」

「もちろん行くよ。俺だって何かできることはあるはずだからね」

「……ありがと。」
 明梨は、嬉しそうな悲しそうな複雑な表情を浮かべていた。
 なんでだろう。まあ、いいや。とりあえずあの暴れ龍をどうにかしなきゃな。


 この時の俺は、後に世界がひっくり返る程の事件が起こることをまだ知らなかった。
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