【魔法使い】と【死にたがり探偵】~マイナス千点のミステリー~

宝者来価

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13話 五角島殺人事件②:2

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「教授のドアプレートは教授でいっすかー?」
「ホルマリンでお願いします、ああそうだヘドロさんもドアプレート書いて下さいね」

 ドアにプレートをはめ込む場所がありそれぞれがドアに記載。
 似たような部屋ばかりなので間違えないようにと。
 一人一部屋、女性二人以外は全員個室。

「個室は気が楽でいいねぇ」
「女性を部屋に呼ぶのはやめてくださいよ?」
「えー」

 良子さんの部屋は【小木】に線が引かれて【良子】が書き足されている。良子さんって苗字【居間】だった気がする。
 ドアの隙間からは散らかった部屋の中も見えた。
 広い館で軽い掃除が終わった時刻はすでに15:41分。
 食堂に行くとケーキやクッキー、カラフルなゼリーなどが用意されていた。

「キャー可愛い!!動物だー!!それにきれい!!」
「これSNSにあげていいかな?」

 ゼリーはひよこの形をして女子高生ウケが良い様子。
 カメラで撮る二人、一方で俺はゼリーを食べた。
 美味しいには美味しいが市販のゼリー。
 なんて最高に【普通】なのだろう。

「ウェイ、ケーキばかり食べないで下さい」
「だって美味しそうだし!!あ、こっちもうめぇ!!」

 甘い物だけでなく、チーズクラッカーやフライドポテトなどが用意されていてウェイは美味い美味いと大量に食べている。
 ハゴイタさんは全部少し食べた後、無地のビスケットを食べた。

「おらこれが一番美味いと思うだ」
「何それチョー地味じゃん」
「料理は見た目より味だべ、いらないならおらがいっぱい食べるだ」

 館の掃除も終わったのだが、問題になった部屋が1階と2階に一つずつ。
 2階には鍵がないので開かない部屋。
 1階にはいわゆる骨董品の部屋。

「壺とか価値わからんなぁ」
「こっちの刀はかっこええな!!」

 骨董品の部屋にあった壺は価値が分からなかったがこんなに反りのない打刀(うちがたな)は珍しい。でも錆も酷い上に半分以上が鞘にしまわれている。普通こういう刀は鞘に入れて展示しない。せっかくのお宝なのに管理が雑だ。良子さんにとっては興味がないものなのかもしれない。

「ところでジーヤさん。一階にあった壺や鎧、刀剣が飾られた部屋は鍵などをかけなくていいのでしょうか?」
「前の主人が置いて行く程度の物ですし、重くて持ち出すのも大変ですから」

 屋敷の掃除も終わったし外へ。
 島の五芒星のうち一つだけ砂浜になっており昼と比べて潮が満ちてきているので見えている範囲が狭い。
 砂浜を歩いたり貝殻を拾ったりと皆それぞれ海を満喫している様子。

「ウンコの形した貝殻みつけたで!!」
「だからお前のアンチやねん!!」

 お笑い芸人組は貝殻を拾っている。

「その靴だと砂が入りません?」
「靴のサイズ大きいんで持ってくるの面倒だったんス」 
「荷物持ちとは言ったが着替えぐらい持ってきなさい」

 大学生と教授はヤドカリを追いかけていった。

「……(海を拝む僧侶)」
「ん?」

 ヘドロは頭を抑えてうずくまっていた。
 具合がまた悪くなったのが一目で分かるほど、顔が青い。
 海水でも飲んでしまったらこうなるだろうか。
 心配など微塵もしていないが病死は勘弁してくれ。

「ヘドロ様、どうされました?」
「ぴかりんさん、俺はまだ船酔いが残っているみたいだから部屋で休ませてもらう」
「夕食はどうなさいますか?」
「必要ない」

 これが普通のミステリーなら最初に死んでそう。
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