犯された女は男を追い込む

貴美月カムイ

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犯された女は男を追い込む2

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「お前は、俺のことが好きか」
 男の問いに女は頷く。
「声に出して言え」
「好きです。愛しています。わた、ああああんっ!」
 女の告白に男は指を早め、女の股間から響く音を強調させた。
「なんだと?」
「離れられないくらい好きなんです。私、貴方といると壊れそうなくらい私がわからなくなるんです!」
 耐えに絶えまくり、ほとんど叫びに近かった。喘ぎに耐え、言いたかったことを告白したのだった。
 なんだこの告白は。くだらない。
 そう思ってはいたが、ここまで激しい感情をあらわにさせたのは初めてだっただけに、男はどこかしら打たれるものがあったのだろう。涙を一筋流していた。
 この関係が永遠であるはずがない。男は覚悟していた。女は刹那の中に身を置いてもいいほどに先のことは考えていなかった。
 男は「好きや愛などどこにあるのか」と考えていたが、女は「一瞬でも本気があっただけで、私の命は救われる」と感じていた。
 ただ男は透けて見える女の瞳の奥に、微かに輝く真っ直ぐさを見つけていた。
 無知ゆえの無垢か、それとも迷走の果ての諦めなのか。あるいは……。
 考えても及びもつかない。
 男は一気に女の下着を引きずり下ろし、硬くそそり勃った肉棒を引き出した。
 机の上の女を引き寄せ、戸惑いすらも見せる瞳を凝視し、自らの膝の上に乗せ肉棒を女の中へと突き刺した。
「あ、あ、あ、あ、あああああああっ!」
 命じたことを守ろうとするも守りきれず、溢れ返ったままに艶を声色に乗せていく。
 愛など、俺には遠い。
 男はそう思いながらも、色艶の増していく女の魔力に徐々に引き込まれつつあった。
 俺がそうさせたのか、それともこいつ自身が。
 見当もつかぬほど女は変わった。
 躊躇がなくなったと言ったほうがいいだろうか。
 腰を突き上げていた男に合わせ、女はリズムよく腰を下ろしてくる。
 男が突き上げをやめても女は腰に捻りを加え、男を喜ばせようと懸命になる。
 快楽だけを追い求め女は動いているのではないかと見つめると、しっかりと男を見据えていた。
 そのあまりの真っ直ぐさに男は今までにない力を感じ圧倒されそうになった。
 ウィスキーの香りが体の奥底から香ってきて、女の体臭と混ざり男を興奮させた。
 まるで形無しではないか。まるで化けた女に妖怪じみた妖艶を見ているようではないか。
 男は感じた。
 これは見つめなければならない。これは受け止めなければならない。
 男の酔いすらも醒ませそうな勢いで女は必死に腰を動かす。
 男は女の健気で純真で純朴で迫真めいた様子に気おされ気味になっていたことに腹立たしさを覚えた。
 お前は泳がせない。お前は俺の中にいるべきなのだ。いつか、手に余る日まで。
 男は暴れる魚のような女の乳房を強く掴み、腰を突き上げる。
 女は快楽に体をのけぞらせ声を大胆にあげていく。
 男も女も相手によって高まっていく。飲まれず、飲み込んでいく。そうでなければ女の覚悟についてはいけない。
 肉棒の締め付けが激しくなり、男は吸い込まれるような感覚の中、一心不乱に突き上げていた。
 奥まで先端が蹂躙していく感覚に女はより男を見つめた。
 互いに火花が散るような見つめあいが始まり、最上のオルガスムスを確信しあいながら高めあう。
 粘液の音は高く小刻みになり、互いに目をそらすことなく果てた。
 まだ脈打ち女の奥へ注ぎ込んでいる途中だったが、女は様々な事を我慢していたのか気絶してだらりと体を垂らした。
 男は零れぬよう女を抱きかかえ、肉棒が萎えるまで女を抱きしめていた。
 女は魔物。次々と化けていく。
 男はそう思いながら、女の目が覚めるまでしばらく、すがりつくように抱きしめていた。
 
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