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ミニ園遊記
【おなまえ】
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パロディ「幼稚園」
天ノ下幼稚園、蓮組はいつもにまして賑やかであった。何故かと言うと、今日は園長である超越者先生が園児たちの所に顔を出しているのだ。
「いいかい皆、自分の物にはしっかりと名前を書かないと、どっかに行っちゃうんだぞー? だから、みんなしーっかり名前を書こうねっ!」
超越者先生の言葉に、園児たちは「はーい!」と元気よく返事をした。
蓮組の白刃くんは、とってもいい子。だから、園長先生の言葉をしっかりと聞き、理解した。
とことこと、園児のお片付けを手伝う尖岩先生の所に行き、声を掛ける。
「せんがん先生」
「お、白刃。どうした?」
振り向いた先生に、白刃は「目、つぶって手をだして」と要求する。もしかして何かくれるのだろうか、内心ワクワクしながら言われた通りに目を閉じ、手を出す。
その時だ。手をひっくり返され、キュ、キュゥ……という聞き覚えのある音が耳に届き、若干の嫌な予感が現れる。
もういいよと言われ目を開けると、白刃くんの手には見覚えのある黒いペン(油性)が握られており、そして自分の手には何とも綺麗な字で「しらは」と書かれていた。
「ちょうえつしゃがじぶんの物にはなまえをかけっていってた」
「先生、おれのもの。だからなまえかくの」
ごく普通にそんな事を言うと、綺麗に書けた文字に満足した様子で立ち去る白刃くん。
「油性か……」
尖岩先生は、手の甲に書かれた綺麗な文字を見て、どうしたモノかと考えた。
天ノ下幼稚園、蓮組はいつもにまして賑やかであった。何故かと言うと、今日は園長である超越者先生が園児たちの所に顔を出しているのだ。
「いいかい皆、自分の物にはしっかりと名前を書かないと、どっかに行っちゃうんだぞー? だから、みんなしーっかり名前を書こうねっ!」
超越者先生の言葉に、園児たちは「はーい!」と元気よく返事をした。
蓮組の白刃くんは、とってもいい子。だから、園長先生の言葉をしっかりと聞き、理解した。
とことこと、園児のお片付けを手伝う尖岩先生の所に行き、声を掛ける。
「せんがん先生」
「お、白刃。どうした?」
振り向いた先生に、白刃は「目、つぶって手をだして」と要求する。もしかして何かくれるのだろうか、内心ワクワクしながら言われた通りに目を閉じ、手を出す。
その時だ。手をひっくり返され、キュ、キュゥ……という聞き覚えのある音が耳に届き、若干の嫌な予感が現れる。
もういいよと言われ目を開けると、白刃くんの手には見覚えのある黒いペン(油性)が握られており、そして自分の手には何とも綺麗な字で「しらは」と書かれていた。
「ちょうえつしゃがじぶんの物にはなまえをかけっていってた」
「先生、おれのもの。だからなまえかくの」
ごく普通にそんな事を言うと、綺麗に書けた文字に満足した様子で立ち去る白刃くん。
「油性か……」
尖岩先生は、手の甲に書かれた綺麗な文字を見て、どうしたモノかと考えた。
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