【完結】召喚された聖女の俺は生真面目な護衛騎士に愛されたい

緑虫

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29 番う(※R18回)

 テオさんとユキエさんの夢を見る前だったら、俺もレオも何をどうしたら番えるのかわからなくて右往左往していたと思う。

 大賢者のおじいさんが語った「思いが通じ合っていないとアルファがうなじを噛んだところで跡は残らない」というあの話の中に、具体的にどうすればいいというヒントはなかったからだ。

 だけど夢の中で、ユキエさんが教えてくれていた。

「簡単に言っちゃうと、アルファがオメガを抱いて、二人同時にイキそうになったところでアルファがオメガのうなじに噛みつくのよ。このタイミングがなかなか合わせるのが大変でねえ――」という苦労話? と共に。

 夢の中で、俺は鼻水を吹いた。ユ、ユキエさんてば、言うことが大胆なんだからなあもう……っ。

 そして男のオメガがどこでアルファを受け入れるかというと、後ろの穴一択だそうだ。つまり俺はレオに後ろの穴へ突っ込んでもらい、二人同時にイく時にガブッとしてもらうと番成立、ということになる。

 後ろの穴……。前だって使ったことのない俺に、当然ノウハウなんてある筈がない。

 恥ずかしいながらも知らないと拙いので具体的に何をどうすればいいのかをユキエさんに尋ねたら、「ごめんね、さすがにそこまではわからないなあ」と困り顔で返されてしまった。まあそうですよね。聞いた俺が悪かった。ごめんなさい、ユキエさん。

 ということで、現在レオに押し倒されている真っ最中の俺は、この際直接本人に相談してみることにしたんだ。

 鼻の頭同士をくっつけて、超至近距離から俺の目を凝視してきているレオに話しかけた。

「レオ。俺さ、ユキエさんに番える方法は教えてもらったんだけど、肝心の男同士のヤり方がよくわからないんだよな」

 すると、レオが「ゴフッ、ゲフガフッ」と咳込み始める。しばらくケホコホとむせていたけど、俺が「大丈夫?」と背中をさすっている内に、次第に収まっていった。

 涙目のレオが、顔を真っ赤にしながら口を開く。

「だ、大丈夫です……っ。その、ユキエ殿はなんと?」
「うん、それなんだけどさ――」

 俺はかくかくしかじかと、聞かされた通りに説明していった。レオは時折「ごきゅんっ」と喉を鳴らしながらも、俺の話を遮ることなく最後まで聞いてくれた。

「――ということで、レオは知ってる?」

 俺の真っ直ぐな質問に、誠実なレオは白い肌を真っ赤にしながらもちゃんと答える。

「その、私自身の話ではないのですが、私が所属しておりました騎士団は男だらけの場所でして」
「うん」
「色々とその、話に聞くこともあったので、一応多少の作法は存じ上げてはおります」

 作法。ということは、やっぱりただ「えいっ!」と突っ込むだけじゃ駄目なのか! よかった、聞いておいて!

「そうなんだ! よかったあー! 俺さ、男同士でするその作法? もわからないし、そもそも痛かったらどうしようかと――んっ」

 喋り続けようとしていた俺の口が、突然レオの口によって塞がれた。唇の間から侵入してきた熱くて分厚い舌が、甘いものを舐めるかの如く、俺の口腔内を優しくもねっとりと舐め回していく。

 き、気持ちいい……! 気持ちよすぎて、身体から力が抜けていく……!

 ごくんと口の中に溜まった唾を飲み込むと、俺の身体がちょっぴり白く光った。

「んぅ……っ」

 俺の喉からは、甘ったるい声が勝手に漏れていく。

「ハヤト、ハヤト……!」

 キスの合間にある息継ぎの際、レオが繰り返し俺の名を呼ぶ。レオに名前を呼ばれるだけで、歓喜が身体の中から溢れ出てきた。もっと、もっと俺を求めてほしいと、俺もレオの名を呼ぶ。

「レオ……っ、大好き……っ」
「私もです、ああハヤト……!」

 荒々しく俺の口腔内を貪りながら、レオが俺のシャツのボタンを外していった。すぐに上半身が全て曝け出される。レオは自分のシャツを乱暴に脱ぎ捨てると、筋肉で盛り上がった美しい胸筋を俺の素肌にぴたりと貼り合わせてきた。直接触れた肌は驚くほど熱くて、期待にゾクゾクッと鳥肌が立つ。

「ああ、ずっと貴方の肌にこうして触れてみたかった……っ!」
「あ、ん……っ」

 すると、クチュクチュと音を立てながら交わされていた口づけが、レオが不意に顔を上げたことでお預けにされてしまった。俺は仰向けになりながら、ハア、ハアと大きく息をすることしかできない。

 いつになくギラついた眼差しで俺を真上から見下ろすレオが、切なそうに目を細めながら言った。

「……ハヤト」
「う、うん?」
「今から貴方を抱いてもよろしいでしょうか。私を貴方の番にしていただけますでしょうか……!」
「レオ……」

 まだ問題は山積みだけど、俺とレオは想いが通じ合ったばかり。まるで夢のような幸福感の中、レオに求められていることが嬉しくて堪らない。

 だから俺は、レオの頬を両手で挟み込むと笑みを浮かべる。

「レオ、俺も聞きたい。俺をレオだけのオメガにしてくれる?」

 レオの青い瞳がジワリと湿り気を帯びていった。次の瞬間、レオが俺をガバリと抱き締めてくる。温かい息が、耳朶に吹きかかった。

「はい……っ、はい! 私は貴方だけのアルファです……!」
「レオ……!」

 俺は両手を伸ばしてレオの首に巻きつけると、隙間がなくなるくらいキツく、レオを抱き締めた。

 ◇

「あ……っ」
「ハヤト、痛くはありませんか?」
「だ、大丈夫……っ」

 レオは全裸で胡座を掻き、その上にこれまた全裸の俺を座らせながら、キスをしつつ指で俺の後孔を解していた。

 最初に指を突っ込まれる時、「そ、そんなところに指なんて、き、汚いからあっ!」と羞恥で抵抗した。だけどレオの唾を纏っていた指が穴に突っ込まれた瞬間、股間がパアア……ッと光ったんだ。

 それまでは羞恥と焦りでパニックになっていたのに、これには笑ってしまった。

「ぶ……っ、そうだよな、俺は聖女だから浄化しちゃうんだもんな、あははっ」

 レオも驚いたようだったけど、興奮からか火照った色気まみれの顔を俺に向けると、にっこり笑って言ったんだ。

「のようですね。では遠慮なく続けましょうね」

 俺はやっぱり恥ずかしかったけど、レオと番うって決めたんだから、とこくんと頷きレオに身を委ねることにした。

 ――で、レオはそれはそれは念入りに解していった。「万が一にもハヤトのお身体を傷付けてはなりませんから」と言いながら。

 俺は抵抗しなかった。何故なら、先程から俺のお尻に当たっている硬い棒の感触が、どう考えても重量感がありまくる代物だったからだ。

 こ、こんな大きさのものがちゃんと入るのか……!?

 抱かれるという未知の出来事にというよりも、レオのどう考えても規格外な陰茎のサイズのほうに怯えてしまうのも無理はないと思う。それくらい、レオの男の象徴は大層ご立派なものだった。

 そして、俺がぐずぐずに溶けるくらい力が抜けて「も、早く挿れてぇ……っ」という半泣き状態になってようやく、レオが満を持してベッドに仰向けになった俺の両足を上げる。

「はあ……っ、はあ……っ、で、では、僭越ながら挿れさせていただきますね……っ」

 レオが片手に持つレオの陰茎の先端からは、ダラダラとカウパーが流れ出してシーツの上にシミを作っていた。あれは辛いだろうな……。

 同じ男として辛さを理解した俺は、協力すべく両手でお尻をグニッと割り開く。

「う、うん! 挿れて!」

 それを見たレオが、ピシッと固まり――。

 次の瞬間、重量感のある堅くて熱いモノが俺の中に差し込まれた。あまりの圧に、俺の息が詰まる。

「――――ッ!?」
「ハヤト、息をして下さい。すみません、あまりに扇情的な誘われ方に、我慢ができませんでした」
「誘われ方……? は、は……っ、レオ、レオぉ……っ」

 ミチミチと入り込んでくるレオのレオの前に、あんなに受け入れる気満々だった気持ちが急激に萎えてきた。だけどレオとは絶対に番いたい。だから――。

「レ、レオぉ……っ、ぎゅうってして……っ」

 助けを求めるべく半泣き状態で両手をレオに伸ばすと、レオは雄味たっぷりの表情をして覆い被さってきた。ズズ、と塊が更に奥へと入ってくる。

「レオ、レオ……っ、あああ……っ!」

 俺は短い息を繰り返しながら、ただひたすらレオの名を呼び続けた。

 やがて、レオの全てが俺の中に埋まる。

「ハヤト、大丈夫ですか……?」

 早く腰を振りたいだろうに、レオはあくまで俺の心配をしてきた。こんなの、キュンとして許しちゃうに決まってるだろー!

「レオッ、レオ、動いて……!」
「! ですが」
「レオ、一緒にイきたい……っ! 俺を気持ちよくして、俺もレオを気持ちよくするから……!」
「……!」

 直後、レオが俺に抱きつきながら腰を動かし始める。

「あっ、あ、あっ」
「ハヤト、ハヤト、私の、私だけのオメガ……!」

 俺はハジメテだというのに、明らかに中で快感を拾っていた。これがオメガという存在に変異したせいだというなら、俺は世界を渡ってきてよかったと心から思う。

「レオ、レオも……気持ちいい……っ?」
「! はいっ、もう意識が飛びそうなほど、貴方の中が心地いいです……!」
「へへ……やったあ、俺もレオの、気持ちい――あっ!?」

 俺の言葉は、最後まで語られることはなかった。何故なら、どこでスイッチが入ってしまったのか、レオの腰の突き上げがこれまでとは比較にならないほど早く激しいものに変わったからだ。

「あっ、おっ、まっ、」
「ハヤト、私で感じてくれるハヤトはなんて愛おしいのでしょう!」
「やっ、も、まっ、イ、イくからぁ……!」

 ちょっとこのままだと全部が吹っ飛んでいきそうなほどの愉悦に襲われていた俺が、必死で言葉を紡ぐと。

 晴れ晴れしい笑顔のレオが言った。

「はい! ハヤトが達しましたらすぐに私も追いつきます! どうぞいつでも遠慮なくイッて下さい!」
「は、はえ……っ!?」

 始まった超高速ピストンの前になす術もなく、視界が白く染まっていく。最早、自分がどこにいて何をしているかもわからなくなっていた。

「あっ、あ、……ああああーっ!」

 そして、おかしくなってしまいそうなほどの絶頂を迎えると。

「ハヤト? 達せられたのですね!? 今すぐ私も――!」

 激しい突きの直後、熱い飛沫が俺の腹の中で弾けたのがわかった。レオが、輝き始めた俺の身体を繋がったまま抱き起こした、次の瞬間。

「――――ッ!」

 僅かな痛みの後、熱いと感じる強烈な衝撃がうなじに走り、世界が白一色に染まったのだった。
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