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1 婚約破棄と前世の記憶
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視界一杯に、えんじ色の長い髪が舞う。
獣のようなしなやかな動きで、えんじ色の髪の男は対峙する男に鋭い蹴りを入れた。巨体が勢いよく吹っ飛んでいく。
え、僕を助けてくれた――?
鍛え上げられた、見事な肢体。日に焼けた肌に浮かぶ不可思議な模様の入れ墨が、目を惹く。
刹那が何十倍にも引き伸ばされたように感じる中、男がこちらを振り返った。男臭くも整った顔で、悠々と僕を見下ろし笑いかける。僕の心臓が、トクンと跳ねた。
「お前の突き、面白いな。もう一回見せてくれないか?」
か……っ、かっこよ……っ!
吸い込まれそうな青い瞳に目を奪われたまま、僕はこくんと頷いた。
◇
――時は二ヶ月前に遡る。
婚約者である殿下に「都合が悪い」とエスコートを断られた、今日のヘルム王国王太子アントン殿下の十八歳の生誕舞踏会。
到着した途端、周囲の好奇の目に晒された。仮にも王太子の婚約者である私がエスコートもなしに来たからかと最初は思ったけど、彼らはしきりに奥の方を気にする様子を見せている。
嫌な予感がした。不安を覚えつつ奥に進むと、いきなり殿下が私以外の令嬢と共に私の前に立ち塞がった。
そして、開口一番に言い放たれた言葉がこれだった。
「ユリアーネ! 今この時を以て、お前との婚約を破棄するッ!」
豪華絢爛な王城の舞踏会場に、アントン殿下の朗々とした声が響き渡る。
金髪碧眼の貴公子アントン殿下の腕には、ピンクブロンドの髪を持つ愛らしい印象の令嬢の腕が絡んでいる。この一年で殿下に急接近していた、私たちと同級生のパトリシア・ラング男爵令嬢だ。
嘘……! こんなことって、そんな……!
膝から崩れ落ちそうになるのを懸命に堪えつつ、縋る気持ちで愛する彼の名を呼ぶ。
「アントン殿下……?」
薄々気付いてはいた。殿下が天真爛漫なパトリシアに惹かれていっていることは。だけどこんな大勢の人の前で仮にも婚約者である私を辱めるような行動を取るなんて、あまりにも品行方正な彼らしくない。
――もしかして、以前よりも表情が豊かになったのも、彼女の影響? 薄水色の瞳と髪を持つ私に「……噂通り、姿だけでなく心も『氷の令嬢』だったのだな。その感情のない冷たい顔を見ていると気が滅入る」と私に仰ったのは、彼女と比べていたから?
ショックで言葉を失いながら、呆然と二人を眺める。
パトリシアは庇護欲を誘う怯えた表情を浮かべながら、殿下の腕に豊満な胸を押し付けていた。……これも、私にはないもの。殿下の貴公子然とした端整な顔からは、私に対する憎悪が窺える。
どうしてこんな表情を向けられないといけないの。殿下の婚約者は私なのに。別の令嬢をエスコートする方がおかしいのに――。
周囲の嘲笑うような視線が痛い。何か、何かを言わなければ。震えながら、必死で声を絞り出した。
「で、殿下……何故突然そのようなことを――」
聞き間違いであってほしいと願いながら、殿下に手を伸ばす。すると、パトリシアに出会う前は「ユリアーネは少々痩せすぎだ。もう少し身体を労れ」と私の手を握ったこともある手で、伸ばされた私の手を弾いた。
パンッ! と甲高い音が会場に響き渡る。
「近寄るな! 汚らわしい雌が!」
「は……」
明確な、拒絶。婚約者の殿下だけは、最後まで私を信じてくれると思っていたのに。
もう嫌よ……消えたい、今すぐいなくなりたい、何も考えたくない――!
もうずっとギリギリだった私の心が、殿下に拒絶された直後から粉々になって壊れていく。
瞼が落ちたかのように、視界がどんどん暗くなっていった。
そう、このまま何もかもから消え去ってしまえばいいんだわ――。
全てを諦めた、次の瞬間。
突然、目の前がふっと明るくなる。すぐ後に、見覚えのない、だけどどこか懐かしさを覚える絵が次々に浮かび上がってきた!
「……こ、これは!?」
ある筈のない記憶の数々が、濁流のような勢いで頭の中を流れていく。
「なっ、あ、ああっ!?」
頭を抱えて、その場で膝を突いた。視界が揺れて、耐え切れない。ガン、と額を床に付けても、揺れは収まってはくれなかった。
「あ、いやっ、ああああっ! あ、頭がっ! いやだ、やめ……っ」
「どっ、どうしたユリアーネ!?」
殿下の驚いたような声が聞こえてくる。だけど反応なんてできなかった。横倒しになるのだけはと懸命に堪えていると、パトリシアが腹が立つほど可愛らしい声で殿下を止める。
「騙されちゃ駄目です、アントン様! ユリアーネさんは、殿下の気を引きたいだけです!」
「そ、そうなのか!? ……ユ、ユリアーネ! そんな演技をしても……!」
正直なところ、この二人の相手をしている余裕は一切なかった。
瞼を開けているのに、視界には次々と知らないようで知っている光景が現れては消えていく。まるで巨大な渦潮に呑まれたかのような感覚だった。吐き気が酷い。ハ、ハ、と呼吸が短くなっていく。心臓は高速の鼓動を繰り返していて、今にも飛び出してきそうだった。
「や……あ、ああ、ああああ!!」
「わ、わざとらしいことはやめろ!」
「そうですよっユリアーネさん! 貴女が私にしたことはもう全部バレてるんですからねっ!」
何やら意味の分からないことを喚いているのが聞こえてくるけど、聞き返す余裕もない。なにこれ、なにこれ――!?
「あ、ああ……っ、オエ……ッ」
吐き気と共に、妙な既視感を覚える。あれ……今のこの場面、どこかで見たような……?
……アントン殿下……ピンクブロンド……婚約破棄……断首刑……。
ゴウゴウと目の前を流れていく映像の中心から、ひとつの絵が浮かび上がってきた。
白い布団の上。自分のじゃない手がめくる、この国のものではない文字が書かれた小さな本。
これは――そうだ。入院している僕に妹が持ってきてくれた、何の捻りもない少し前に流行った恋愛小説――『不運令嬢が王太子に見初められるなんて聞いてない~幸福の指輪と真実の愛』じゃないか。
確かストーリーは、不幸体質の不運令嬢が、魔法使いのお婆さんから『幸福の指輪』を貰うところから始まるんだっけ。すると不思議なほどにラッキーが舞い込み、あれよあれよという間に王太子に溺愛されていく。
「これは指輪の効果だから……!」と王太子の愛を信じられなかった不運令嬢だけど、指輪が魔力を使い果たし壊れた後も王太子は変わらず愛してくれて――という、ドタバタ胸キュンラブコメだ。
でもラブコメの割には、王太子の婚約者である侯爵令嬢の嫌がらせはかなりエグくて、命の危険があるものもあったんだ。主人公は仲間と証拠を掻き集め、舞踏会で断罪。その他も犯罪行為がボロボロと出てきた侯爵令嬢は、その場で主人公に斬りかかろうとして拘束されてしまう。
確か、そのまま一度も釈放されることなく、断首刑に処されたんだよな。
断頭台のシーンは「そこまでやる?」てくらいエグかった。でも妹に聞いたら「いまどきのざまあはこれくらいが普通だって!」と言われて慄いた記憶がある。妹の見た目は小動物みたいにふわふわして可愛い分、発言とのギャップがエグかった。
確か悪役令嬢の名前は、ユリアーネ・ブフタール侯爵令嬢。実際意地悪そうな名前だけど、首は切っちゃ可哀想だよ、なんてちょっと憐れに思ったもんだ。
そこでハッと気付く。
ユリアーネ……って、僕の名前じゃないか! てことは、ここは前世で読んだ小説の世界ってこと!? 確かに死ぬ直前に読んだ作品だけども! しかも転生先が悪役令嬢って、いや待って待って待って、死亡フラグーッ!!
「嘘だろっ!?」
声に出した途端、それまで暴れ回っていた記憶がストン、と元々あった場所に収まったかの如く僕の中に浸透していった。
クソが付くほど真面目な、ずっと王太子の婚約者として縛られてきた世間知らずのユリアーネ。そこに、日本という国で育った名前も分からない前世の僕が混ざり合っていく不思議な感覚だった。
「う、嘘ではないぞ!」
殿下の声が返ってくる。あ、いやそっちじゃなくてですね。
は、は、と肩で息をしながら、目の前に立っている不倫カップルを見上げた。不可解そうな表情で僕を見下ろしている殿下と、馬鹿にしたような笑みを浮かべているパトリシア。
周囲を見渡すと、余興を楽しんでいるような好奇の目が僕たちに向けられているのが分かった。
さっきまでの前しか見えていなかった時とはまるきり見え方が違う。視界にかかっていたモヤが晴れたような感覚だった。
そして唐突に気付く。今これ、断罪フラグが立つ一歩手前にいるじゃないすか……と。
――えっ!? 斬りかかるって、どうやって斬りかかったんだっけ? 必死で小説の内容を思い返す。ええとええと確か、フラフラ倒れるふりをしたユリアーネに、殿下が「誰か立ち上がらせろ」と命じて、それでその騎士が腰に下げていた剣を奪って……!
殿下が、周りを見回す。
「誰か――」
「よいしょおおっ!」
僕は元気よく立ち上がった。
獣のようなしなやかな動きで、えんじ色の髪の男は対峙する男に鋭い蹴りを入れた。巨体が勢いよく吹っ飛んでいく。
え、僕を助けてくれた――?
鍛え上げられた、見事な肢体。日に焼けた肌に浮かぶ不可思議な模様の入れ墨が、目を惹く。
刹那が何十倍にも引き伸ばされたように感じる中、男がこちらを振り返った。男臭くも整った顔で、悠々と僕を見下ろし笑いかける。僕の心臓が、トクンと跳ねた。
「お前の突き、面白いな。もう一回見せてくれないか?」
か……っ、かっこよ……っ!
吸い込まれそうな青い瞳に目を奪われたまま、僕はこくんと頷いた。
◇
――時は二ヶ月前に遡る。
婚約者である殿下に「都合が悪い」とエスコートを断られた、今日のヘルム王国王太子アントン殿下の十八歳の生誕舞踏会。
到着した途端、周囲の好奇の目に晒された。仮にも王太子の婚約者である私がエスコートもなしに来たからかと最初は思ったけど、彼らはしきりに奥の方を気にする様子を見せている。
嫌な予感がした。不安を覚えつつ奥に進むと、いきなり殿下が私以外の令嬢と共に私の前に立ち塞がった。
そして、開口一番に言い放たれた言葉がこれだった。
「ユリアーネ! 今この時を以て、お前との婚約を破棄するッ!」
豪華絢爛な王城の舞踏会場に、アントン殿下の朗々とした声が響き渡る。
金髪碧眼の貴公子アントン殿下の腕には、ピンクブロンドの髪を持つ愛らしい印象の令嬢の腕が絡んでいる。この一年で殿下に急接近していた、私たちと同級生のパトリシア・ラング男爵令嬢だ。
嘘……! こんなことって、そんな……!
膝から崩れ落ちそうになるのを懸命に堪えつつ、縋る気持ちで愛する彼の名を呼ぶ。
「アントン殿下……?」
薄々気付いてはいた。殿下が天真爛漫なパトリシアに惹かれていっていることは。だけどこんな大勢の人の前で仮にも婚約者である私を辱めるような行動を取るなんて、あまりにも品行方正な彼らしくない。
――もしかして、以前よりも表情が豊かになったのも、彼女の影響? 薄水色の瞳と髪を持つ私に「……噂通り、姿だけでなく心も『氷の令嬢』だったのだな。その感情のない冷たい顔を見ていると気が滅入る」と私に仰ったのは、彼女と比べていたから?
ショックで言葉を失いながら、呆然と二人を眺める。
パトリシアは庇護欲を誘う怯えた表情を浮かべながら、殿下の腕に豊満な胸を押し付けていた。……これも、私にはないもの。殿下の貴公子然とした端整な顔からは、私に対する憎悪が窺える。
どうしてこんな表情を向けられないといけないの。殿下の婚約者は私なのに。別の令嬢をエスコートする方がおかしいのに――。
周囲の嘲笑うような視線が痛い。何か、何かを言わなければ。震えながら、必死で声を絞り出した。
「で、殿下……何故突然そのようなことを――」
聞き間違いであってほしいと願いながら、殿下に手を伸ばす。すると、パトリシアに出会う前は「ユリアーネは少々痩せすぎだ。もう少し身体を労れ」と私の手を握ったこともある手で、伸ばされた私の手を弾いた。
パンッ! と甲高い音が会場に響き渡る。
「近寄るな! 汚らわしい雌が!」
「は……」
明確な、拒絶。婚約者の殿下だけは、最後まで私を信じてくれると思っていたのに。
もう嫌よ……消えたい、今すぐいなくなりたい、何も考えたくない――!
もうずっとギリギリだった私の心が、殿下に拒絶された直後から粉々になって壊れていく。
瞼が落ちたかのように、視界がどんどん暗くなっていった。
そう、このまま何もかもから消え去ってしまえばいいんだわ――。
全てを諦めた、次の瞬間。
突然、目の前がふっと明るくなる。すぐ後に、見覚えのない、だけどどこか懐かしさを覚える絵が次々に浮かび上がってきた!
「……こ、これは!?」
ある筈のない記憶の数々が、濁流のような勢いで頭の中を流れていく。
「なっ、あ、ああっ!?」
頭を抱えて、その場で膝を突いた。視界が揺れて、耐え切れない。ガン、と額を床に付けても、揺れは収まってはくれなかった。
「あ、いやっ、ああああっ! あ、頭がっ! いやだ、やめ……っ」
「どっ、どうしたユリアーネ!?」
殿下の驚いたような声が聞こえてくる。だけど反応なんてできなかった。横倒しになるのだけはと懸命に堪えていると、パトリシアが腹が立つほど可愛らしい声で殿下を止める。
「騙されちゃ駄目です、アントン様! ユリアーネさんは、殿下の気を引きたいだけです!」
「そ、そうなのか!? ……ユ、ユリアーネ! そんな演技をしても……!」
正直なところ、この二人の相手をしている余裕は一切なかった。
瞼を開けているのに、視界には次々と知らないようで知っている光景が現れては消えていく。まるで巨大な渦潮に呑まれたかのような感覚だった。吐き気が酷い。ハ、ハ、と呼吸が短くなっていく。心臓は高速の鼓動を繰り返していて、今にも飛び出してきそうだった。
「や……あ、ああ、ああああ!!」
「わ、わざとらしいことはやめろ!」
「そうですよっユリアーネさん! 貴女が私にしたことはもう全部バレてるんですからねっ!」
何やら意味の分からないことを喚いているのが聞こえてくるけど、聞き返す余裕もない。なにこれ、なにこれ――!?
「あ、ああ……っ、オエ……ッ」
吐き気と共に、妙な既視感を覚える。あれ……今のこの場面、どこかで見たような……?
……アントン殿下……ピンクブロンド……婚約破棄……断首刑……。
ゴウゴウと目の前を流れていく映像の中心から、ひとつの絵が浮かび上がってきた。
白い布団の上。自分のじゃない手がめくる、この国のものではない文字が書かれた小さな本。
これは――そうだ。入院している僕に妹が持ってきてくれた、何の捻りもない少し前に流行った恋愛小説――『不運令嬢が王太子に見初められるなんて聞いてない~幸福の指輪と真実の愛』じゃないか。
確かストーリーは、不幸体質の不運令嬢が、魔法使いのお婆さんから『幸福の指輪』を貰うところから始まるんだっけ。すると不思議なほどにラッキーが舞い込み、あれよあれよという間に王太子に溺愛されていく。
「これは指輪の効果だから……!」と王太子の愛を信じられなかった不運令嬢だけど、指輪が魔力を使い果たし壊れた後も王太子は変わらず愛してくれて――という、ドタバタ胸キュンラブコメだ。
でもラブコメの割には、王太子の婚約者である侯爵令嬢の嫌がらせはかなりエグくて、命の危険があるものもあったんだ。主人公は仲間と証拠を掻き集め、舞踏会で断罪。その他も犯罪行為がボロボロと出てきた侯爵令嬢は、その場で主人公に斬りかかろうとして拘束されてしまう。
確か、そのまま一度も釈放されることなく、断首刑に処されたんだよな。
断頭台のシーンは「そこまでやる?」てくらいエグかった。でも妹に聞いたら「いまどきのざまあはこれくらいが普通だって!」と言われて慄いた記憶がある。妹の見た目は小動物みたいにふわふわして可愛い分、発言とのギャップがエグかった。
確か悪役令嬢の名前は、ユリアーネ・ブフタール侯爵令嬢。実際意地悪そうな名前だけど、首は切っちゃ可哀想だよ、なんてちょっと憐れに思ったもんだ。
そこでハッと気付く。
ユリアーネ……って、僕の名前じゃないか! てことは、ここは前世で読んだ小説の世界ってこと!? 確かに死ぬ直前に読んだ作品だけども! しかも転生先が悪役令嬢って、いや待って待って待って、死亡フラグーッ!!
「嘘だろっ!?」
声に出した途端、それまで暴れ回っていた記憶がストン、と元々あった場所に収まったかの如く僕の中に浸透していった。
クソが付くほど真面目な、ずっと王太子の婚約者として縛られてきた世間知らずのユリアーネ。そこに、日本という国で育った名前も分からない前世の僕が混ざり合っていく不思議な感覚だった。
「う、嘘ではないぞ!」
殿下の声が返ってくる。あ、いやそっちじゃなくてですね。
は、は、と肩で息をしながら、目の前に立っている不倫カップルを見上げた。不可解そうな表情で僕を見下ろしている殿下と、馬鹿にしたような笑みを浮かべているパトリシア。
周囲を見渡すと、余興を楽しんでいるような好奇の目が僕たちに向けられているのが分かった。
さっきまでの前しか見えていなかった時とはまるきり見え方が違う。視界にかかっていたモヤが晴れたような感覚だった。
そして唐突に気付く。今これ、断罪フラグが立つ一歩手前にいるじゃないすか……と。
――えっ!? 斬りかかるって、どうやって斬りかかったんだっけ? 必死で小説の内容を思い返す。ええとええと確か、フラフラ倒れるふりをしたユリアーネに、殿下が「誰か立ち上がらせろ」と命じて、それでその騎士が腰に下げていた剣を奪って……!
殿下が、周りを見回す。
「誰か――」
「よいしょおおっ!」
僕は元気よく立ち上がった。
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