世界樹の贄の愛が重すぎる

緑虫

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26 二人で

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 何故かユグにバンザイをさせられて服を脱ぐと、ユグはひょいと裸の僕を横抱きにした。あまりにも自然で、抵抗する間なんてなかった。

 足先を窪みの水に浸けたユグが、にこりと笑いながら頷く。

「すごい、温かい!」
「で、でしょ?」
「アーウィン、掴まって」
「あ、うん」

 お互い全裸でくっつくのはいきなり色んなものをすっ飛ばした感が半端なかったけど、服を着たままお風呂に入る訳にはいかない。それにユグはお礼に僕のモノを扱く気満々だ。どうしたってユグの笑顔を最優先にしたい僕は、抵抗するのは諦めた。

 ……恥ずかしいけど。滅茶苦茶恥ずかしいけど!

 ユグの首に腕を回すと、ユグがくすぐったそうに小さく笑った。先程から僕のお尻にぺちぺちと当たっている固い棒は何でしょうか。

 僕を横抱きにしたままのユグが、ゆっくりと腰を落とす。窪みに溜まった水はいい温度に温まっていて、気持ちよかった。

「……はあーっ! いい湯加減だあーっ!」

 ユグの膝の上に横向きに座る形になると、思ったよりも広々と浸かれることが分かった。そっか、そういう意図があったのかもしれない。ユグはやっぱり優しいなあ。

「ユグ、気持ちいい?」

 笑顔でユグを見上げると、ユグの視線が僕の身体に向けられていることに気付いた。ユグの褐色の肌とは対象的に僕の肌はかなり白いから、月明かりの下では目立つ。

 物珍しさがあるんだろうな、と思っていたら、ユグの手がそろりと僕の胸元へ移動していくじゃないか。

 ん? と思っている内に、指先がツン、と胸の突起に触れた。

「ひゃっ!?」
「アーウィンの、綺麗な色」
「へああえあっ!? い、色っ!? は、あはは、そ、そう!?」

 ユグの逞しく張り出した胸筋の下に付いた飾りは黒く、あまり目立たない。だけど僕はただでさえ肌が白い上、ピンク色をしているので目立った。

 ユグは興味深げにツンツンと繰り返している。え、わ、これどうしたらいいの!?

 ユグがぽつりと呟いた。

「あ、膨らんだ」
「ちょっと! 僕で実験しないの!」
「反対もなる?」
「あ、こら!」

 ユグは僕の片方の膝裏に手を入れるとユグの身体の反対側に移動させ、ユグを跨る形に対面で座らせた。膝を立てて僕の背中を支えると、真剣な眼差しで両手を使って僕の胸を弄り始める。うひゃあっ! さわさわする!

「ユグッ! こら、めっ!」

 頑張って手で押し返したりもしてみたけど、ユグの前では僕の筋力は赤子程度だった。つまり、役立たず。

 あれよあれよという間に両方の突起はユグの指に刺激され、ぷっくりと立つ。な、なんかジンジンするんだけど!

 僕がアワアワしていると、ふにふに触っていたユグは何を思ったか、突然片方をぱくりと口に含んだ。

「んぉっ!?」

 お湯で濡れているからか、ぬめり具合が半端ない。舌で転がさないで! どこで覚えたのそんなこと!?

 思わずユグの頭を両手で掴む。でもやっぱりびくともしない。抵抗できない僕は、「ひゃっ、やめっ、くすぐった……っ、んん、」なんて我ながらどこから出しているんだろうという甘い嬌声を漏らし続けた。ああもう、羞恥が過ぎる……!

「やだあ……っ」

 恥ずかしすぎて死にそうになっていると、ユグの口が離れ、お湯の中をじーっと見つめ始めたじゃないか。今度はなに、なになに。

 ブツブツと呟き始めるユグ。

「アーウィンの、固くなった。固いの出す、気持ちいい……」
「ユグ!? 何言ってんの!?」
「胸舐める、気持ちいい……」

 しばらくそのまま僕の陰茎を見つめていたけど、やがておもむろに顔を上げる。

 そして、言った。

「オレ、そこ舐める! アーウィン気持ちよくなる!」
「ちょっと待って! 論理が飛躍し過ぎだからっ!」
「ロンリ? ヒヤク?」

 ユグは僕の腰を掴むと持ち上げた。ユグのと比べたら大分可愛らしい、お湯の中からこんにちはをしている僕の肉色の陰茎に、端正な顔が近づいてくる。ぱかりと口を開けるユグ。……うわああああ! 絵面が明らかにいけないことになっている!

「ちょっと待てえええっ!」

 だけどユグはあっさりと返す。

「大丈夫、痛くしない」

 ユグ、案外強引だね!? 素直でキラキラした君はどこにいったの!?

「そういう問題じゃないよ!?」

 ユグの顔面を手で押し、阻止しようと頑張った。他人に触られたこともない場所をいきなりそんなことは駄目! いくら誰も他に見てないからって、恥ずかしすぎて絶対死ぬから!

 僕は必死だった。

「ユグ! 落ち着いてよく考えよう!」
「アーウィンの、色も美味しそう。大丈夫」

 こっちは聞く耳を持っちゃいない。

「聞いてえええっ!」

 ユグの口が、今にも僕のものを含もうとしたその瞬間。

 天啓のように、とある提案が僕に降ってきた。

 ――これだ!
 
「ユグ! 僕はひとりで気持ちよくなるよりも、ユグと二人で気持ちよくなりたいっ!」

 ユグの動きが止まった。

 反り勃った僕の陰茎の前に顔を近付けているユグの上気した顔を見る。い、言え、僕。言うんだ!

「い、一緒にやってみようじゃないかっ!」
「……アーウィンと一緒?」
「うん! だからほら、僕をちゃんと座らせて!」
「うん……?」

 ユグは訝しげながらも、僕の言うことを聞く気になってくれたらしい。こちらはこちらでピンと勃った立派な雄の後ろに僕の腰を落とすと、興味津々といった様子で尋ねた。

「一緒、どうする?」
「こ、こうしよっか!」

 僕はユグと自分の陰茎をまとめて掴むと、上下に扱き始める。

「ん、」

 ユグが気持ちよさそうな声を出した。次いで、僕も堪らずに吐息を漏らす。

「あ……っ!」

 なんだこれ……! ひとりでする時と全く違って滅茶苦茶気持ちいいじゃないか!

 二人分だとかなりの重量感があって、僕は夢中で両手の中のものを懸命に扱いた。

「ア、アーウィン……ッ」

 息が荒くなってきたユグの手が、僕の首に伸ばされていく。

「キス……ほしい」

 形のいい唇が、物欲しげに囁いた。

 風が吹くとさわさわと揺れる木々。

 僕が腕を動かす度、チャポチャポと水音が立つ。

 は、は、という短くて荒い僕とユグの息が、やがてひとつとなり。

「――んんんっ!」
「……っ!」

 世界樹が見下ろす森の中で、僕はユグと共に果てた。
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