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第一章「蜘蛛の糸」
2-2 ★
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景色を見回す余裕もなく俯きがちに屋敷へと足を踏み入れる。自分が酷く恥ずかしいもののように感じて、人の出迎えがないことはむしろありがたかった。
通された部屋に入ると先にオズがベッドの端に腰をおろす。視線で指示されその隣に怖々と座ると顎をなぞられ上を向かされる。
「ぁ……」
オズの瞳は三日月を描いていた。先程までの冷たい表情から雪が解けたような笑みについ安心してしまう。その僅かな隙に付けいられてしまった。
最初は触れるだけの口付けだった。角度を変え楽しむ様だったそれは徐々に趣が変わっていく。下唇を吸われたかと思えば上唇を舐められる。ちろちろと舌先でくすぐられ反射的に薄く開いてしまった唇から口内への侵入されてしまった。
驚いて身を離そうとするもいつの間にか後頭部を抑えていた手に封じられる。
舌先同士を触れ合わせていると項の敏感な所をくすぐられ肩がひくりと跳ねた。
注意が逸れた瞬間、強く吸い上げられ外へと引き出される。普段他者の熱に触れることのないところが蹂躙されていく。戯れるようだった水音が徐々に低く響く。
聞きたくないと固く目をとざすとオズの手がスカーレットの耳に触れた。耳を塞がれた瞬間、一際強く吸い上げられじゅぷじゅぷと卑猥な水音が脳に直接送り込まれる。
全身が粟立ち、声にならない声を必死であげる。思考が鈍くなり、じくじくと下腹部が疼いた。
「もう、ゆるして……ぇ」
互いを繋いでいた透明な糸が切れスカーレットの首筋を滑り落ちる。その感覚だけでも体が反応してしまうようになっていた。
「まだ口吸いだけだよ」
そうは言うがいつの間にかドレスの留め具や紐は解かれてしまっている。あと一手で簡単にスカーレットから服を奪えるのだ。
「っ、随分手馴れていらっしゃるのね」
ずり落ちてくるドレスを抑え強気に言い返す。対するオズはまるで子猫の威嚇でも眺めるかのように笑みを深めただけだった。
嘲笑うように背中に伸びてきた手が服の中を潜りスカーレットの乳房に触れる。
「ひゃう!」
咄嗟に口を抑えるとオズを睨みつける。意味深な笑みは何も語ってくれなかった。
そうしている間も手はやわやわと感触を楽しみながら徐々に頂きに近づいてくる。ぴんと張り詰めた頂きを柔らかく擦り始めたかと思うと時たま強くつままれる。
「強がってるのも可愛いね」
かあ、とスカーレットの頬が赤くなった。こんなにじっくり大事に思考を溶かされる触れ合いは初めてで、怖いのに少しだけ期待してしまっている自分がいる。
レオナルドはこんな風に触れてこなかった。ただ突然連れ込まれて唾液や潤滑油で下を濡らして挿入して出して終わりだった。それが全てだったのだ。初夜の作法として習った行為もただ義務的なものだったのに。
「こんな遠回りなやり方……っ」
「あぁ、そうか」
数度目を瞬かせるとスカーレットの言いたいことを察したのかオズが言葉を発した。
「僕は変わり者らしい」
固く閉ざした膝をいとも簡単に開かせると馬車の中の時より容赦なく追い立てていく。
「普通はさっさと入れて出して終わりなんだよね」
「あっ」
秘部を掠めた他人の指に、我慢していた声が零れた。
「ひ、ぁ」
割れ目をゆっくり往復されるとあわせてにちゅ、にちゅと卑猥な音が微かに響く。それがオズの用意した潤滑油などではなく自分の愛液だと気付くのと下着を降ろされるのは同時だった。
「なにして、っ」
侵入した異物感に腰がぞわりと震える。無遠慮に踏み込んできた指はある程度まで進むとそこで動きを鈍らせた。
「レティの気持ちいいとこさがしてる」
意味を理解するより早く指がナカで動き始めた。
ひだを一枚一枚確認するように撫でられながら指を引き出していく。完全に出ていく前に今度は違う角度で挿入され、またゆっくりと嬲られながら出し入れされる。
「やぁあぁぁっ」
いやらしい寒気が腰から頭を駆け上る。抗おうにも先程までの緩やかな愛撫でとろかされた体には力が入らない。
「ゆっくり動かすのと」
またぴたりと動きが止まった。決して助かった訳では無いと分かっている。ごくりと生唾を飲んで固く目を閉じた。
くちゅ、と指先に触れた瞬間、子宮が甘く疼く。だが、次の瞬間、ずっぷりと奥まで挿入された指が律動を始めた。じゅぷじゅぷと先程よりもいやらしく大きな水音を立ててスカーレットを責め立てていく。
「ふっ、うぁ、あ」
「早く動かすの」
オズの胸に縋り付いて耐えていると感触を覚えさせるかのようにゆっくりと時間をかけて引き抜かれた。
「ふーっ、ふーっ」
何度も息を止めて嬌声を我慢したせいで息が上がっている。俯いたその瞬間見てしまったのだ。ドレスの中から姿を見せる、スカーレットの愛液で濡れたオズの指を。
「どっちが気持ちいい?」
「わかんなっ、い。こわいぃ」
「わかんないかぁ」
子供のようにいやいやと首を横に振る。そんなスカーレットあやす様にオズは頭を撫でた。
ガラス細工を扱うように耳朶、首筋、鎖骨と皮膚の薄い敏感なところに触れてくる。しかし、肝心なところには触れてくれない。それがもどかしくて膝を擦り合わせてしまう。
「もう、これやだぁ」
ずっと胸の奥が甘く疼いてたまらないのだ。このいやらしい乾きを満たして欲しいのに波のように近づいて遠ざかる。
「あついの、あたまくらくらする」
たすけて、とスカーレットの唇が音もなく動く。
ふっと落ちてきた息に顔を上げるとオズが笑っていた。どきん、と胸が騒ぐ。
もちろん、見惚れている場合ではなかったのだけど。
「あっ?」
本数を増やした指が割れ目を開いてナカを刺激する。押し広げるようにそれぞれが蠢いた。
「やだ、それ、やだぁ!」
スカーレットの体が一際大きく跳ねた。子宮口の手前のもっとも快楽に弱い部分を探り当てられたのだ。
「とめてよぉ!」
恨めしげにオズを見るが笑みが崩れることはない。膨らんだ快楽が弾けるまで離して貰えないのだ。そう悟った瞬間、指の動きがより鮮明になった気がした。
オズの胸に縋り付いて深く息を吸い込むとオズの、今自分を抱いている男の匂いが肺を満たす。
「ーーー!!」
ばちばちと瞼の裏を火花が駆け抜ける。通り過ぎた余韻だけで震えてしまう体は自分のものでは無いようだった。
「はーっ、はーっ」
肩で呼吸をしているとドレスが引き降ろされた。むき出しになった乳房に唇が触れる。それだけなのに敏感になった体は熱っぽい声を出してしまう。
「さわりゃないで、っ」
オズから離れようと腕に力を込めると意外なほどあっさりと解放された。しかし、立ち上がれるほどの余裕はなく、支えを無くした体はベッドに倒れ込む。
「まだ終わりじゃないよ」
ドレスを脱がされ裸を見下ろされる。せめて、と胸と秘部を隠しているとオズも服を脱ぎ始めた。
引き締まった体は思ったよりも逞しい。くつろげられたズボンを見て、これは前戯に過ぎないことを思い出した。
「あ………」
ぎし、とベッドが軋む。これ以上の未知の快楽に襲われてしまうことは容易に想像出来た。怖い、とは思う。だが、うるさいくらいの鼓動は恐怖ばかりでは無いのだとすでに分からせられていた。
通された部屋に入ると先にオズがベッドの端に腰をおろす。視線で指示されその隣に怖々と座ると顎をなぞられ上を向かされる。
「ぁ……」
オズの瞳は三日月を描いていた。先程までの冷たい表情から雪が解けたような笑みについ安心してしまう。その僅かな隙に付けいられてしまった。
最初は触れるだけの口付けだった。角度を変え楽しむ様だったそれは徐々に趣が変わっていく。下唇を吸われたかと思えば上唇を舐められる。ちろちろと舌先でくすぐられ反射的に薄く開いてしまった唇から口内への侵入されてしまった。
驚いて身を離そうとするもいつの間にか後頭部を抑えていた手に封じられる。
舌先同士を触れ合わせていると項の敏感な所をくすぐられ肩がひくりと跳ねた。
注意が逸れた瞬間、強く吸い上げられ外へと引き出される。普段他者の熱に触れることのないところが蹂躙されていく。戯れるようだった水音が徐々に低く響く。
聞きたくないと固く目をとざすとオズの手がスカーレットの耳に触れた。耳を塞がれた瞬間、一際強く吸い上げられじゅぷじゅぷと卑猥な水音が脳に直接送り込まれる。
全身が粟立ち、声にならない声を必死であげる。思考が鈍くなり、じくじくと下腹部が疼いた。
「もう、ゆるして……ぇ」
互いを繋いでいた透明な糸が切れスカーレットの首筋を滑り落ちる。その感覚だけでも体が反応してしまうようになっていた。
「まだ口吸いだけだよ」
そうは言うがいつの間にかドレスの留め具や紐は解かれてしまっている。あと一手で簡単にスカーレットから服を奪えるのだ。
「っ、随分手馴れていらっしゃるのね」
ずり落ちてくるドレスを抑え強気に言い返す。対するオズはまるで子猫の威嚇でも眺めるかのように笑みを深めただけだった。
嘲笑うように背中に伸びてきた手が服の中を潜りスカーレットの乳房に触れる。
「ひゃう!」
咄嗟に口を抑えるとオズを睨みつける。意味深な笑みは何も語ってくれなかった。
そうしている間も手はやわやわと感触を楽しみながら徐々に頂きに近づいてくる。ぴんと張り詰めた頂きを柔らかく擦り始めたかと思うと時たま強くつままれる。
「強がってるのも可愛いね」
かあ、とスカーレットの頬が赤くなった。こんなにじっくり大事に思考を溶かされる触れ合いは初めてで、怖いのに少しだけ期待してしまっている自分がいる。
レオナルドはこんな風に触れてこなかった。ただ突然連れ込まれて唾液や潤滑油で下を濡らして挿入して出して終わりだった。それが全てだったのだ。初夜の作法として習った行為もただ義務的なものだったのに。
「こんな遠回りなやり方……っ」
「あぁ、そうか」
数度目を瞬かせるとスカーレットの言いたいことを察したのかオズが言葉を発した。
「僕は変わり者らしい」
固く閉ざした膝をいとも簡単に開かせると馬車の中の時より容赦なく追い立てていく。
「普通はさっさと入れて出して終わりなんだよね」
「あっ」
秘部を掠めた他人の指に、我慢していた声が零れた。
「ひ、ぁ」
割れ目をゆっくり往復されるとあわせてにちゅ、にちゅと卑猥な音が微かに響く。それがオズの用意した潤滑油などではなく自分の愛液だと気付くのと下着を降ろされるのは同時だった。
「なにして、っ」
侵入した異物感に腰がぞわりと震える。無遠慮に踏み込んできた指はある程度まで進むとそこで動きを鈍らせた。
「レティの気持ちいいとこさがしてる」
意味を理解するより早く指がナカで動き始めた。
ひだを一枚一枚確認するように撫でられながら指を引き出していく。完全に出ていく前に今度は違う角度で挿入され、またゆっくりと嬲られながら出し入れされる。
「やぁあぁぁっ」
いやらしい寒気が腰から頭を駆け上る。抗おうにも先程までの緩やかな愛撫でとろかされた体には力が入らない。
「ゆっくり動かすのと」
またぴたりと動きが止まった。決して助かった訳では無いと分かっている。ごくりと生唾を飲んで固く目を閉じた。
くちゅ、と指先に触れた瞬間、子宮が甘く疼く。だが、次の瞬間、ずっぷりと奥まで挿入された指が律動を始めた。じゅぷじゅぷと先程よりもいやらしく大きな水音を立ててスカーレットを責め立てていく。
「ふっ、うぁ、あ」
「早く動かすの」
オズの胸に縋り付いて耐えていると感触を覚えさせるかのようにゆっくりと時間をかけて引き抜かれた。
「ふーっ、ふーっ」
何度も息を止めて嬌声を我慢したせいで息が上がっている。俯いたその瞬間見てしまったのだ。ドレスの中から姿を見せる、スカーレットの愛液で濡れたオズの指を。
「どっちが気持ちいい?」
「わかんなっ、い。こわいぃ」
「わかんないかぁ」
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「もう、これやだぁ」
ずっと胸の奥が甘く疼いてたまらないのだ。このいやらしい乾きを満たして欲しいのに波のように近づいて遠ざかる。
「あついの、あたまくらくらする」
たすけて、とスカーレットの唇が音もなく動く。
ふっと落ちてきた息に顔を上げるとオズが笑っていた。どきん、と胸が騒ぐ。
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「やだ、それ、やだぁ!」
スカーレットの体が一際大きく跳ねた。子宮口の手前のもっとも快楽に弱い部分を探り当てられたのだ。
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「まだ終わりじゃないよ」
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引き締まった体は思ったよりも逞しい。くつろげられたズボンを見て、これは前戯に過ぎないことを思い出した。
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