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《ショウ》side
【第9話】人魚との交わり
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白い下肢を開かせて、穢い奴らの欲にまみれた汚れた白を指で掻き出す。
『いやだ、いやだ、早く………早く終わらせて』
アイラは今、ショウが、悔しさと悲しみで行っている行為を、涙をにじませて堕ちそうになる快感を、耐え難い苦痛に変換してまで、この行為を『屈辱の行為』としないといけないと、本能で解っていたようだった。
理性で頭を満たして、身体の快楽に感じていなければ、尊厳に関わると、口唇を噛みながらもアイラは訪れる快感に、必死で耐えているように見えた。
口を開けば声が出そうなようだった。そのせいだろう。自分の腕を泣きながら噛んでいた。嬌声を泣き声に変えて、俺を呼び続けた。
『ショウ、ショウ、助けて』
と。泣きながら。この屈辱に伴う快楽に屈しないように。
『お願い、ショウ。早く早く終わらせて』
掻き出しても、汚れた白は減らない。複数人に慰み者にされたと解った。泣きながら、声などあげたくないのに腕を噛みながらも耐える嬌声が浴室に漏れて反響する。
『いやだ、いやだぁ、気持ち悪い、いやだぁっ!』
咽ぶアイラが可哀想で、この肌を見た奴がいるのが許せなかった。
アイラはポロポロ泣きながら噛んだ腕には歯の痕がつき血がにじんでいた。アイラ自身は、反応し濡れていた。アイラは身体をよがり無意識に誘う。
「………汚い奴らの、全部出したら………ショウで満たして………お願い。ショウ抱いて。もう、最後だから。………最後だから君に抱かれたい。地上の思い出は君に愛されていたと思って海に持っていきたい。全部忘れさせて」
顔中を涙で濡らして微笑んだ。俺はアイラの中を容赦なく掻き出して、
堕ちるところまで堕ちよう。君が堕ちるのは快楽に耐えきれなくなった身体。
俺が堕ちるのは、君をどうしようもなく欲した、欲に苛まれた心。
アイラは喘ぎ、身体をわななかせて白を吐き出して、息を乱しながらアイラは、小さく言った。
───────────────
悪かったことはなかったこにしよう。あるのは、好きな人と愛し合って海へ帰ったという事実。
──────────────
俺はアイラを抱いた。丁寧に、優しく。愛しくて、綺麗で、乱暴になんて扱えない。口唇で、指でアイラに触れ愛撫する。身をよじる姿が可愛らしい。肌が紅を差すように赤くなる様も初心な魅力がある。
下肢の間に顔を埋め愛撫すると、躊躇いながらも俺の愛撫をねだる。開かせた脚をわななかせ、顎を反り俺を呼び達した。
アイラの吐息、喘ぎ、声を忘れたくない。ずっと覚えていたい。風化されていく記憶という砂漠の中で、アイラだけは、忘れたくない。
アイラの後ろは俺を簡単に俺を許したけれど、あまりにも感じてしまうらしく、弱い抽挿だけで、嬌声をあげた。激しくアイラにうちつけると、快感に屈したアイラは享受の声しか言わない。まるで、卑猥な小説か、猥雑な雑誌。でも、アイラはどんなことを言っても清廉だ。
アイラを抱きながら、腰をつかみ、息をきらせ、快楽を食みながら、言った。
「俺を忘れないで、忘れないでくれ、アイラ」
アイラは俺の頬に触れ、いつもの眼差しで口づけをねだる。
「僕のことも忘れないで。君が誰かを愛しても、僕との思い出も、忘れないで」
「忘れられないよ、アイラ、アイラ………お前以外、俺は要らない。誰も愛そうとは思わない」
激しい高速の抽挿に白を吐き出す欲も高まる。漏れでる俺の体液が抽挿で擦れる音をたてる。アイラの中が、締まって熱くて吐精感が極まった。
眉に皺を寄せて、アイラの名前を呼び、俺は白をアイラの中に放つ。アイラも白を吐き出し、脱力する。
「いっぱい、僕の中にショウが入ってる。気持ちいいよ、満たされてる感じがする。ショウが好きだよ。身体も、心も………好きだよ。君が好きだよ………赤ちゃん出来るといいな」
アイラはそういうと、脱力し、軽く悦楽に弛緩した顔で微笑みながら、ポロポロと涙をこぼした。
「もう会えないのか?」
アイラは俺をギュッと抱きしめて、
「これが、僕の答え、忘れない」
──────────
君を忘れない。
まだ朝になれてない有明の月。君を好きになって良かった。
赤銅色と思われた月は金色。波打ち際、君は海に入る。すると君はたちまち人魚の姿を取り戻す。あまりにも美しい、海の神様に愛された姿になる。
「この子が、一人立ちしたら戻ってくる。その頃、君はおじいさんかな。誰かを愛して、幸せに。君の幸せは僕の幸せ。元気で。愛していたよ。君が、好きだったよ。いつか、いつか帰ってくるから」
波間に消えて姿を消した君。
金色の月だけが俺を見ていた。好きだったよ。こんなに誰かを好きになることは、もうこれから二度とないだろうと思う。一生の一度の恋で良い。
人魚との契りは暫く力が入らない程の快楽だった。耳からはなれない言葉の数々。泣かないでいようと心に決めていた。
もう会えない訳じゃない。
これが最後じゃない。
そう考えないと、不安で身体が押し潰されてしまう。けれど、つらいものはつらい。涙がとまらない。
──────────
朝、学校に行ったらおかしなことになっていた。皆の記憶からアイラが消えていた。アイラを覚えていたのは俺とじいちゃんだけ。
『ショウが作る梅干しおにぎりが一番美味しい』
「旨くねえよ、こんなもん!」
泣きながら弁当用につい作ってしまったもう一つのアルミホイル。
『シナシナの、海苔。美味しい』
おにぎりを台所で頬張った。アイラを思い出す時は涙がついて回る。
『ショウと縁側で蜜柑ジュース飲んでいる時間が好きだった』
「俺の中の一番幸せな時間だったよ、アイラ」
寂しくて、死んでしまいそうだよ。君が恋しい、アイラ。夢の時間のようだった。夢だったのか疑うときもあるよ。そう思うと真珠のネックレスが揺れる。
『いつか会おう』なんて言わないで、アイラ、『いつか』は『いつ』なんだ?会いたくて、会いたくて、涙がとまらない。
──────────【続】
『いやだ、いやだ、早く………早く終わらせて』
アイラは今、ショウが、悔しさと悲しみで行っている行為を、涙をにじませて堕ちそうになる快感を、耐え難い苦痛に変換してまで、この行為を『屈辱の行為』としないといけないと、本能で解っていたようだった。
理性で頭を満たして、身体の快楽に感じていなければ、尊厳に関わると、口唇を噛みながらもアイラは訪れる快感に、必死で耐えているように見えた。
口を開けば声が出そうなようだった。そのせいだろう。自分の腕を泣きながら噛んでいた。嬌声を泣き声に変えて、俺を呼び続けた。
『ショウ、ショウ、助けて』
と。泣きながら。この屈辱に伴う快楽に屈しないように。
『お願い、ショウ。早く早く終わらせて』
掻き出しても、汚れた白は減らない。複数人に慰み者にされたと解った。泣きながら、声などあげたくないのに腕を噛みながらも耐える嬌声が浴室に漏れて反響する。
『いやだ、いやだぁ、気持ち悪い、いやだぁっ!』
咽ぶアイラが可哀想で、この肌を見た奴がいるのが許せなかった。
アイラはポロポロ泣きながら噛んだ腕には歯の痕がつき血がにじんでいた。アイラ自身は、反応し濡れていた。アイラは身体をよがり無意識に誘う。
「………汚い奴らの、全部出したら………ショウで満たして………お願い。ショウ抱いて。もう、最後だから。………最後だから君に抱かれたい。地上の思い出は君に愛されていたと思って海に持っていきたい。全部忘れさせて」
顔中を涙で濡らして微笑んだ。俺はアイラの中を容赦なく掻き出して、
堕ちるところまで堕ちよう。君が堕ちるのは快楽に耐えきれなくなった身体。
俺が堕ちるのは、君をどうしようもなく欲した、欲に苛まれた心。
アイラは喘ぎ、身体をわななかせて白を吐き出して、息を乱しながらアイラは、小さく言った。
───────────────
悪かったことはなかったこにしよう。あるのは、好きな人と愛し合って海へ帰ったという事実。
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俺はアイラを抱いた。丁寧に、優しく。愛しくて、綺麗で、乱暴になんて扱えない。口唇で、指でアイラに触れ愛撫する。身をよじる姿が可愛らしい。肌が紅を差すように赤くなる様も初心な魅力がある。
下肢の間に顔を埋め愛撫すると、躊躇いながらも俺の愛撫をねだる。開かせた脚をわななかせ、顎を反り俺を呼び達した。
アイラの吐息、喘ぎ、声を忘れたくない。ずっと覚えていたい。風化されていく記憶という砂漠の中で、アイラだけは、忘れたくない。
アイラの後ろは俺を簡単に俺を許したけれど、あまりにも感じてしまうらしく、弱い抽挿だけで、嬌声をあげた。激しくアイラにうちつけると、快感に屈したアイラは享受の声しか言わない。まるで、卑猥な小説か、猥雑な雑誌。でも、アイラはどんなことを言っても清廉だ。
アイラを抱きながら、腰をつかみ、息をきらせ、快楽を食みながら、言った。
「俺を忘れないで、忘れないでくれ、アイラ」
アイラは俺の頬に触れ、いつもの眼差しで口づけをねだる。
「僕のことも忘れないで。君が誰かを愛しても、僕との思い出も、忘れないで」
「忘れられないよ、アイラ、アイラ………お前以外、俺は要らない。誰も愛そうとは思わない」
激しい高速の抽挿に白を吐き出す欲も高まる。漏れでる俺の体液が抽挿で擦れる音をたてる。アイラの中が、締まって熱くて吐精感が極まった。
眉に皺を寄せて、アイラの名前を呼び、俺は白をアイラの中に放つ。アイラも白を吐き出し、脱力する。
「いっぱい、僕の中にショウが入ってる。気持ちいいよ、満たされてる感じがする。ショウが好きだよ。身体も、心も………好きだよ。君が好きだよ………赤ちゃん出来るといいな」
アイラはそういうと、脱力し、軽く悦楽に弛緩した顔で微笑みながら、ポロポロと涙をこぼした。
「もう会えないのか?」
アイラは俺をギュッと抱きしめて、
「これが、僕の答え、忘れない」
──────────
君を忘れない。
まだ朝になれてない有明の月。君を好きになって良かった。
赤銅色と思われた月は金色。波打ち際、君は海に入る。すると君はたちまち人魚の姿を取り戻す。あまりにも美しい、海の神様に愛された姿になる。
「この子が、一人立ちしたら戻ってくる。その頃、君はおじいさんかな。誰かを愛して、幸せに。君の幸せは僕の幸せ。元気で。愛していたよ。君が、好きだったよ。いつか、いつか帰ってくるから」
波間に消えて姿を消した君。
金色の月だけが俺を見ていた。好きだったよ。こんなに誰かを好きになることは、もうこれから二度とないだろうと思う。一生の一度の恋で良い。
人魚との契りは暫く力が入らない程の快楽だった。耳からはなれない言葉の数々。泣かないでいようと心に決めていた。
もう会えない訳じゃない。
これが最後じゃない。
そう考えないと、不安で身体が押し潰されてしまう。けれど、つらいものはつらい。涙がとまらない。
──────────
朝、学校に行ったらおかしなことになっていた。皆の記憶からアイラが消えていた。アイラを覚えていたのは俺とじいちゃんだけ。
『ショウが作る梅干しおにぎりが一番美味しい』
「旨くねえよ、こんなもん!」
泣きながら弁当用につい作ってしまったもう一つのアルミホイル。
『シナシナの、海苔。美味しい』
おにぎりを台所で頬張った。アイラを思い出す時は涙がついて回る。
『ショウと縁側で蜜柑ジュース飲んでいる時間が好きだった』
「俺の中の一番幸せな時間だったよ、アイラ」
寂しくて、死んでしまいそうだよ。君が恋しい、アイラ。夢の時間のようだった。夢だったのか疑うときもあるよ。そう思うと真珠のネックレスが揺れる。
『いつか会おう』なんて言わないで、アイラ、『いつか』は『いつ』なんだ?会いたくて、会いたくて、涙がとまらない。
──────────【続】
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