2 / 3
潰れたいちごショートケーキ2
しおりを挟む
今親父は断酒会と病院通いをしながら、警備員の仕事をしている。
「調子はどうだい? 親父」
「腐っているより動いていたほうが楽だ。酒のことも考えなくて済むからな」
牛丼屋で一番安い牛丼を食べている親父のおしんこを指でつまんで口の中にひょいと落とす。
しゃなりしゃなりと口の中で鳴るおしんこの音に親父の声が混ざる。
「カエデは、どうしている?」
「元気だよ。でも、カエデから親父の話をしない限りは一切こちらから話はしてない」
「そうか。そうだよな」
丼を手に持ち、かっ込むようにして親父は残りのご飯をたいらげる。
カエデからあの事件以降親父の話が出たことは一切ない。
親父が席から立ち上がり、おしんこを手に持って俺と同じようにして口の中にひょいと落とす。
どことなく、似ている部分があって気味の悪さを感じる時がある。
「じゃあ行くわ。日雇いで忙しいんだ。警備員なんて安い給料でこき使われているよ」
微かにはにかんだような親父の顔に、よりいっそう深くしわが刻まれていた。
「そう。それじゃあ、また時間ができたら様子見に来る」
「俺は大丈夫だからお前たちはお前たちでちゃんと生きてくれ」
そう言って足早に親父は牛丼屋を出て行った。
小さな、小さな背中に見えた。
カエデの誕生日のためにケーキを買ったが、落とした。夜の交差点に落ちて潰れたケーキの箱を、とっさに拾おうと思っていた。
街のギラギラした明かりと人ごみの中で。
「きゃあ。なんか踏んじゃった。きたなあい」
カップルの女が交差点の真ん中で叫んだ。
信号を見ると赤に変わりそうだったので、拾う間もなく俺は人ごみに流されていった。
バス停の向かい側に牛丼屋が見える。
しばらく会っていない。そろそろ、親父の様子も見てこないとな、と思いながら、カエデのことを考えていた。
いちごショートケーキを買いに戻ろうにも、閉店ギリギリで奇跡的に余っていた最後の一個を購入したので、もうないだろう。
他のケーキ屋を探すにも、このバスで最後だ。諦めて帰るしかない。
バスを待つ。
白い生クリームに散った赤いイチゴが脳裏に焼きついている。
きっとあの時親父の影に脅えていたんだろう。
「俺たち兄妹だぞ」
「いいの。お兄ちゃんとしたいの。ね? エッチしよう」
カエデはまるで垢抜けたかのように卒業式の夜、俺を求めてきた。
今までそんな素振りなんて見せたこともないのに。
「お、おい……」
カエデは俺の静止を振り切って、ぱっぱと服を脱いでいく。
「ほら、ね?」
「ほらねって言われても」
カエデは全裸で両手を広げて立っている。
「いや、カエデ、それじゃああまりにもムードが……」
「お兄ちゃん、私の体じゃ勃たないの?」
「カエデ……いや、ホント、なんか、急に言われても異性だと意識してなかったし、反応しないしな」
「じゃあどうすればいいの?そうだ!お兄ちゃんのおちんちん舐めてあげればいいんでしょ?」
「なっ?」
俺はカエデの言葉にむせそうになった。
「いや、頼むよカエデ。気分が全然乗らない」
カエデはにじり寄り、俺の手を取り胸に当てる。
「揉んでよ。お兄ちゃん」
最初は手をカエデの胸に当てていただけだが、ぎこちなく最初の力を入れると、思いのほか柔らかく吸い込まれる感覚にすぐに勃起した。
やはり抵抗があってスムーズに揉めない。
「なあに?お兄ちゃん女の人の胸触るのはじめてなの?」
「いや、違うんだが……」
(最初の女は見事なまな板状態で揉むものがなかったんだよな……)
俺がカエデの乳首をつまんでこすりあげると「あん」と甘い声をあげるが、もう勃起して痛いほどになっているのに、まだ最後まで捨てきれない躊躇がある。
どうしてこんなことをしなければいけないのか、という疑問も拭い去れなかった。
カエデがズボンを脱がし、トランクスに引っかかるほど勃起した俺のものを出すと「うわあ……凄い。お兄ちゃん私でこんなになったんだね」と言った。
どことなく情けないような気もして素直に喜べない。
カエデはひざまずき、俺の勃起したものを口に思いっきり含んだ。ぱくりと。
「いたっ! カエデ! 食べ物じゃないんだから歯立てるなよ」
その時むっとしたせいだろうか、怒りたい気持ちが今まであったカエデへの躊躇をさらりと洗い流した。
「調子はどうだい? 親父」
「腐っているより動いていたほうが楽だ。酒のことも考えなくて済むからな」
牛丼屋で一番安い牛丼を食べている親父のおしんこを指でつまんで口の中にひょいと落とす。
しゃなりしゃなりと口の中で鳴るおしんこの音に親父の声が混ざる。
「カエデは、どうしている?」
「元気だよ。でも、カエデから親父の話をしない限りは一切こちらから話はしてない」
「そうか。そうだよな」
丼を手に持ち、かっ込むようにして親父は残りのご飯をたいらげる。
カエデからあの事件以降親父の話が出たことは一切ない。
親父が席から立ち上がり、おしんこを手に持って俺と同じようにして口の中にひょいと落とす。
どことなく、似ている部分があって気味の悪さを感じる時がある。
「じゃあ行くわ。日雇いで忙しいんだ。警備員なんて安い給料でこき使われているよ」
微かにはにかんだような親父の顔に、よりいっそう深くしわが刻まれていた。
「そう。それじゃあ、また時間ができたら様子見に来る」
「俺は大丈夫だからお前たちはお前たちでちゃんと生きてくれ」
そう言って足早に親父は牛丼屋を出て行った。
小さな、小さな背中に見えた。
カエデの誕生日のためにケーキを買ったが、落とした。夜の交差点に落ちて潰れたケーキの箱を、とっさに拾おうと思っていた。
街のギラギラした明かりと人ごみの中で。
「きゃあ。なんか踏んじゃった。きたなあい」
カップルの女が交差点の真ん中で叫んだ。
信号を見ると赤に変わりそうだったので、拾う間もなく俺は人ごみに流されていった。
バス停の向かい側に牛丼屋が見える。
しばらく会っていない。そろそろ、親父の様子も見てこないとな、と思いながら、カエデのことを考えていた。
いちごショートケーキを買いに戻ろうにも、閉店ギリギリで奇跡的に余っていた最後の一個を購入したので、もうないだろう。
他のケーキ屋を探すにも、このバスで最後だ。諦めて帰るしかない。
バスを待つ。
白い生クリームに散った赤いイチゴが脳裏に焼きついている。
きっとあの時親父の影に脅えていたんだろう。
「俺たち兄妹だぞ」
「いいの。お兄ちゃんとしたいの。ね? エッチしよう」
カエデはまるで垢抜けたかのように卒業式の夜、俺を求めてきた。
今までそんな素振りなんて見せたこともないのに。
「お、おい……」
カエデは俺の静止を振り切って、ぱっぱと服を脱いでいく。
「ほら、ね?」
「ほらねって言われても」
カエデは全裸で両手を広げて立っている。
「いや、カエデ、それじゃああまりにもムードが……」
「お兄ちゃん、私の体じゃ勃たないの?」
「カエデ……いや、ホント、なんか、急に言われても異性だと意識してなかったし、反応しないしな」
「じゃあどうすればいいの?そうだ!お兄ちゃんのおちんちん舐めてあげればいいんでしょ?」
「なっ?」
俺はカエデの言葉にむせそうになった。
「いや、頼むよカエデ。気分が全然乗らない」
カエデはにじり寄り、俺の手を取り胸に当てる。
「揉んでよ。お兄ちゃん」
最初は手をカエデの胸に当てていただけだが、ぎこちなく最初の力を入れると、思いのほか柔らかく吸い込まれる感覚にすぐに勃起した。
やはり抵抗があってスムーズに揉めない。
「なあに?お兄ちゃん女の人の胸触るのはじめてなの?」
「いや、違うんだが……」
(最初の女は見事なまな板状態で揉むものがなかったんだよな……)
俺がカエデの乳首をつまんでこすりあげると「あん」と甘い声をあげるが、もう勃起して痛いほどになっているのに、まだ最後まで捨てきれない躊躇がある。
どうしてこんなことをしなければいけないのか、という疑問も拭い去れなかった。
カエデがズボンを脱がし、トランクスに引っかかるほど勃起した俺のものを出すと「うわあ……凄い。お兄ちゃん私でこんなになったんだね」と言った。
どことなく情けないような気もして素直に喜べない。
カエデはひざまずき、俺の勃起したものを口に思いっきり含んだ。ぱくりと。
「いたっ! カエデ! 食べ物じゃないんだから歯立てるなよ」
その時むっとしたせいだろうか、怒りたい気持ちが今まであったカエデへの躊躇をさらりと洗い流した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる