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36話 豪華客船アクア・プリンセス殺人事件⑨:5
しおりを挟むアクア・プリンセスの目玉、毎日のようにオペラやサーカスなどがあるのだが今日の催しは謎解きである。
大きなステージと赤い椅子。
ショーが始まった。
『なんと今日は皆さんにビッグダイヤモンドが展示されるとのことで!!いやーすごい輝きですね!?』
超巨大なダイヤモンドの偽物が展示されている。
プシュ―と白い煙がステージに向けて放たれる。
やがて舞台装置から出てきたのは仮面と黒いマントの男。
『はーっはっはっは!』
『あ、あれは怪盗リクジョー!?』
『ビッグダイヤモンドは頂いていく、私の変装を見破ることが出来たら返してやろう!!』
もう一度煙が出ると、舞台装置でビックダイヤモンドと共に舞台装置で退場。
『大変!!ビッグダイヤモンドが盗まれちゃった!!あ、あなたはかの有名な探偵さん!?この事件を解いてくれるのですね!?』
こうしてパンフレットに記載された指示に従って謎をといて船の中をめぐっていく。
最初のお題は【冷たい場所から光を見つめる無数の目、そんな彼らに足など無い】。
子供が叫んだ。
『水族館だぁ!!』
「じゃあ行くか」
「いいのかあれ?答え叫ぶって」
「大元、別に俺は解けてなかった訳じゃない。解けた問題なんだから答えを聞いても大人として紳士的に移動すべきだ」
「お?そ、そうだな……まだ子供だもんな」
憧礼神具はまだ解けていなかったが、探偵として見栄を張った。
移動すると今度は『料金300万の場所へ行くチケット』が配られていた。
「あ~、あれそういうことか」
「あれ?」
「いやな?パンフレットに覗き込みツアー300万ってかかれていた場所があって……ほらパンフレット、乗組員フロア300万」
こうして乗組員フロアに移動。
覗き込みツアーにチケットで参加。
望遠鏡を渡され、乗務員フロアを見る。
『医者に話を聞いて展望デッキへ行け』
「俺が話せばいいのか?」
「違うだろ……謎がとけない」
「ヘドロさんがいるし、先に展望デッキに行けばいいんじゃないか?もし医学的に専門用語がいるとかならヘドロさんが答えてくれそうだし」
「ま、何にせよ手がかりがないから行ってみるか」
展望デッキへ移動、ずいぶんエレベーターを使わせてくる。
とはいえエレベーターで移動すればすぐだ。
たどり着いた先には5人、首からプラカードを下げていた。
『私の症状は咳と熱です』
『私の症状は胸の痛みです』
『私の症状は骨折です』
『私の症状は頭痛です』
『私の症状は貧血です』
それぞれが色の違う紙を配っている。
やってきた青年が声を漏らした。
『たしか、肺に悪いものがある人だよな?』
『そうそう、ガンみたいな感じ』
いると思った。こういう人。探偵なんて推理とか気づくとかよりこうやって盗み聞くほうが遥かに多い仕事なのよなぁ。
「結局ヘドロ活躍しなかったな……喉乾いた」
「ヘドロさんはガンっぽい症状の人から紙もらってきてくれますか?私たちはあちらでレモンソーダ買ってきますから」
「分かった」
「ステージで合流しようぜ、レモンソーダ大元も飲む?」
「飲む」
こうして最後に怪盗リクジョーに紙を向けたのだ。
怪盗リクジョーは青い色が弱点で青い紙を向けられると弱るから。
ところがヘドロが持って来た紙は緑色だった。
「何で?」
「これじゃないのか?」
「明らかに胸の痛み訴えた人だろ」
「胸の痛み?」
「書いてあっただろ?」
「ガンの人間から紙を貰えばいいんじゃないのか?」
「え?」
「だってそう言っただろう、だからガンの人間から貰った」
俺たちは緑の紙を配っていた船員を慌てて探した。
『はい、なんでしょうか?』
どんなに変な話でも相手は警察官である。
「医者に行け!!」
『え?』
「とにかく医者にいけ……レントゲンを撮れ」
『わ、私がですか?』
「ここにいるのはウィザードの抱える名医さんでな、彼いわくあなたはガンだと言うんだ」
「どのあたり?」
「肺をレントゲンで取れば写る」
「忠告はしたぞ、いいな!?」
緑の紙を配っていた人は、ガンの早期発見で助かった。
俺たちは部屋で一息ついた。
歩き疲れたのだ、大元をのぞいて。
「どうして言わなかったんだ?」
「普段も言わない」
「え」
「前に、初対面の人にガンで死にますよって言ったら警察呼ばれかけた」
「その人、文字通り死ぬほど後悔してそう」
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