【魔法使い】と【死にたがり探偵】~マイナス千点のミステリー~

宝者来価

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85話 レストラン地獄星①:2


 大元正義はオウル・ゲートに【オウル・ゲートが何でも嘘無しで答えるチケット】を貰い、食事のアポをとりつけた。

「ここか……」

 レストラン地獄星は東京にある【ホテル】の最上階に位置する展望レストラン。なのに貸し切り専門のレストラン。祝日など日付によっては800万をこえることもしばしばあるらしい。

 つまり超超超、高級店。

「ドレスコード良し、身だしなみよし、メモ帳良し」

 こうしてスーツ姿でホテルに入る、慣れないが潜入捜査として考えればおかしくない。
 ホテルだというのにフロントは1階には無い。
 1階に存在するのはエレベーターだけで、中に入って最上階のボタンを押す。エレベーターの上昇機械音が、ゴゴ、ゴゴと中に響く。
 最上階に辿り着く、扉が開いた瞬間オウルゲートの顔面。

「ようこそ地獄星へ」
「……地獄星、なるほど」

 星評価で星をつけるのもおこがましい。
 そんな気分にさせてくる。
 何度、オウルと出会ってもその圧倒的存在の前に跪かないのが苦しい。許されるなら今すぐ逃げ出したい。

「こちらのお席へどうぞ」
「ありがとうございます」

 店内は巨大な窓から夜景が一望可能。
 床には赤い絨毯が敷かれ、天井からはシャンデリアが何本も垂れ下がっている。
 
 

 白いテーブルクロスに並べられた食事。
 まるでオウル・ゲートに食べられるのに自分たちで本当にいいのかと戸惑っているかのようにさえ感じる。
 ワインに関してはもし安物であったならばシェフを殺してしまうかもしれない。衝動を抑えられるか自信がない。

「さて、魔法を一つ解除します」
「え?」

 その瞬間、オウル・ゲートに抱いていた畏怖が消えた。
 いや、今でも恐い存在である理解はしているがオーラが無い。
 有名な芸能人でも前にしているかのような感覚に変わった。

「何の魔法を解除したのでしょうか?」
「魅了です」
「……なるほど」

 今まで自分が感じていたものが魅了の魔法。
 納得した、確かに魅了されていた。
 だが魔法がなくなっても前の男にイケメンの感想は出た。

 ちょっとむかついた。結局、顔がいいのである。

「カンパイしましょう?」
「……乾杯」

 ワイングラスをぶつける。
 綺麗な音が響いて、お互いにワインを一口。
 これぐらいで酔いはしないがあまり飲みたくない。

「頂きます」
「頂きます」

 手を合わせる行為をするオウル・ゲート、思わず同じことをした。
 圧倒的な力だが考えは仏教に近いのだろうか。
 別に宗教がなんであれ食事に感謝することは珍しくないが。

 豪華な食事を共にした。

「美味しいですね」
「確かに」
「何の話題がいいでしょうか」
「それは……えぇと」
「個人的な質問をこちらからしても?」
「え、えぇどうぞ」
「良子さんの正義をどう思われましたか?」
「どう?」
「……あなたは愛する人に死にたいと懇願された時に手助けをするのかしないのか」

 これは、どうなのだろう。
 決断を先送りにすればポンチと結果的に同じ。
 楽にしてあげることは悪いことか、良いことか。

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