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リン・ゴールド編

44話 リン・ゴールドEP5X

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「どうしてこちらに?」
「調子が悪そうだったから、これを」

緑色の液体がお椀に入っている物を差し出して来た

「ええと?」
「解毒薬だよ、身体の中にまだ少し残っているかもしれないだろ?」


【飲む】
【飲まない】

「……えーと」
「どうかしたのかい?」
「先ほど、睡眠薬を頂いて飲んでいるのですが(大嘘)」
「は!?ちょっと待って!!どんな薬!?」
「睡眠薬って何種類もあるんですか?(すっとぼけ)」
「誰に渡された?」
「パレット様に具合が悪いようなら使えと」
「名称なにか言って無かった?」
「えーとヴァ〇ァリンとか言っていたような」
「聞いた事の無い薬だな……うん」

リンはそっと薬をひいた

「リン様?すみません、すごい眠くてそろそろ……」
「ああ、何かあるといけないし朝起こしにくる」
「いいのですか?」
「あの魔法を使った以上、僕様は責任を果たす必要があるからね」


出て行った廊下で声が聞こえてきた


「うん?」
「あら?」
「……クルリーナとパレット?まだ彼女の部屋に何か用事が?」
「この私をさしおいて生意気にも食事会のメニューを決めたと聞いた物ですから」
「別に彼女は大した事は言っていないのだが、彼女が聞かなくてな」
「それより彼女に飲ませた薬について教えてくれない?」
「……ええと、なんという薬の話だったかド忘れした」
「ヴァ〇ァリンって言っていたけれど」
「高価な睡眠薬ですわね」
「クルリーナは知っているのかい?」
「ええ、タテロール家やフタギロ王国ではよく使う睡眠薬ですわね、どちらかというと痛み止めなのですけども」
「彼女が辛そうだったので、偶然持ち合わせていた薬の余りを渡したんだ(大嘘)」
「人に余りの薬を渡すとか馬鹿なの!?……他所の知識ってこんなものか、そうだった」
「で、そこどいてくれます?彼女に言わなければならない事がありますの」
「彼女なら眠いって」


まずい、と思いドアから離れてベッドへ潜り込んだ

「ごめんくださいませ!あら?」
「……えっ」
「寝ていらしたの、まぁいいですわ!」
「起こしてすまない」
「どうかしましたか?」

ガチャリ

パレットが扉を締めた

「……よし、まず状況を確認するぞ」
「ログをみていたら中に入り込んだ、との事でしたわね?」
「うん」
「ここがリン様のログでしたら、一度リン様を攻略してしまうのがよいかと」
「パレットルートではなく?」
「恐らく、パレット様のルートにいくのは困難かと……」
「私はどう動けば?」
「『パレット』として動けばいいかと」
「所で食事会のごまかしどうしよっか?」
「プリンが食べたいですわ」
「……作れるかな?」
「出来るが、そんな簡単な物でいいのか?」
「フタギロにプリン売ってないんですわ」
「そうなんだ?」
「フタギロ出身の筈なんだが?」
「街はずれでは店が無いので」

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