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82話 黒曜石村の殺人 ⑩
ヘドロ:治療
「俺は治療しかできないぞ」
シング:若返りの銃
「これ使ったところで死なないし死因は毒殺と絞殺だぞ?」
良子:未来予知
「確定された未来が見えます、だからって男子トイレで二人も殺せるとでも?」
パンドラ:透明化
「(死体)」
アディクション:鑑定
「鑑定スキルっす、ツボとか絵画の作者名とか造られた年代が分かりますけどこんなん人殺す役に立つ訳ないでしょ?」
プッシー:炎
「見せるなら外でね、また火災報知器作動するし」
スクラップ:やわらかくする魔法
「コンクリートをゴムっぽい何かに変更できる」
ガラクタ:融合
「何と何でもくっつけることが出来る、人間でも……ま、俺がやったなら死体はもっと奇抜だろうな」
ポイズン:遠距離毒殺
「どう言おうが毒殺の無実は証明できないよ、だってどこにいても誰だって殺せるし……ただ、なんでわざわざ今日殺すのさ?僕が犯人だって言われるでしょ、嫌だよそんなの」
チーター:サイコキネシス
「俺を疑うのは分かるよ?でも俺のサイコキネシスは眼で見えている範囲以外は無理だ」
ノイズ:コピーイラスト
「見た事あるものを描けるよ、写真なくても一度見たらなんでも描けちゃう」
大元:チケット
「俺も一応、オウルに質問できるチケットなら……」
全員の魔法も出そろい、いよいよ議論が始まる。
「毒殺・考察ならポイズンとチーターいれば完結するね?」
「ノイズの指摘は確かにそうだが、それだとおかしな点が多すぎる」
「え?」
「まずポイズンの遠距離毒殺で殺した場合、男子トイレにパンドラがいる理由は?」
「え、チーターが協力したんじゃないの?」
プッシーが譲れないと口を挟んできた。
「僕とチーターは部屋が同じだからそれはないよ、僕がずっとそばにいたからチーターはありえないよ」
大元が口を開いた。
「見えなくても魔法なら何とかなりそうなものだが」
「オウル様でさえ見えない箇所のサイコキネシスは難しいのに」
「え、そうなのか!?」
大元が驚いているが言われてみればサイコキネシスを遠隔で、って見た記憶が無い。
「聞けばいいんじゃない?大元さんは聞けるんでしょ?」
「いや、嘘をつく意味はないな……」
となればそのポイズン・チーターの二人で犯行の線は消えた気がする。探偵として、とりあえずあっちの犯人から指摘していくか。
無関係とは思えん。
「気になることがあって」
「ん?」
「……あのさ、アディクションがトイレ盗撮してた犯人だろ」
「え」
「何もかも荒い最低画質、驚くほどの暗さ、それでもお前の鑑定スキルなら見えるんだろ?」
「……わーったよ降参、その、カメラだったら俺」
「犯罪な?」
「俺はただ犯行を止めたかったんだ、カメラを仕掛けたら犯人がためらってくれる気がして……でも意味なかったな」
アディクションのこの反応、覚えがある。
「誰かのこと庇ってるだろ」
「……」
探偵ごっこしてたが【結果】が出た。
「シングさんが睨んだ通りでした」
「犯人は【居間良子】さん、あなたですね」
「……はい」
居間良子の表情は、晴れやかなもの。
バレないように行われた犯罪だったようだが自供は早かった。
っていうか今どき画質がどんなにクソでも暗くても解析で犯人が誰かぐらい分かるっての。
科学捜査はそれほど進歩したのだ。
「……え、いや待ってくれ」
大元は犯人が居間良子では腑に落ちないらしい。
「何ですか?」
「あの短期間に魔法も使わず二人も!?」
「魔法なら使いました。パンドラさんを殺したのは私ですけど、もう一人を殺した犯人はパンドラさんです」
「でも誰にも見られずにどうやって?」
「炎でスプリンクラーが作動、音爆弾が起動、パンドラさんが死体を作る……その未来が見えていたのでそのタイミングでパンドラさんを殺しました」
「返り血とかどうしたんだ?」
「血が付かない刺し方を【予知】して、トイレから出た時に誰とも会わないタイミングを【予知】しただけです」
「ガムテープで雑に密室にした理由は?」
「別に、ただ事件になってくれれば良かったので」
それでも、まだ納得していない。
大元だけではなく、憧礼神具も納得できない。
良子がパンドラを殺す?たかがじゃないが、良子さんにとってはたかが泥棒な気がする。
「……動機は?」
「パンドラさんを殺すと都合が良かったので」
「え」
「私が生きているのは復讐の為、その為に殺しただけなので」
「パンドラのこと嫌っていた訳じゃないんだな」
「私は私の復讐を果たしました。これから先が楽しみですね」
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