半監禁結婚

にくだんご

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私は今の華が幸せとは思えない。やっぱり言葉には限界があるよ。

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華から3日ぶりに電話がかかってくる。
「椿、、、。」
「華!お前3日も無視しやがってええ。」
「ごめん、ちょっとバタバタしてたの。」
「バタバタ?」
「今、一人暮らしを始めたの。」
「は!?え、離婚したの?」
「離婚は、怖くて。別居してる。」
「住所送って。今から行くから。」


新築のマンションの一室だった。郵便受けを見ると、手紙が5通ほど。丁寧に華の名前が書かれている。ついでに持っていった。
インターホンを鳴らすと、やつれた華が出てきた。
「あらあ、ダイエット?」
冗談ぽく言う。華は無理に笑っている。それを見て辛くなる。何故ここまで華が追い詰められなくてはならないのか。
部屋は閑散としていた。
「自分の物があんまりなくて。」
「これ、手紙入ってたんだけど、、」
華の顔が強張る。受け取る手が震えている。その手を掴んでソファへ座らせる。
「何があったの。ゆっくりでいいから、話して。」
華は滅多に泣かない。クラスの女子から半年近く嫌がらせを受けた時も、彼氏に振られた時も、母親から1ヶ月家から出してもらえなくても、泣かなかった。その華が泣いている。苛立ちを覚える。
「私を、抱けないの。児江さん、勃たないの。下着もだめだった。私が努力しても、だめみたい。」
「それであのブスとは出来たん?なんか、理由があるんじゃないの。」
「話してくれない。しようとして、ダメって分かるとその日は別の部屋で寝ちゃうの。」
「別居しても解決する物でもないのに。」
そう言って部屋を見渡すと、手紙の山を見つけた。
「え、、、。」
開封済みの手紙を見る。
「拝啓、赤松華様。私達ファンの間で、本庄児江様は神です。そのような人をたぶらかすのはやめて下さい。さっさと別れて、年相応の生活をして下さい。」
「は、、、?」
どの手紙にも同じような、嫌がらせとしか思えない内容が書いてある。アバズレ。ビッチ。本庄様にたかるな。大学名や住所を記入してあるものまである。
「華、、、。」
「うっ、、。うえぇ。」
洗面台に駆け込み、吐いてしまった。食べれていないのか、酸っぱい匂いがする。
「華!」
背中をさする。線の細い体が更に弱々しく、やつれている。肩や背中が骨張って来ている。
どうしたらこの子を、この人のために生きることしか知らない子を、助けれやれるんだろう。
「華、、、。華は、児江をまだ好きなの。ちゃんと、夫婦としてやっていきたいと、思えてるの?」
「わか、、らない。もう、愛してるのかも、愛されてるのかも、わからない、、、。」
「華、、、。」
肩を持ち、向き合わせる。
「離婚しな。」
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