イシュラヴァール放浪記

道化の桃

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第四章 遠征編

淫薬★

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 口枷のせいで開きっぱなしの口が、からからに乾いている。
 そこへ、何やら甘苦い液体が注ぎ込まれた。
「がは、あ、やぁ……っ」
 首を振って逃れようとするが、屈強な奴隷男に二人がかりで頭を抑えられて、無理やり飲まされる。
「……がふっ……ぐぅ」
「ほらほら、零すんじゃないよ。大枚はたいて手に入れた貴重な薬だ」
 虚ろな眼をしたファーリアを苛む辺境伯は、生き生きとして血色がよく、その眼はいよいよ爛々と輝いている。
 間もなく、ファーリアの身体と精神に、変化が現れだした。
「……ハァ……ッ……ハァ……ハァッ……」
 口の端から、粘り気のある涎が流れ落ちる。
「おほッ」
 辺境伯が嬉しそうにわらった。
「いいぞ……おい、これを外せ」
 命じられた奴隷たちが鎖を外すと、ファーリアは床に倒れ込んだ。
 つめたい床の上で、ファーリアは身をよじる。
「ああッ……ハァんッ……やァ……」
 ファーリアは胸を掻きむしった。皮膚の下で、身体中の神経がうずく。ねっとりとした粘菌が、皮膚の下をうぞうぞと這い回っているようだ。
「ああ、あ、ああ……っ」
 なまめかしく身体をくねらせて、身体の内側を舐め回す感触から逃れようと足掻く。が、足掻けば足掻くほど官能の触手が絡みついてくる。
「あぁーーーーっ…………」
「いいぞいいぞ、その表情かおだ――」
 辺境伯が舌なめずりをして、べろりとファーリアの乳房を舐めた。瞬間、大きく仰け反ってびくびくと痙攣する。
「――――っ!」
 まるで躰中が性感帯になったようだ。ほんの少し触れただけでも、剥き出しの神経が刺激を快感へと変換し増幅させる。
(嫌だ、いや、い……や……)
 そう思っても、口から出るのは艶めかしい喘ぎ声だ。
「あ、ハァッ……ああ、ッハァん……」
 辺境伯は膝を打って悦んだ。
「おい、お前たち、こいつを犯せ。ほれ、こんなに欲しがっておるぞ。皆で犯しまくってみせろ」
 辺境伯が命じると、屈強な奴隷たちが、ファーリアを囲む。全部で五人、二人が両腕を押さえ、もう二人が両脚を大きく広げて押さえこむ。ファーリアはそれだけで感じてしまい、腰を浮かせてびくんびくんと跳ねた。最後の一人が、その細い腰を大きな両手で掴んだ。
 欲しい――欲しくてたまらない――とぷとぷと液を滴らせて、ファーリアの胎内が渇望する。抱きしめてほしくて、躰の奥深くまで挿れてほしくて、愛してほしくて、気が狂いそうになる。
 ――ああ、誰か。たすけて。わたしを抱いて。この制御できない情動を止めて。
 誰か。
 抱いてほしい。あのひとに、愛されたい。
 離れたくなかった。ずっとそばにいて、彼だけを愛していたかった。
 その顔を思い出す前に、意識が遠のいていった。

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