12 / 13
白い闇
しおりを挟むあなたと繋いだ手も
言葉も
幻だったかのように
溶けていく
貴方が呼んだ 白い闇
手を 放さないで
繋いだ手に
思わず爪を立てた
だって
貴方は私のものだもの
逃げるなんて許さない
白い闇は 発煙筒
助けを呼ぶ 最後の手段
もう おしまいなの?
私はいらないの?
貴方も 別れも 新しい人も
闇に飲まれて
消えてしまえばいい
でも 貴方が
家事以外で
私を必要としないなんて
いつものことだものね
諦めては──いるのよ
ジリリリリリリッ
いつもの朝
変わりない朝
普段通り鳴る
目覚まし時計のベル
何か嫌な夢
隣に眠る人を
何故か思いきり蹴りたくなった
何故なんて
私が良く解ってる
夢だって
本当は覚えてる
昼間大きな家の中で独りぼっちで泣く理由も
あんな人死ねばいいと思う瞬間と
あの人が愛しいと顔が綻ぶ瞬間と
この矛盾が
この冷えて熱い関係が
これからも
きっと続く
だから
手を 放さないで
手を 放さないで
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる