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23話 科学者
しおりを挟む「えっ」
先ほどまで、自分の部屋にいた筈なのに一瞬で街の中で城と続く大橋へと来ていた。
屋台や店も並ぶような大きな橋だが、巨大な建物が無いぶん周りがよく見える。
魔王は見当たらず兵士長や他の『勇者』が傍にいる事から、なんとなく状況はよみとれていた。
「 今晩は 」
時間は夜だというのに、黒いパーカーのような服がハッキリと見えた。
それだけではなく長く美しい白い髪に金色の目が妖しく光る。
「下がってください、王妃!」
「彼が?」
6024以外の動きは、呪文らしきもので止められた
「―――っと、すみませんね?顔が有名なもので、手土産の一つを渡すのにも一苦労だ」
「手土産って何ですか?」
「こちらですよ、王妃様」
箱を受け取り中身をあけようとしていると魔王が文字通り空を飛んできた
「貴様っ!!」
「では私はこれにて、生ものですのでお早めに」
「あ、うん」
途端に男はザアと音を立てて灰となり崩れていき、小さな宝石がカツンと地面に落ちた。
「やはり分身か、クソッ!!」
「何かな」
王妃は気にせずに中身を開ければ、虫が大量に入っていた。
「うげぇ!!」
魔王と共に来たヘリウズが嫌なを顔した、だが
「美味しそう!」
「何いってるんだ王妃!?」
「……ジンコウチュウですね、なんでこんなイイモノを」
「お前も何言ってんの?」
勇者たちは唾をのんだ、まるでそこに焼かれた高級な肉でもあるかのように
「毒が入っているかもしれんだろ、食べるなよ」
だが、誰が見てもその表情は『美味しそう』と餌を垂らされた馬であった
「おいおい、王妃様そんなもの喰いたいのか?」
「毒見してくれる!?」
「いや……俺は、その」
「では私が毒見しますよ」
6155は虫を食べた、そして
「美味しいですね」
勇者でかつて誰も見た事が無い幸せの表情を浮かべた
「……おねがい魔王様、どうしても食べたいっ!」
「ぅぅぅぅぅッ――――――!!、仕方ない、一匹だけなら」
「魔王様なんでそんなものを」
王妃までもが虫を齧るのは、この世界に産まれた人々には狂気に思えた
だがしかし、旧世界で人類のご馳走といえば『ジンコウチュウ』である
栄養だけではなく味もよく、人間がよく食べていた『肉』というのはこれを差す。
転生してきた魔族や勇者たちは羨ましそうにそれを眺めていた。
「ほら、ヘリウズも食べます?」
「いや俺は」
「王妃のおススメですよ」
「一人占めなんかしないよぉ……美味しかった」
「ご好意です、喰べなさい」
「王妃の護衛として、ここで下がる訳には……ぐっ!!」
そして、虫を食べると
「え、美味い?」
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