165 / 311
80話 黒曜石村の殺人 ⑧:4
容疑者は全員、一度宴会場に集められた。
旅館の従業員もフォロワーズも。
憧礼神具はこのあと、どう犯人を【推理】したものかと悩んでいた。
「改めまして、私はこの黒曜石村旅館の女将です」
「誰かアリバイを立証できる人は?」
「私ができます!!というか女将さんも含めて旅館の従業員は全員二人ずつで動いていたので」
「どういうことです?」
「お客様の荷物を泥棒とか、最悪のトラブルが無いようにする為ですね」
「でもなぜ彼は一人だったのでしょうか?」
「吉田さんはその、いわゆる【地主のおぼっちゃん】でして」
「ほう?つまり従業員では無いのですね?」
「元々ここにあったキャンプ場に女の人を連れて来ていることが多かったですね……向こうのトイレが汚いからといつもこちらで旅館のを使っていました」
「今回も?」
「多分……客に嫌われるような人ではなかったので、無視していましたが」
「性格のわりに客には好かれていた?」
「女性にはふしだらでしたけど、旅館の中で問題を起こしたことありませんよ?あ、でも従業員がナンパされたらしいことは聞いてます」
「だから殺害を?」
「まさか!!アタシそんなことで殺したりしません!!!」
「あなたは?」
「アタシがそのナンパされた従業員です、でもアタシは食事を作る料理人です!!厨房にず~~っといました」
かなりの美人。これはナンパされていそうな顔だ。
「僕も料理人です、彼女が言っているのは本当です」
「……ワタクシも料理人でございます、事件が起きた時間帯は3人とも厨房におりました」
老婆というにはちょっとまだ早い女性も加わる。
全員が盗み予防にペアだった、嘘はなそう。
これはもう間違い無い。
犯人はフォロワーズであることまで確定した。
良子さんだよなぁ……で、だ。大元が耳打ち。
「どうだ?」
「旅館の人はシロ、犯人じゃない」
「つまりフォロワーズの誰か?」
「ああ」
「菫咲警視監、こちらの【憧礼神具】様もペアで行動されていたのなら犯行は不可能だと断言しています、帰っていただきましょう」
「そうだな」
「かえって、と言われましても」
「ここから特別な捜査になります、防音の部屋は?」
「宴会場でしたら外には声が漏れません、元々政治家の皆様がお話になられる場所でしたから」
「では彼らを連れてそちらへ移動します」
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。