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リン・ゴールド編

31話 リン・ゴールド『COMMONEP』 八国同盟祭1

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COMMONEP?

英語のコモン(共通)からきているとすれば、シナリオ上強制的に発動するイベントかな?


――――――――――――――


休日、どうしようかと寮の自室にいるとノックの音

「はい」

扉を開けると、そこに立っていたのは

リン・ゴールドだった


「今日、出かけられるかな?」
「えっと、構いませんが……どこへですか?」
「ゴールド城、僕様の家さ」
「えぇ!?私がお城に招待されていいんですか!?」

私なんかが、何故?


「おーい」

ガンタが、リンの後ろから声をかけてきた

「どうしてガンタ様も?」
「八国同盟祭(はっこくどうめいさい)って分かるか?」
「ああ、一応は聞いた事が在りますね」

長年の争いが無くなり国々は『平和の祭典』を行うようになった
内容は毎年各国の王がパーティーを開いて残りの七国をもてなす、というもの
いくら虐げられてるとはいえ多少は耳に入ってくるお祭りだった

その日は妹が出かけているので、虐めに会わずに済む

「今年は僕様の国『ナカン』で行われる訳だ」

攻略キャラによって行われる国が違う奴っぽい


「ま、今年はストライクも招待するから九国だけどね」
「そのような集まりに私までいいんでしょうか?」
「はぁ?君は聖女だろう、どんな王家だって」
「本物の聖女、僧侶(プリースト)として皆に回復の魔法を見せてほしい」
「目立ちたくないって事もあるだろうが、クラスメイト皆行くのにユメカだけ行かないのはな……」

【行きます】
【行きません】

行きませんを選んでみた

「私はちょっと……」
「もう一度いってくれるかな?いくら愚か者でも行くべきだと分かるだろう?」

【行きます】
【行きません】

「どうしたユメカ?」
「やはり、行きます」
「ま、そうだろうね」

選択肢に見せかけて実は一本道、ってやっぱり違和感あるな
元々そういうゲームで【じゃあ選択肢を用意するな】って思ってた
どんなにおかしな道でも選ぶ人はいるものだから


「でも、遠くないですか?」
「魔馬車で移動する、費用は僕様の国がもつから安心するといい」
「ええと、馬車ではなく魔馬車なんてすか?」
「知らないのか?まぁいい僕様が教えてあげよう、馬でも何日もかかる距離を一瞬で移動できる馬車の事だ」

知らなかったが、確かに魔法学園への移動はすぐだった
フタギロに暮らしてはいたものの中心からは遠い場所に暮らしていた屋敷はあった
だから川でおぼれて、馬車ですこし移動した程度でたどりつくのはおかしいのだ


「そうだったんですね」
「さっさとしたくしてきなよ」




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