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第二章 落日のエクバターナ
宿怨
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砂漠地帯の砂嵐は、すぐに過ぎることもあれば一晩中続くこともある。
強烈な風は、小一時間ほどで一旦収まってきた。が、相変わらず視界は悪い。嵐の中一人立ち尽くすマルスをスカイが見つけられたのは、ほぼ奇跡だった。
「陛下!」
口の中に砂が入ってくるのも構わず、スカイは呼んだ。
「陛下!危険です!中へ!」
この視界の中では、いつ刺客に襲われても不思議ではない。スカイ一人では守りきれない。
だがマルスは、なおもあらぬ方向へ行こうとする。
「陛下!」
必死で引き止めるスカイに、マルスは予想外の言葉を口にした。
「ファーリアが」
「……え?」
「ファーリアがいた……」
「まさか」
咄嗟に否定したのは、到底ありえないと思ったからだ。アルナハブと砂漠地帯への進攻計画を進めながらも、スカイやシハーブたち側近は極秘裏にファーリアの捜索は続けていた。砂漠は広い。加えてシハーブたちは、現王権の手の者に見つかるわけにはいかない。思うように動けなかったのは事実だが、それでも力を尽くして探していたのだ。
(こんなところに、いるわけがない……あれだけ探して見つけられなかったのに)
という思いがある一方、
(でも、じゃあなぜこの嵐の中、陛下は砦の外へ出てきたんだ?)
とも考える。理由なく無謀な行動を取る男ではない。マルスが自分の身を顧みないなど、余程のことがあったときーー恐らくファーリアを見つけたから、安全な砦から危険な前線へと降りてきたのだ。もちろん、願望が見せた幻影や、見間違いという可能性もある。だが、マルスに限ってはそういった誤ちはほとんどしない。洞察力と決断力に優れ、勘は当たる。だからこその傑物なのだ。
スカイはマルスの視線の先を追った。だが、もうもうと砂煙が立ち込めるばかりで、何も見えなかった。
「ファーリアがいたんだ」
マルスはもう一度行った。スカイには否定する言葉がなかった。
「……陛下。中隊をひとつ付近の捜索に充てますから、陛下はまた風が強くなる前にお戻りください。ここは敵地です。今ここにいる軍で最も砂漠に強いのは、我軍でもダレイ軍でもない、『インドラの戦士』なんですよ?」
「あんたに会いたかった」
顔に巻き付けたターバンの間からのぞく、シンの冷たい灰色の瞳が、怒りに満ちている。
「はっ!俺から逃げたのは、てめえじゃねえか」
カイヤーンは口の端を歪めて笑った。立ち上がりかけて、「うっ」と呻いて膝をついた。先程止血のために巻いたターバンに、新しい血が滲む。
「ああ。あんたの下で養われてると、死にたくなったからな」
座り込んだカイヤーンの首元に、シンは剣を突きつけた。
「砂嵐が好都合に、あんたを兵隊から引き離してくれた。しかも手負いときている」
「俺を殺すのか?チビのお前を育ててやったのに?」
「好きで育てられたんじゃない。あんたが俺を人質にして連れていかなければ、母上と共に暮らせたんだ。俺の家族は、ここでーー」
顔を上げると、砂煙の向こうに黒々とした影が見える。砂漠街道21ポイント。かつてシンの父が駐屯していた砦。
「バラバラになったーーお前らは、ここで、俺の父を殺して……俺のーー俺の全部をーー壊した」
感情を抑えきれず、シンの声が震える。
「……ちがう……父上を殺したのは」
シンは剣を突きつけたまま、片方の手で顔を覆った。
「ーー俺だ。俺が、知らなかったから……ああ、あ……知ってたら……知ってたら」
ターバンが崩れ、血が滲むほど噛み締めた唇があらわになる。怒りと後悔の、どちらが自分の本当の感情なのか分からずに、混乱する。
「知っていてもやってたさ。そうしなきゃお前ら兄妹は、もっと酷い目に遭ってた」
ふっ、とシンの顔から表情が消えた。意思から切り離された殺意が、シンを支配した。
「やめて!」
カイヤーンに刃が届く寸前で、シンは体ごと真横から押し倒された。
「シン、やめて!だめ!」
ファーリアがシンに取りすがり、押さえ込む。
「くそ、離せ!」
「だめだ、シン。落ち着いて!」
「お前もこいつらの仲間なのか!?あのとき、お前は俺たちを助けに来たんじゃなかったのか」
「ええ、そうよ。わたしはあなたたちを助けようと、あの男と戦って、殺した」
そしてファーリアは、その後長い間、悪夢に苛まれることになったのだ。殺した男の亡霊に。
「感情に委せて殺してはだめだ、シン」
「国軍のアトゥイー。お前はどっちの人間だ?」
シンはファーリアの両腕を掴んで詰め寄った。
「おい、よく聞けよ。あんたがいた傭兵隊が助けに来るまでの数日で、砦の中はめちゃくちゃにされた。母は犯され、捕虜たちは毎日数人ずつ殺された。生きたまま灼熱の砂に埋められて」
その惨状はファーリアも見て知っていたが、黙って聞いていた。間近にあるシンの顔は、怒っているのに泣きそうだ。マルスによく似た、だけどまだ幼さの残る顔。
「あの塔のてっぺんから落とされた者もいた。国王への見せしめだと、あの男は言った。俺も父も、王なんかじゃないのに」
塔を指差すシンの手が震えている。ファーリアは遣る瀬無い思いでシンの腕を掴み返した。あれは5~6年前のことだったか。シンはまだ10歳かそこらだったはずだ。幼い子どもの心を壊すには十分すぎる惨劇だろう。
「この国で、砂漠に生きる遊牧民は人間じゃねえ」
おもむろにカイヤーンが口を開いた。
「……族長は、もっと陰惨なものを見てきた。そんな族長を、俺には止められなかった。遊牧民の中には同じように国軍に恨みを持つものは大勢いた。親兄弟を殺され、妻子を辱められ、僅かな財も奪い尽くされた。部族まるごと焼き殺された者もいた。自分の命と代えても復讐を遂げると誓った者たちが、大勢いたんだ。悪いのは王家と欲にまみれた辺境伯どもだ。お前らに罪はねえよ。だが、大切なものを奪われた人間は、相手も同じ目に遭わせてやりたいと思うのさ」
決して大声ではないのに、暴風の中でもカイヤーンの声はよく聞こえた。いつの間にかカイヤーンが風上に回っていたことに、ファーリアは気付いた。絶え間なく吹き付けてくるのは、風ではなく砂だ。風下から風上へ攻撃するのは容易なことではない。戦闘に関しては、たとえ傷を負っていてもカイヤーンの方が一枚も二枚もうわてだ。
「王は遊牧民から人としての権利を奪った上で、各地の辺境伯に処遇を委ねた。奴らにしてみりゃ、俺たちはタダで手に入る労働力だ。奴らは遊牧民の部族を次々と奴隷にした。誰もそれを罰しなかった。俺たちは王国に守られない民だった。死ぬまで虐げられ搾取される、家畜同然の扱い。ファーリア、お前もそうだろう。お前は人じゃなかった。奴隷の烙印を押され、毎日鞭打たれてきたんだろうが」
鞭、と聞いて、シンは以前月明かりの下で見たファーリアの背中の疵痕を思い出した。
「族長は自分の過去を語るような男じゃなかった。ただ一度だけ、結婚したその夜に一族ごと滅ぼされた、と聞いた。花嫁とはそれきりだったと。花嫁の名はカナンーーお前の母親だ」
「待てーーどういう意味だ……?」
シンが理解が追いつかずに訊いた。
「シン、あの日わたしが殺した男は――あなたの家族を貶めた男は……わたしの、父なの」
強烈な風は、小一時間ほどで一旦収まってきた。が、相変わらず視界は悪い。嵐の中一人立ち尽くすマルスをスカイが見つけられたのは、ほぼ奇跡だった。
「陛下!」
口の中に砂が入ってくるのも構わず、スカイは呼んだ。
「陛下!危険です!中へ!」
この視界の中では、いつ刺客に襲われても不思議ではない。スカイ一人では守りきれない。
だがマルスは、なおもあらぬ方向へ行こうとする。
「陛下!」
必死で引き止めるスカイに、マルスは予想外の言葉を口にした。
「ファーリアが」
「……え?」
「ファーリアがいた……」
「まさか」
咄嗟に否定したのは、到底ありえないと思ったからだ。アルナハブと砂漠地帯への進攻計画を進めながらも、スカイやシハーブたち側近は極秘裏にファーリアの捜索は続けていた。砂漠は広い。加えてシハーブたちは、現王権の手の者に見つかるわけにはいかない。思うように動けなかったのは事実だが、それでも力を尽くして探していたのだ。
(こんなところに、いるわけがない……あれだけ探して見つけられなかったのに)
という思いがある一方、
(でも、じゃあなぜこの嵐の中、陛下は砦の外へ出てきたんだ?)
とも考える。理由なく無謀な行動を取る男ではない。マルスが自分の身を顧みないなど、余程のことがあったときーー恐らくファーリアを見つけたから、安全な砦から危険な前線へと降りてきたのだ。もちろん、願望が見せた幻影や、見間違いという可能性もある。だが、マルスに限ってはそういった誤ちはほとんどしない。洞察力と決断力に優れ、勘は当たる。だからこその傑物なのだ。
スカイはマルスの視線の先を追った。だが、もうもうと砂煙が立ち込めるばかりで、何も見えなかった。
「ファーリアがいたんだ」
マルスはもう一度行った。スカイには否定する言葉がなかった。
「……陛下。中隊をひとつ付近の捜索に充てますから、陛下はまた風が強くなる前にお戻りください。ここは敵地です。今ここにいる軍で最も砂漠に強いのは、我軍でもダレイ軍でもない、『インドラの戦士』なんですよ?」
「あんたに会いたかった」
顔に巻き付けたターバンの間からのぞく、シンの冷たい灰色の瞳が、怒りに満ちている。
「はっ!俺から逃げたのは、てめえじゃねえか」
カイヤーンは口の端を歪めて笑った。立ち上がりかけて、「うっ」と呻いて膝をついた。先程止血のために巻いたターバンに、新しい血が滲む。
「ああ。あんたの下で養われてると、死にたくなったからな」
座り込んだカイヤーンの首元に、シンは剣を突きつけた。
「砂嵐が好都合に、あんたを兵隊から引き離してくれた。しかも手負いときている」
「俺を殺すのか?チビのお前を育ててやったのに?」
「好きで育てられたんじゃない。あんたが俺を人質にして連れていかなければ、母上と共に暮らせたんだ。俺の家族は、ここでーー」
顔を上げると、砂煙の向こうに黒々とした影が見える。砂漠街道21ポイント。かつてシンの父が駐屯していた砦。
「バラバラになったーーお前らは、ここで、俺の父を殺して……俺のーー俺の全部をーー壊した」
感情を抑えきれず、シンの声が震える。
「……ちがう……父上を殺したのは」
シンは剣を突きつけたまま、片方の手で顔を覆った。
「ーー俺だ。俺が、知らなかったから……ああ、あ……知ってたら……知ってたら」
ターバンが崩れ、血が滲むほど噛み締めた唇があらわになる。怒りと後悔の、どちらが自分の本当の感情なのか分からずに、混乱する。
「知っていてもやってたさ。そうしなきゃお前ら兄妹は、もっと酷い目に遭ってた」
ふっ、とシンの顔から表情が消えた。意思から切り離された殺意が、シンを支配した。
「やめて!」
カイヤーンに刃が届く寸前で、シンは体ごと真横から押し倒された。
「シン、やめて!だめ!」
ファーリアがシンに取りすがり、押さえ込む。
「くそ、離せ!」
「だめだ、シン。落ち着いて!」
「お前もこいつらの仲間なのか!?あのとき、お前は俺たちを助けに来たんじゃなかったのか」
「ええ、そうよ。わたしはあなたたちを助けようと、あの男と戦って、殺した」
そしてファーリアは、その後長い間、悪夢に苛まれることになったのだ。殺した男の亡霊に。
「感情に委せて殺してはだめだ、シン」
「国軍のアトゥイー。お前はどっちの人間だ?」
シンはファーリアの両腕を掴んで詰め寄った。
「おい、よく聞けよ。あんたがいた傭兵隊が助けに来るまでの数日で、砦の中はめちゃくちゃにされた。母は犯され、捕虜たちは毎日数人ずつ殺された。生きたまま灼熱の砂に埋められて」
その惨状はファーリアも見て知っていたが、黙って聞いていた。間近にあるシンの顔は、怒っているのに泣きそうだ。マルスによく似た、だけどまだ幼さの残る顔。
「あの塔のてっぺんから落とされた者もいた。国王への見せしめだと、あの男は言った。俺も父も、王なんかじゃないのに」
塔を指差すシンの手が震えている。ファーリアは遣る瀬無い思いでシンの腕を掴み返した。あれは5~6年前のことだったか。シンはまだ10歳かそこらだったはずだ。幼い子どもの心を壊すには十分すぎる惨劇だろう。
「この国で、砂漠に生きる遊牧民は人間じゃねえ」
おもむろにカイヤーンが口を開いた。
「……族長は、もっと陰惨なものを見てきた。そんな族長を、俺には止められなかった。遊牧民の中には同じように国軍に恨みを持つものは大勢いた。親兄弟を殺され、妻子を辱められ、僅かな財も奪い尽くされた。部族まるごと焼き殺された者もいた。自分の命と代えても復讐を遂げると誓った者たちが、大勢いたんだ。悪いのは王家と欲にまみれた辺境伯どもだ。お前らに罪はねえよ。だが、大切なものを奪われた人間は、相手も同じ目に遭わせてやりたいと思うのさ」
決して大声ではないのに、暴風の中でもカイヤーンの声はよく聞こえた。いつの間にかカイヤーンが風上に回っていたことに、ファーリアは気付いた。絶え間なく吹き付けてくるのは、風ではなく砂だ。風下から風上へ攻撃するのは容易なことではない。戦闘に関しては、たとえ傷を負っていてもカイヤーンの方が一枚も二枚もうわてだ。
「王は遊牧民から人としての権利を奪った上で、各地の辺境伯に処遇を委ねた。奴らにしてみりゃ、俺たちはタダで手に入る労働力だ。奴らは遊牧民の部族を次々と奴隷にした。誰もそれを罰しなかった。俺たちは王国に守られない民だった。死ぬまで虐げられ搾取される、家畜同然の扱い。ファーリア、お前もそうだろう。お前は人じゃなかった。奴隷の烙印を押され、毎日鞭打たれてきたんだろうが」
鞭、と聞いて、シンは以前月明かりの下で見たファーリアの背中の疵痕を思い出した。
「族長は自分の過去を語るような男じゃなかった。ただ一度だけ、結婚したその夜に一族ごと滅ぼされた、と聞いた。花嫁とはそれきりだったと。花嫁の名はカナンーーお前の母親だ」
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