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前世で武神と呼ばれた男、冒険者ギルドを作る①
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ラゴールの町に着いた翌日。
俺、ハッカ、ソリスは冒険者ギルド設立の許可書を役所で発行してもらい、領主であるラゴール辺境伯にギルドを設立するためのサインをもらいに行ったけれども、
「悪いが素性の知れない人間達を敷地内に入れるわけにはいかない」
屋敷の門番に門前払いされていた。ちなみにもう一人、門番がいたのだが、屋敷の中に向かってしまった。
「オレ達はこの許可書にサインが欲しいだけじゃんかよ。これを領主に届けてくれるだけでいいから頼みます」
ハッカは紙を門番に突きつけていた。
「冒険者ギルドの設立か……だが、そんなもんを知らない人間にほいほい許可出してたらギルドが乱立してしまうだろ。せめて、ある程度、名声を高めてからくるんだな」
門番は面倒くさそうに手のひらを下にして振る。
「ヒュー君なら、屋敷に忍びこめるよね~」
「その手があったか! 俺ならちょいっとジャンプすれば、屋敷の天井に飛び乗れるしな」
「おい! 妙なことを考えるなよ! 忍び込んだら地下牢にぶち込んでやるからな!」
俺とソリスの会話に割って入った門番は血相を変えていた。
俺一人ならいいが、無暗に貴族の家に侵入すればソリスとハッカに迷惑がかかる。
「おーい、ちょっと待ってくれ!」
そうこうしているうちに屋敷に行った門番が帰ってきた。
「どうしたんだ?」
「エドゥアルド様からこの者達を応接室に案内しろと仰せつかっております」
「えっ!? どうして急に!?」
ここにいた門番は戸惑っていたが、もう一人の門番に耳打ちされたあと、
「……え……あ、先程、不躾な態度をとってしまって申し訳ございません」
怒っていた門番は態度を変えて、俺達を敷地内へと誘うように手を屋敷の方へと差し出した。心なしか俺の方を見て怯えた表情をしている気がする。
「なんか、よく分からんが入れるようになったな」
ハッカを俺の方を振り向く。
「これで目的は果たせそうだ、良かった良かった」
俺は一安心し、皆と一緒に屋敷の方へと向かった。
屋鋪の前に着くと執事と思われる男性が玄関を開けてくれたので、室内に入った。その後、執事の人が前を歩いて応接室まで案内してくれた。
応接室は豪華絢爛な家具が揃う部屋だ。ちょうど三人が横並びで座れるソファーにソリス、俺、ハッカの順で座った。
前方にはテーブルを挟んで、同じタイプのソファーが置いてあった。
そして、しばらくすると、ドアが開いた。
現れたのは銀髪ロングヘアの中年だ。威風堂々な佇まい。スーツの上からでも分かる盛り上がった胸筋。貴族でありながら戦いを生業にしてきた男だということが一目見て分かった。
「待たせたしまってすまない。私がラゴール領の領主、エドゥアルド・ラゴールという者だ」
男が自己紹介すると、ハッカとソリスは立ち上がって口を開く。
「オ、オレの名はハッカ・トロフィムです」
「私はソリス・イヴァンナといいます」
二人共、少々、緊張しているようだ。
俺も続いて立ち上がって自己紹介をする。
「ヒューゴ・ブラックウッドです。エドゥアルドさん、良かったら、今度、俺と戦ってください」
「オマっ! いきなり何言ってんだ! す、すみません、オレから謝るように言っておくんで」
ハッカは両手で俺の頭を押さえて無理やりお辞儀させていた。
「ついつい、強そうだったから、勝負したくなったんだ。しょうがない」
「しょうがないことあるか、相手は貴族だぞ。機嫌を損ねたら首をはねられる可能性だってあるんだからな!」
「いや、よい」
俺とハッカがわちゃわちゃ騒いでいると、エドゥアルドは手のひらを向ける。
「それより、お前達と話がしたい、早く席に着きたまえ」
「は、はぁ……」
ハッカは拍子抜けたのか気の抜けた声を出していた。
それから、俺達は席に座り直す。俺達は領主に用件があって来た。しかし、領主の口ぶりからして俺達に対して言いたいことがありそうだった。
俺、ハッカ、ソリスは冒険者ギルド設立の許可書を役所で発行してもらい、領主であるラゴール辺境伯にギルドを設立するためのサインをもらいに行ったけれども、
「悪いが素性の知れない人間達を敷地内に入れるわけにはいかない」
屋敷の門番に門前払いされていた。ちなみにもう一人、門番がいたのだが、屋敷の中に向かってしまった。
「オレ達はこの許可書にサインが欲しいだけじゃんかよ。これを領主に届けてくれるだけでいいから頼みます」
ハッカは紙を門番に突きつけていた。
「冒険者ギルドの設立か……だが、そんなもんを知らない人間にほいほい許可出してたらギルドが乱立してしまうだろ。せめて、ある程度、名声を高めてからくるんだな」
門番は面倒くさそうに手のひらを下にして振る。
「ヒュー君なら、屋敷に忍びこめるよね~」
「その手があったか! 俺ならちょいっとジャンプすれば、屋敷の天井に飛び乗れるしな」
「おい! 妙なことを考えるなよ! 忍び込んだら地下牢にぶち込んでやるからな!」
俺とソリスの会話に割って入った門番は血相を変えていた。
俺一人ならいいが、無暗に貴族の家に侵入すればソリスとハッカに迷惑がかかる。
「おーい、ちょっと待ってくれ!」
そうこうしているうちに屋敷に行った門番が帰ってきた。
「どうしたんだ?」
「エドゥアルド様からこの者達を応接室に案内しろと仰せつかっております」
「えっ!? どうして急に!?」
ここにいた門番は戸惑っていたが、もう一人の門番に耳打ちされたあと、
「……え……あ、先程、不躾な態度をとってしまって申し訳ございません」
怒っていた門番は態度を変えて、俺達を敷地内へと誘うように手を屋敷の方へと差し出した。心なしか俺の方を見て怯えた表情をしている気がする。
「なんか、よく分からんが入れるようになったな」
ハッカを俺の方を振り向く。
「これで目的は果たせそうだ、良かった良かった」
俺は一安心し、皆と一緒に屋敷の方へと向かった。
屋鋪の前に着くと執事と思われる男性が玄関を開けてくれたので、室内に入った。その後、執事の人が前を歩いて応接室まで案内してくれた。
応接室は豪華絢爛な家具が揃う部屋だ。ちょうど三人が横並びで座れるソファーにソリス、俺、ハッカの順で座った。
前方にはテーブルを挟んで、同じタイプのソファーが置いてあった。
そして、しばらくすると、ドアが開いた。
現れたのは銀髪ロングヘアの中年だ。威風堂々な佇まい。スーツの上からでも分かる盛り上がった胸筋。貴族でありながら戦いを生業にしてきた男だということが一目見て分かった。
「待たせたしまってすまない。私がラゴール領の領主、エドゥアルド・ラゴールという者だ」
男が自己紹介すると、ハッカとソリスは立ち上がって口を開く。
「オ、オレの名はハッカ・トロフィムです」
「私はソリス・イヴァンナといいます」
二人共、少々、緊張しているようだ。
俺も続いて立ち上がって自己紹介をする。
「ヒューゴ・ブラックウッドです。エドゥアルドさん、良かったら、今度、俺と戦ってください」
「オマっ! いきなり何言ってんだ! す、すみません、オレから謝るように言っておくんで」
ハッカは両手で俺の頭を押さえて無理やりお辞儀させていた。
「ついつい、強そうだったから、勝負したくなったんだ。しょうがない」
「しょうがないことあるか、相手は貴族だぞ。機嫌を損ねたら首をはねられる可能性だってあるんだからな!」
「いや、よい」
俺とハッカがわちゃわちゃ騒いでいると、エドゥアルドは手のひらを向ける。
「それより、お前達と話がしたい、早く席に着きたまえ」
「は、はぁ……」
ハッカは拍子抜けたのか気の抜けた声を出していた。
それから、俺達は席に座り直す。俺達は領主に用件があって来た。しかし、領主の口ぶりからして俺達に対して言いたいことがありそうだった。
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