宇宙人との規格外恋愛をした~愛されてるのは彼だけです~

宝者来価

文字の大きさ
4 / 50

4話 お昼休み

しおりを挟む

 お昼休みに皆が持って来た弁当を広げた。

「グジュグジュ?」
「えっと」
「俺ちゃん通訳してあげる」
「クロノさんありがとうございます」
「地球人はそれだけしか食べないのかってさ」

 おにぎり二つとタッパーが一つ、それとが一つ。

「地球人ならこの年でこれぐらいは普通ですよ」
「ゴボボ……ゴボボボボ『そんな幼さで一人で食べられるの?』」
「えーと、地球人は確か2歳ぐらいから自分で食べ始めたハズ」
「ブクブク!?」

 ショゴラさんに驚かれたことだけは分かった。泡すごい。

「地球人は成長がお早いですわね」
「まー子育てするほうからすれば楽かもね?」
「そんなことありませんわ、ワタクシの一番下の妹の可愛さみせますわね」

 なにやらスマホのような端末で見せてくれた写真。
 あのランドで写真撮影したかのような小さな子。
 確かにとても可愛い。

「すごく可愛いッ!!」
「地球人様なら分かってくださると思いましたわ」
「……カナちゃんって子供は好きなの?」
「可愛いですよね」

 できれば欲しかったなぁ前世で、いや父親が30で死ぬとか可哀想だわ。
 今回はもうね、諦めるしかない。
 仮に私に惚れましたーって人がいても、私がちょっと――騙しながらは辛い。

「変なもの見せていい?」
「見ないと分かりませんねぇ」
「ゴキブリに似た宇宙人」

 もし普通の女性であるならビンタしててもおかしくない。
 ただ、俺――間違えた私は大の宇宙人好き。
 地球人は苦手だと教えてあげるべきか否か。

 似ていると言っても、世界的な扱いとかがゴキブリみたいに嫌われてるのかも。

「見せてほしいな」
「この子たちなんだけど」

 触角のある双子ちゃん、確かに頭の黒い触角だけは似てるかも。
 これはノアリー星人かな、まだ子供なのか背が小さい。
 写真なら前にも見たことあるし、可愛いかな。

「可愛いですね」
「ゴボボボボッ!?」
「なんてものを見せてますの!?」

 可愛いなとしか見えないんだけど、何か嫌なんだろうか。

「ゴボ……」
「だってノアリー星人は他の惑星の生き物の生きた体内に卵を産み付けるんですの」
「え?」
「お腹を食い破って出てきますし、そのまま繁殖すれば惑星は崩壊しますわ」

 確かに嫌がられる理由は分かった気がする。
 ようするに寄生虫みたいな繁殖方法が嫌われてるのね。
 お腹を食い破って出てくるのは確かに私も嫌だ。

 そもそも人の身体で繁殖すな。

「地球人は嫌がらないとは聞いてたけどねぇ」
「このお二人は?」
「地球人の言うところの義理の子供たちって奴」
「え」
「娘のハルキシカと息子のヌアグヌイ」

 軍人、子供、義理。あ~はいはいよくある奴ね。
 戦場で仲間の子供を預かるって約束しちゃうとかさ。
 あるいは敵の惑星を滅ぼしたあとのいきのこりを引き取っているかも。

「でも、どうして置いてここに?」
「戦場に子供連れてくる親がいるなら撃ち殺したいねぇ」
「地球が戦場なんですか!?」
「まぁ、世界の崩壊を食い止める任務でここにいるし」

 さてはゴド星人が何か関係あるかも。
 クロノさんはサングラスで視線がどこに向いているか探れない。
 でも、私が余計な真似しないほうがいいかなー。

「やはりそうでしたのね、惑星タイムの軍人様」
「まー仲良くやってくれると嬉しいかな」
「そのご飯はタイムの?」
「時間なくて軍食、嫌だったらごめんね?」
「これがタイムの戦闘糧食……!!」

 ちょっと食べてみたいけど、初日からお弁当交換しようはさすがにね?

「カナちゃんっておなかすいてるのに我慢してる?」

 ちょっと人のお弁当を見過ぎたかも。

「あ、いえ、ただ宇宙軍さんの戦闘糧食――って通販で買えるかなぁと」
「そんな重要じゃないし、ほら、通販サイト【ナイル】で買えるわよ」
「ほんとだ!!」
「いっぱい持ってるから欲しければあげるよ」
「えと、食料は任務に必要だですし簡単に譲らないほうが……」
「そうよねぇ『軍人の食料を奪った』なんて誰かに言われでもしたら外交問題だもの」

 善意でも確かに駄目だよね、惑星の軍人が支給されてる物だし。

「その程度なら問題ないんだけどなー」
「また今度通販で買いますね」
「もー、ドジっ子ねぇ」

 なんだ、ゴド星人さんも注意してくれてみたいで良かった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。

汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。 元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。 与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。 本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。 人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。 そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。 「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」 戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。 誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。 やわらかな人肌と、眠れない心。 静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。 [こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...