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93話 サバイバル 中編
しおりを挟む異世界転生なのに漂流サバイバルが始まった人は俺の他にもいるのだろうか。
「はやく布団について考えないとさらに冷え込むわよ?」
「【スキル:透明な盾】よし」
「ラップ……?」
100円で売っているような質の少し切れにくいラップ。
しかし体に巻き付ければかなり寒さを防ぐことができるとテレビでやっていた。
動きにくかったが寒い夜をどうにか乗り越え翌日の朝。
「まだ寒い……が、動かないと飯がねぇッ!!」
気合で起きてまだあるツチノコをさばいて乾かしていた木で焚き木。
また木をかじるティラノ。
俺に遠慮せずに美味しいもの持って来ていいよと伝えたのだが。
「いいものに食べなれると後で辛いから」
「昔に何かあったのか?」
「ここ、アタシのふるさとなの」
「え?」
「火山が噴火して、なにも備えてなかった島の人たちはアタシだけ残して死んだわ」
「……まじか」
唐突に重い過去をぶっこんできたな。
異世界転生者たちにとっては普通かもしれないが俺はまだヒヨッコだぞ。
でも続きが気になる、お年寄りが過去にあったことを話してくれてる感じ。
「ノアだって――もっと自分を大事にしてくれたら死ななかったのよ」
「え?」
「あんたが食べるのもおろそかにしてたせいでレイニー泣きそうだったじゃない!!」
最近レイニーが外国の顔文字:Dみたいな顔をするなとは思ってはいたが泣きそうな顔だったのか。
忙しくて構って貰えないからスネてるのかな~と。もうちょい分かりやすい顔してほしい。
「悪かったって」
「おしゃべりしている暇なんかないわよ? さっさと火をおこして水を確保」
「は、はいッ!」
ティラノの的を得たお叱りを受けて生き残る修行に気合いを入れた。
なんとか枯木を見つけてラップや土器で水を確保。
食料を探す為に島の中を少し散策。
木の皮を剥がせはするが食用にはできなさそうで焚き火の原料にした。
「あっ」
島の人が使っていたであろうボロボロの道具が地面に刺さっていた。
錆だらけだが魔物と戦う槍、あるいは魚を突く銛のどちらかだろう。
地面を少し掘って取り出して【スキル:クレンザー】をかけると使えそうになった。
かといって俺はあまり泳げないので魚よりも魔物を狩るほうがいいか?
「魚――うん、魚!」
魔物なんて本来は出会うことを避けるべき。
サバイバル番組で熊に出会って肉を採ろうなんてしない。
魚であれば俺でも狩れる。
服が濡れると困る。俺は躊躇なく慣れた全裸になり海に飛び込んだ。
波が穏やかで海も透明、しかし魚が速すぎてとても捕まえられそうにない。
「【スキル:ライト】」
岩陰に隠れている魚に光を発射することで出てきた所を銛で突く。
一匹だけだが充分な収穫だからと海岸に戻ろうとしていた―――ら
ティラノさんに持たれて俺は既に海から上がっていた。
「え?」
「あんた、アレ気が付いてなかったでしょ」
『シャーーーーーク』
鮫に気が付かずに喰われるところだったのか。
助けてもらえなかったら死んでいた。
鮫の鳴き声ってシャークなのか。……違う、あれ魔物だ。
「今襲ってきた魔物、食べられるわよ」
「狩れと!?」
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