8 / 26
・大変だけど幸せ(2)
しおりを挟む
何日か野宿をした翌日の昼には次の街に着くことができた。
野宿もエンリコさんのご厚意で、荷台の隅を貸してもらえたので快適に過ごすことができた。
「いやはや、天気も崩れず野党や野生生物にも会わずにすんで平和な旅でしたな。これも全て女神様のご慈悲でしょう。ありがたきことです」
なぜか私たちにお礼を言われて慌ててしまった。
エンリコさんたちと別れると、私たちはとりあえず教会に向かった。
ここは今まで寄ったことのある街の中で一番大きい。この街で何日か過ごしてもいいんじゃない?
「ジュスト、夜は見張りもしていて疲れたでしょう? この街で何日か滞在して情報を集めない?」
「それは助かる」
「大きな街ですから入って来る情報も多いでしょうね。期待できます」
いったん教会に寄ると、巡礼者が多くてベッドに空きがないと断られてしまった。
この街は聖地と私達のいた大聖堂の間にあり、巡礼中の人達が必ずと言っていいほど通る街だから宿泊場所も争奪戦だ。
「宿を探さないといけませんね。とりあえず、教会に教えていただいた宿に行ってみましょう」
「そうだな」
頷くジュストの手に手紙が握られていて私は首を傾げた。
「ジュスト何を持っているの?」
「手紙だ。さっき教会で受け取った」
「手紙? 大司教様から?」
カーラが旅の報告をこまめに書いているのでそれの返事かと思ったのだ。
でも紙の表面の宛名はジュストになっている。
大司教様からの指示ならカーラに届くと思うのだけれど。
「あー。これはこの街にいる騎士からもらった手紙だ。気になる噂や、女神の奇跡と関係していることがありそうなら教えて欲しいと言っておいたら手紙を残してくれていた」
「この街? 知り合いの騎士がいたの?」
「まぁ、そうだな」
私の質問にジュストの視線が泳ぐ。
私はハッと気が付くと声をあげた。
「もしかしてどこかに護衛の騎士がいるの?」
「まぁ、そうだな……」
少しバツが悪そうなのは、私が旅の始まりに護衛騎士が増えるのを嫌がったからだろう。
「仰々しく権威を笠に着た姿を国民に見せるのはどうでしょう? 反感を抱くものもいるかもしれません」とか「女神の意向です」とかいろいろと言った覚えがある。
あの時は旅がこんなに不便で大変だとは思っていなかったし、危険もあると知らなかった。今ならもう少し騎士団の立場も考えて言うかもしれない。でも女神からの神託を偽って旅に出たことがバレたら困るという思いもあったし、その神託で騎士団を振り回すのも申し訳ないとも思ったのだ。
結局、騎士団はついてきていたようだけれど。
「そりゃあ、いくらなんでも聖女を騎士1人だけの警護で旅させるわけにいかないだろ」
「そうよね、ごめんなさい」
「――ってのは半分だけ真実。本当は俺たちも予言を聞いただけじゃどこに行けばいいか分からなかったんだ。だって手がかりは『南東』だけだからな。だからアリーチェの後をつけようってことになった。その方が簡単だし警護にもなるから」
「そうなのね」
「アリーチェの行動に、騎士団も半分以上はありがたがってるんじゃないかな。何かが見つかるまであてもなく南東を彷徨うことはなくなったからな」
優しくそう言ってくれて私の心も穏やかになる。
私は出発前あんなに拒否して申し訳なかったなと思いながら聞いた。
「ねぇ、今から一緒に旅をした方がいいかしら?」
「警護の面ではそうだけどなぁ」
難しい顔で考えるように唸る。
「まず、馬車で旅をしてくれるならそっちの方が断然良いと思う」
「行き先が決まってないのよ。私もどこに向かえばいいのかわからないのに馬車で移動は……」
ジュストがそうだろう、というような表情で頷く。
聖女候補のいる場所がわかるなら、私だって馬車で乗り付ける。
そして聖女候補を馬車に乗せてさっさと大聖堂に帰りたい。
でも居場所がわからないから、地道に女神の奇跡の手がかりでも落ちていないか聞きながら歩いているのだ。
なんとなくだけれど、馬車で南東の聖地に行ったとしても会える気がしない。
「徒歩の場合は、修道女ふたりに対して明らかに警護が多すぎる。よくいる巡礼者はほとんど警護なんてつけてないだろう」
「そういえばこの間声をかけた修道女も騎士なんてつけてなかったものね」
「安全のためにも悪目立ちは避けたい」
「そうよね」
「それから、騎士団は聖遺物だろうと推測してるんだ。アリーチェの警護をしながら、そっちにも人員を割いて探してる。旅の主な危険は街中じゃなくて、道中の野党や物取り、動物だ。道中さえ警護できれば街中にそんなに危険はない。夜中に危険な場所へ近付かなければな」
カーラが納得したようにうんうんと頷いている。
「じゃあ、道中だけでもこれからは一緒に行きましょうか?」
「そうだな、むこうに連絡を取ってみるよ」
カーラに答えると、ジュストはほっと微笑んだ。なんとなく、安心するような微笑みだった。
やっぱり道中、無理をさせていたのかもしれない。
私は我が儘な行動をとってしまったと今さらながら反省していた。
私は10歳までは普通に商人の娘として暮らしていたが、そこからは修道院暮らしだ。一般的な人達と考え方がズレているし、読み書き等の知識は他の人よりもあるけれど世慣れない世間知らずの娘だった。
旅に出て本当にそう思うことが多い。
ジュストとカーラがいなければ、私はあっという間に大聖堂に逆戻りすることになっていたと思う。
「ふたりとも、いつもありがとう」
「なんだ? どうした」
「アリーチェどうしました?」
ふたりにそっくりな仕草で覗き込まれて、私は頬が赤らんでいくのを感じた。
改めてお礼を言うのがちょっと照れる。
「だって、この旅大変でしょう? ふたりのお陰で旅が出来ているんだもの」
「なんだそんなことか。気にするな。俺は司教や貴族の巡礼の迎えに行ったり、警護で着いて行く事もあるから慣れてる。むしろ、アリーチェと旅ができて俺は……」
「そうですよ、私もアリーチェと旅ができて幸せです。こんなこと、生まれた村にいたらできない経験でしたからね」
ジュストを遮るように、勢いよくカーラはそう言うと私を抱きしめてくれた。
優しいぬくもりに包まれる。
胸の奥がじんわりと暖かくなる。私は抱えていた緊張を解き放つように息を吐いた。
ジュストは少しだけ何とも言えない表情で私たちを見つめていたが、私と目が合うと微笑んでくれた。
「まぁ、ここで立ち話もなんだから早いところ宿に行こう。手紙に手がかりもあるかもしれないしな」
「ええ、そうね」
私たちは教えてもらった宿へと歩き出した。
野宿もエンリコさんのご厚意で、荷台の隅を貸してもらえたので快適に過ごすことができた。
「いやはや、天気も崩れず野党や野生生物にも会わずにすんで平和な旅でしたな。これも全て女神様のご慈悲でしょう。ありがたきことです」
なぜか私たちにお礼を言われて慌ててしまった。
エンリコさんたちと別れると、私たちはとりあえず教会に向かった。
ここは今まで寄ったことのある街の中で一番大きい。この街で何日か過ごしてもいいんじゃない?
「ジュスト、夜は見張りもしていて疲れたでしょう? この街で何日か滞在して情報を集めない?」
「それは助かる」
「大きな街ですから入って来る情報も多いでしょうね。期待できます」
いったん教会に寄ると、巡礼者が多くてベッドに空きがないと断られてしまった。
この街は聖地と私達のいた大聖堂の間にあり、巡礼中の人達が必ずと言っていいほど通る街だから宿泊場所も争奪戦だ。
「宿を探さないといけませんね。とりあえず、教会に教えていただいた宿に行ってみましょう」
「そうだな」
頷くジュストの手に手紙が握られていて私は首を傾げた。
「ジュスト何を持っているの?」
「手紙だ。さっき教会で受け取った」
「手紙? 大司教様から?」
カーラが旅の報告をこまめに書いているのでそれの返事かと思ったのだ。
でも紙の表面の宛名はジュストになっている。
大司教様からの指示ならカーラに届くと思うのだけれど。
「あー。これはこの街にいる騎士からもらった手紙だ。気になる噂や、女神の奇跡と関係していることがありそうなら教えて欲しいと言っておいたら手紙を残してくれていた」
「この街? 知り合いの騎士がいたの?」
「まぁ、そうだな」
私の質問にジュストの視線が泳ぐ。
私はハッと気が付くと声をあげた。
「もしかしてどこかに護衛の騎士がいるの?」
「まぁ、そうだな……」
少しバツが悪そうなのは、私が旅の始まりに護衛騎士が増えるのを嫌がったからだろう。
「仰々しく権威を笠に着た姿を国民に見せるのはどうでしょう? 反感を抱くものもいるかもしれません」とか「女神の意向です」とかいろいろと言った覚えがある。
あの時は旅がこんなに不便で大変だとは思っていなかったし、危険もあると知らなかった。今ならもう少し騎士団の立場も考えて言うかもしれない。でも女神からの神託を偽って旅に出たことがバレたら困るという思いもあったし、その神託で騎士団を振り回すのも申し訳ないとも思ったのだ。
結局、騎士団はついてきていたようだけれど。
「そりゃあ、いくらなんでも聖女を騎士1人だけの警護で旅させるわけにいかないだろ」
「そうよね、ごめんなさい」
「――ってのは半分だけ真実。本当は俺たちも予言を聞いただけじゃどこに行けばいいか分からなかったんだ。だって手がかりは『南東』だけだからな。だからアリーチェの後をつけようってことになった。その方が簡単だし警護にもなるから」
「そうなのね」
「アリーチェの行動に、騎士団も半分以上はありがたがってるんじゃないかな。何かが見つかるまであてもなく南東を彷徨うことはなくなったからな」
優しくそう言ってくれて私の心も穏やかになる。
私は出発前あんなに拒否して申し訳なかったなと思いながら聞いた。
「ねぇ、今から一緒に旅をした方がいいかしら?」
「警護の面ではそうだけどなぁ」
難しい顔で考えるように唸る。
「まず、馬車で旅をしてくれるならそっちの方が断然良いと思う」
「行き先が決まってないのよ。私もどこに向かえばいいのかわからないのに馬車で移動は……」
ジュストがそうだろう、というような表情で頷く。
聖女候補のいる場所がわかるなら、私だって馬車で乗り付ける。
そして聖女候補を馬車に乗せてさっさと大聖堂に帰りたい。
でも居場所がわからないから、地道に女神の奇跡の手がかりでも落ちていないか聞きながら歩いているのだ。
なんとなくだけれど、馬車で南東の聖地に行ったとしても会える気がしない。
「徒歩の場合は、修道女ふたりに対して明らかに警護が多すぎる。よくいる巡礼者はほとんど警護なんてつけてないだろう」
「そういえばこの間声をかけた修道女も騎士なんてつけてなかったものね」
「安全のためにも悪目立ちは避けたい」
「そうよね」
「それから、騎士団は聖遺物だろうと推測してるんだ。アリーチェの警護をしながら、そっちにも人員を割いて探してる。旅の主な危険は街中じゃなくて、道中の野党や物取り、動物だ。道中さえ警護できれば街中にそんなに危険はない。夜中に危険な場所へ近付かなければな」
カーラが納得したようにうんうんと頷いている。
「じゃあ、道中だけでもこれからは一緒に行きましょうか?」
「そうだな、むこうに連絡を取ってみるよ」
カーラに答えると、ジュストはほっと微笑んだ。なんとなく、安心するような微笑みだった。
やっぱり道中、無理をさせていたのかもしれない。
私は我が儘な行動をとってしまったと今さらながら反省していた。
私は10歳までは普通に商人の娘として暮らしていたが、そこからは修道院暮らしだ。一般的な人達と考え方がズレているし、読み書き等の知識は他の人よりもあるけれど世慣れない世間知らずの娘だった。
旅に出て本当にそう思うことが多い。
ジュストとカーラがいなければ、私はあっという間に大聖堂に逆戻りすることになっていたと思う。
「ふたりとも、いつもありがとう」
「なんだ? どうした」
「アリーチェどうしました?」
ふたりにそっくりな仕草で覗き込まれて、私は頬が赤らんでいくのを感じた。
改めてお礼を言うのがちょっと照れる。
「だって、この旅大変でしょう? ふたりのお陰で旅が出来ているんだもの」
「なんだそんなことか。気にするな。俺は司教や貴族の巡礼の迎えに行ったり、警護で着いて行く事もあるから慣れてる。むしろ、アリーチェと旅ができて俺は……」
「そうですよ、私もアリーチェと旅ができて幸せです。こんなこと、生まれた村にいたらできない経験でしたからね」
ジュストを遮るように、勢いよくカーラはそう言うと私を抱きしめてくれた。
優しいぬくもりに包まれる。
胸の奥がじんわりと暖かくなる。私は抱えていた緊張を解き放つように息を吐いた。
ジュストは少しだけ何とも言えない表情で私たちを見つめていたが、私と目が合うと微笑んでくれた。
「まぁ、ここで立ち話もなんだから早いところ宿に行こう。手紙に手がかりもあるかもしれないしな」
「ええ、そうね」
私たちは教えてもらった宿へと歩き出した。
13
あなたにおすすめの小説
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
ここに聖女はいない
こもろう
恋愛
数百年ぶりに復活した魔王を討伐するために、少数精鋭のパーティーが魔王のいる《冬夜の大陸》へと向かう。
勇者をはじめとするメンバーは皆優秀だが、聖女だけが問題児。
どうしてこんな奴がここにいる?
かなり王道ど真ん中かつ、ゆるゆるファンタジー。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
神龍の巫女 ~聖女としてがんばってた私が突然、追放されました~ 嫌がらせでリストラ → でも隣国でステキな王子様と出会ったんだ
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
恋愛
聖女『神龍の巫女』として神龍国家シェンロンで頑張っていたクレアは、しかしある日突然、公爵令嬢バーバラの嫌がらせでリストラされてしまう。
さらに国まで追放されたクレアは、失意の中、隣国ブリスタニア王国へと旅立った。
旅の途中で魔獣キングウルフに襲われたクレアは、助けに入った第3王子ライオネル・ブリスタニアと運命的な出会いを果たす。
「ふぇぇ!? わたしこれからどうなっちゃうの!?」
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~
高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。
先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。
先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。
普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。
「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」
たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。
そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。
はちみつ色の髪をした竜王曰く。
「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」
番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる