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王城!?

初クエストのその後

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色々あったけど、スタンピードを抑えたAランクの冒険者として、またダンジョンボスクラスのグリズリーベアを使役した者として王城に呼び出しを食らった。もう貴族に関わりたくないんだけどなあ。王命にそむいたら罰せられるというか死ぬのと同じだし、しょうがない。

「陛下、Aランク冒険者レオが到着しました。」
ついに、王の書斎まで来てしまった。もう、帰りたい。
「入れ」
許可しなくていいのに…、ガチャ
「失礼します。レオと申します。」
「待っていたぞ。レオナルド。」
何で、陛下が俺の本名を知っているんだ。
「何故だと思っただろう。我々もエリスには手を焼いておってな。先王の妹の財産や権利を世襲していて王族としてもあまり厳しくできないのだ。だからやっと手綱を握ってくれるやつが現れたのかと思ったのだが…」
「すみません。陛下。」
陛下達も大変なんだな。王太子殿下と婚約したいとでも言っているんだろう。
「いやいやお主が悪いわけではないから謝るな。それで今回呼び出した要件はそなたを貴族に召し上げたいのだ。どうかの?正直な気持ちが聞きたいんだ。」
まじか、俺はこの国を出ていくつもりだったんだけどなぁ。貴族のいざこざに巻き込まれたくないしここは辞退させてもらおう。
「大変恐縮ですが、辞退させていただきたく…」
そう言うと国王は困ったように口を開いた。
「そうかと思ったんだが、貴族の手前、形だけでも褒賞は渡さないといけなくてな。それなら書物や魔剣などは興味ないか?」
「興味がないかと聞かれたらあります。魔剣もいいです、でも書物の場合はどのように渡されるのですか?」
それによっては、また、断る可能性がでてくるからな。
「王国立図書館の禁書を司書が付き添うが見て良い許可を出すことになると思う」
それなら、気になってた錬金術の本やもしかしたらあの本も…「どうだ。興味が湧いてきたか?」
「はい。王国立図書館の許可が欲しいです。」
「そうか、そうか。ならば、次の国議で発表しよう。」
いつから使えるようになるかな?それまでに冒険者のランクを上げて置こうかな。

そこから図書館を利用するときに気をつけたほうが良いことや貴族に絡まれたときの対応、愚痴などを話し気付いたら夕方だった。
「それで例のグリズリーベアを一目見さしてもらえないか。」
「良いですよ。おいでスニル。」
スニルの元はオーディンと言う戦神の軍馬スレイプニルなんだ。
「おぉ~、スニルと言うのか。もふもふでかわいいな。このままずっと撫でてていいたい。」
「ルイスさん、また来ますね。」
スニルが取られそうだから、笑顔でいうと、
「待ってくれー。もっとスニルを…」
といっていた。でも、ずっと黙っていた側近さんが咳をすると、何かを思い出したようでしっかりしだした。もう意味がないと思うけど。
「すまない。取り乱した。また愚痴を聞いてくれ。」
「はい、では失礼します」
お互いが思っていることを話しあった事で名前を呼び合う仲になった。けどルイスさんは1日サボった事で残った業務に追われることになったそう。大変そ。手伝う気はないけどね。
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