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11話 初めての願い
しおりを挟むアックに突如現れたミコ・テンシさんも帰って、私たちも帰ることに。
「なぁカナ、ラータテに戻ったほうが」
「……先生に相談だけはするよ」
「だな!! ヒコ先生ならきっと、今の状態もなんとかしてくれる、はず」
ゴド星人の不気味さは私もダシちゃんも【理解した】。
なんというか、この宇宙に存在しちゃいけない力だ。
気まぐれを起こされたら一瞬で星が破壊されてもおかしくない。
クロノさんが家まで送ってくれた。
「もし不安なら俺の軍用船に泊まるとかもできるけど?」
「いえ、大丈夫です」
「……ヒコの足はちょっと時間かかるかも、あの子に悪いことした?」
「むしろ嬉しがってましたよ、ヒコ先生の足が良くなるって」
「そっか、おやすみ地球人ちゃん」
こうして別れてヒコ先生ヘと電話をかけた。
「もしもしヒコ先生、今は通話大丈夫でしょうか?」
「☆平気だ、それより……何かがあったのか?☆」
「ゴド星人がやけに接触してきて、それで、その」
うまく説明できないけれど、漠然と、相手が強すぎて手に負えないことは分かる。
相談しろっていうけどこれ先生がどうにか出来るんだろうか。
赤ちゃんと戦車5000台ぐらい力に差があるような気がする。
「☆変なことをその、聞きたい☆」
「何でしょう?」
世界崩壊を感じたか、みたいなことだろうか。
簡単に世界崩壊が開始されそうな予感はあった。
確かに変なことだし、先生が困るのも分かるよね。
「☆彼氏はいるか?☆」
「……いません!!」
「☆スタシスと結婚――いや、しかし☆」
「え?」
「☆もしスタシスを魅了してオトせれば全員助かるなら、やるか?☆」
そうか、ヒコ先生はクロノ・スタシスさんの強さを信じてるんだ。
結婚して嫁になった相手なら守ってくれるだろうと。
軍人だから1人だけを護るなんてわけにもいかないよね。
それどころかクロノ・スタシスさんの任務に【まさか】がある。
例えばゴド星人を地球ごと消滅させにきた可能性。
惑星タイムの軍人がどれほど冷酷か、というのは習った。
で、ヒコ先生が困ってると?
「やります!!」
「☆……もし他に好きなヤツができたら、教えてくれ、そいつと一緒に逃がすから☆」
「俺なら大丈夫だから」
「☆気を付けろー前世でてるぞ☆」
「おっと」
先生には前世のことを話しているし、信じてくれた。
驚いた顔をしていたけど世界は何度も造られては壊れているらしい。
この世界が壊れないように軍人をしていたから信じるのだと。
「☆俺はスタシスのことを救いたい、カナちゃんなら任せられる☆」
「……なら、やることは決まりですね!!」
通販で買ったタイム星人の無精卵、食べてたら引かれる……よね?
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