孤独な王子は部族の青年の献身で愛を知る

緑虫

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25 提案

 キスの最中、キーニはディーウィットの陰茎を扱いてくれることもあった。

 その間、キーニの陰部は硬く勃ち上がっていることも多い。ディーウィットが達して微睡み始めた頃、キーニはそっと自分の雄を擦り宥めていることにディーウィットは気付いていた。だが、キーニは一度たりとディーウィットに見返りを求めたりはしなかった。

 ならばこれを恩返しのひとつにどうか、と思いつく。キーニを好ましく思う前は、他人の陰茎に触れるなど考えたことはなかった。むしろ見たくないとすら思っていた。だがキーニと近すぎる距離で接している内に、キーニのものならば触れたいと思うようになってきていた。

 ある日の晩、毎晩の恒例である寝る前のキスの最中、絡み合った舌と舌が一瞬離れた隙に提案する。

「キーニ……今日は僕がやらせてもらえませんか?」
「ん? 何をだ」

 不思議そうなキーニにこれ以上口頭で伝えるのは、どうしても気恥ずかしい。ディーウィットは二人を包む布の中で硬さを帯びてきていたキーニの雄の象徴に、無言のまま手を這わせた。キーニの身体が、ビクッと小さく反応する。

「お願いです。――僕だってキーニに嬉しく思ってもらいたい」
「ディト……」

 殆ど見えないキーニの顔が微笑むのが、緩んだ雰囲気で分かった。唇が優しく重ねられると同時に、ディーウィットは意を決して前合わせの部分から手を滑り込ませる。下着の中で窮屈そうになっているキーニの陽根を、手探りで探し当てた。

 いつもキーニがディーウィットにするように、下着を横にずらし取り出す。ガチガチに硬くなっていく自分のものより遥かに長大な太茎を、根本から穂先に向かって扱き始めた。

「ああ……っ」

 キーニが色香を漂わせた吐息を漏らす。男臭さしか感じられないのに、それがディーウィットの情欲を誘った。

「キーニ……」

 自分から唇を重ねると、キーニが差し込んでくる前にキーニの口腔内に舌を入れ歯茎をなぞっていく。いつもキーニがしてくれるようにこめかみから頬にかけて空いている方の手のひらを這わすと、キーニが「ああ、俺の『ムウェ・ラデ』は最高だ……っ」と呟いた。キーニの陰茎が更に硬くなってきたところで、少し強めに握ると擦る速度を上げていく。

「あ、出すぞディト……ッ」
「はい、キーニ……ッ」

 直後、ドクン、ドクンと脈動が始まり、ディーウィットは慌てて亀頭を手のひらで覆い被せた。熱い飛沫が手のひらに吹きかかる。自分が愛しいキーニを達せられることができたのだと思うと、高揚感で笑みを浮かべるのを抑えることができなかった。

 やがて硬さが取れてくる頃、肩で息をしたキーニが額をディーウィットの肩に乗せ、甘えるように首元に擦り付けてくる。

 この可愛い男を今すぐ抱き締めたい――。

 恋慕が溢れ出し、抑え切れなくなった。

 吐き出された子種を手の内に握り締めると、ディーウィットはキーニの逞しい上半身に抱きつき、愛する男に再び自分から唇を重ねていったのだった。
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