宇宙戦記:Art of War ~僕とヤンデレ陛下の場合~

土岡太郎

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第6章 三帝激突

第二次対仏大同盟 その3

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 宇宙暦1800年10月20日―
 北ロマリアへの航路―

 ドナウリア帝国皇帝フリッツ2世の弟であるミハエル・フォン・ライヒ=テシェル(ミハイル大公)率いる12000隻の艦隊は、北ロマリア侵攻のために国境に向かって、行軍を行っていた。

「閣下。順調に行けばウェネテ星系惑星コネリナーノには、11月1日の到着となっております」

 参謀のハンス・ダルムシュタット少将が、ミハイル大公に現在の進軍状況の報告を行なうと、ミハイルは彼に開戦予定日を確認しておく。

「開戦予定は11月3日であったな?」
「はい」

「では、兵達に休息を与えられるな」

 ガリアルムとエゲレスティア両国による、大規模艦隊演習がおこなわれるのが11月3日であり、演習が行われた当日に開戦すれば演習に参加した仏英両艦隊は、補給と休息に時間を取られて反応が遅れることになり、それだけ大同盟側に時間的有利が発生する。

 そのため11月3日までに国境まで移動しておき、宣戦布告と共に侵攻すれば先手を取ることができる。

「それにしても、本来ならガリアルムの本隊が出てくるゲルマニア方面の指揮は閣下が執るべきなのに、どうして皇帝陛下はライヒェルト大将に命じたのでしょうか?」

 マルク・フォン・ライヒェルト大将は、お世辞にも名将とは言えずむしろ凡将と言っても司令官で、フランの相手は務まらないであろう。

 そのためダルムシュタット少将は、今回の人事を不服に思っていた。

 彼の言う通り、フランに勝利できるのはドナウリアでは彼だけであり、それは平行宇宙で証明されている。

 ミハエルは平行宇宙で、フランに一度ではあるが勝利しており、それに加えその戦いでリュスを戦死させている。

 この事は、ルイを失った平行世界のフランに人事面と何より精神面に、代えがたい損失を与える事になった。

「あのフランソワーズ・ガリアルムを相手にするには、ライヒェルト大将では荷が重すぎます。小官には、我が軍であの白い悪魔に勝利できるのは、閣下しかいないと考えます」

「口を慎め、ダルムシュタット少将」
「申し訳ありません… 」

 そうダルムシュタット少将を諌めたミハエルは、彼自身は今回の人事は仕方がないと考えている。

「ゲルマニア方面には、オソロシーヤのミハイル・クリューコフ大将が加わることになっている。彼が合流すれば、実質的な総司令官は彼になる。彼ならば、フランソワーズ・ガリアルムに引けは取らないだろ。そうなれば、自分で言うのはなんだが、北ロマリア方面の司令官は私が行うのが妥当だろう」

 彼の言葉どおり、ゲルマニア方面に名将クリューコフ大将がいるなら、北ロマリア方面はミハエルが指揮すれば、両方面の戦いで勝利を得る確率はあがる、<上手く事が進めば>であるが…

「そうですね。思慮が足りませんでした、申し訳ありません」

 謝罪する参謀に右手をあげて、”もういい”と合図をするとミハエルはモニターに映る星々を見ながら、このような事を考える。

(問題は、兄上やアリスタルフ1世が余計な事をしなければ、だが…。まあ、今回オソロシーヤは、名将が数名出陣してきているし何より兵数は上回っているのだ。余程のことが無い限り勝敗は覆らないはずだ……)

 ミハエルの考えの通り、艦隊数は墺露合わせてであるが1万隻以上数で勝っており、司令官もオソロシーヤが誇る司令官が数名指揮を執り、負ける要素は少ないと言っても良い。

 彼は自軍に有利な条件を確認しながら、不安を振り払おうとするが、何故か全て消し去ることができなかった。

 そして、その小さな不安は最悪な結果となって、後の彼に伝わることになる。


 その頃、その白い悪魔は、その異名に恥じない悪魔っぷりを、ルイに行っていた。

「本当に困ったやつだな、ルイ…」 
「すみません、もう勘弁してください…」

 ルイは、フランが工作班に特別に作らせた波型プレートの上に正座させられており、太腿の上にはフランは乗っていないので、前回の作戦も使えない。

 こうなった理由? 懲りずにこっそりアーサリンの動画を見ていたからであるが、今回書き込みは控えたが、見ること自体が罪なのでお仕置きされている。

 えっ? こっそりなのに、どうしてバレたのか? ルイの端末に監視ウィルスを仕込んで監視― 彼女いわく有害なモノを見ないように、見守っていたからである!!

 ”彼は主役なのに、どうしてこんな酷いお仕置きを受けるのか?”と疑問を持ったかもしれないが、”仕方がない”である。

 フランはヤンデレ目で、波型プレートで苦しむルイを見つめながら、その前で椅子に座るとゴスロリスカートをひらひらさせながら、足を何度も組み替えて黒いタイツを見せてくる。

 鉄壁スカートがいい仕事をしているため、下着は見えないが黒タイツ越しの太腿半分は見えている。

 なお、黒タイツを見せるのが、恋愛中学生フランにできる精一杯であるが、“タイツフェチ”でないルイには特に効果はない。

 一応彼女なりの彼の痛みを紛らわせてやろうという優しさであり、それならお仕置きをしなければいいとなるのだが、“ソレはソレ、コレはコレ”である。

 だが、これはルイにとってはある意味好機であり、彼は中学生皇帝の優しさに漬け込む悪い事だと思いながら、フランにセクハラ攻撃を仕掛ける。

「フラン様… さっきから… その… (タイツが)見えていますよ?」
「にゃ!? にゃーーーー!!!?」

 ルイが視線を逸しながら、含みを持たせた言い方をしたために、フランはタイツではなく下着が見えていると勘違いして、最近お気に入りなのか、またもや白ネコフランになってしまう。

 フランは足を内股気味にして、ゴスロリスカートを両手で押さえると、猫語でルイを激しく罵倒し始める。

「にゃにゃにゃにゃー! にゃにゃにゃにゃー! にゃにゃにゃにゃー! にゃにゃにゃにゃー! にゃにゃにゃにゃー!」

 <フラにゃん>の言葉を、今回も翻訳すると以下のようになっております。

「ルイの馬鹿―! ルイの変態―! ルイの×××!! ルイの○○○!! ルイの△△△!!」

 ※後半は翻訳すると彼女のイメージが下がるので、伏せ字とさせて頂いております。


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