25 / 60
25話 犠牲者
しおりを挟む
6155と6024は机を囲んだ
「それで、私に何の相談が?」
「ゼルディンさんについて聞きたい、教えてくれる?」
「先にこれを教えてください、魔王様に聞かない理由を」
「悪者って彼は言っていたけど、悪とか正義とか抜きにして彼について出来るだけ教えて」
「……分かりました」
それはこの国よりも遙かに寒い北の国で、ミナト(魔王・魔法使い)、6155(勇者・魔法も一応使えはする)、ヴァイド(医者)、イチ(変わった魔法しか使えない)、ヘリウズ(魔法のつかえない魔族の剣士)、ミミ(武闘家)、フリル(動物に変身出来る魔法を使う姫)
そのメンバーは国々で発生している病気について調べていた。
手や足が痛みで動かせなくなり、徐々身体が変化して死んで行くというものだった。
原因は何と全て一人の男が仕組んだ事だと突き止めた。
男は研究施設を作り病気や人間、魔法とあらゆるジャンルについて世界中からさらったり買ったりして来た身寄りの無い子供や旅人、罪人などで人体実験をしていた。
研究施設は北の洞窟であり、寒さが凄すぎて人が訪れず目立つ事は無かったのだが魔王や仲間なちの活躍でようやく特定して、激しい戦闘を繰り広げた後に魔王がゼルディンも研究施設も焼き払った。
「まぁ、ざっとこんな感じです」
「6155は毒見役を躊躇しなかったよね」
「ずっとアレ食べてみたかったので」
「だとしても敵が差し出した食事を何の考えも無しに兵士長が口にするとは思えないな」
「私はAシリーズに偏見があったようですね、随分と鋭敏な方だ」
「確信していたんでしょ?彼が毒を盛らないって」
「……」
XX年前
闘いの中で仲間たちと引き離されて、6155は牢獄に囚われていた。
「貴方がばら撒いたのは『ウイルス』では無いですね」
「よく気付きましたね」
風邪のような流行り病で、身分の低いものたちよりも王族・貴族が先にかかるなどおかしいのだ。とすれば伝染病の線は薄いと調査していて治療薬そのものが病気を引き延ばす原因であるとつきとめたのだ、上級市民は『金があるから薬を買える』のである。
「でも、金を集めるだけなら流行り病の方がより簡単だった筈です、何故金持ちばかりを狙ってこんな事を?」
「ウイルスでは大勢が死にますから」
「人が死にすぎるのは都合が悪いとでも?」
「人を殺す事が目的ではありません、私はこの先の人類が暮らしていく為の基盤を作りたいだけなので」
「……その為なら、犠牲者は出していいと?」
「ええ、この寒い国で震える孤児の為に旅をやめて孤児院でも開きますか?今その選択をしてなかったせいで出た者は平和への犠牲者と呼ばないのでしょうか?」
「結局なにを選んだとしても、光には必ず影が出来る事は私も分かっていますよ」
牢屋からでも分かる爆発の音と共に、魔王たちは再び集い『敵』を打ち取った。
「妙だな……焼き殺したのは確かなんだが、奴は手加減していたような?」
「何にせよこれで『平和』は訪れたと皆に伝えられますね」
彼に囚われていたミミと双子の姉妹であるハナを助け出して、旅の大元である目的は達成され、その後に魔王が新たに国を作った。
「それで、私に何の相談が?」
「ゼルディンさんについて聞きたい、教えてくれる?」
「先にこれを教えてください、魔王様に聞かない理由を」
「悪者って彼は言っていたけど、悪とか正義とか抜きにして彼について出来るだけ教えて」
「……分かりました」
それはこの国よりも遙かに寒い北の国で、ミナト(魔王・魔法使い)、6155(勇者・魔法も一応使えはする)、ヴァイド(医者)、イチ(変わった魔法しか使えない)、ヘリウズ(魔法のつかえない魔族の剣士)、ミミ(武闘家)、フリル(動物に変身出来る魔法を使う姫)
そのメンバーは国々で発生している病気について調べていた。
手や足が痛みで動かせなくなり、徐々身体が変化して死んで行くというものだった。
原因は何と全て一人の男が仕組んだ事だと突き止めた。
男は研究施設を作り病気や人間、魔法とあらゆるジャンルについて世界中からさらったり買ったりして来た身寄りの無い子供や旅人、罪人などで人体実験をしていた。
研究施設は北の洞窟であり、寒さが凄すぎて人が訪れず目立つ事は無かったのだが魔王や仲間なちの活躍でようやく特定して、激しい戦闘を繰り広げた後に魔王がゼルディンも研究施設も焼き払った。
「まぁ、ざっとこんな感じです」
「6155は毒見役を躊躇しなかったよね」
「ずっとアレ食べてみたかったので」
「だとしても敵が差し出した食事を何の考えも無しに兵士長が口にするとは思えないな」
「私はAシリーズに偏見があったようですね、随分と鋭敏な方だ」
「確信していたんでしょ?彼が毒を盛らないって」
「……」
XX年前
闘いの中で仲間たちと引き離されて、6155は牢獄に囚われていた。
「貴方がばら撒いたのは『ウイルス』では無いですね」
「よく気付きましたね」
風邪のような流行り病で、身分の低いものたちよりも王族・貴族が先にかかるなどおかしいのだ。とすれば伝染病の線は薄いと調査していて治療薬そのものが病気を引き延ばす原因であるとつきとめたのだ、上級市民は『金があるから薬を買える』のである。
「でも、金を集めるだけなら流行り病の方がより簡単だった筈です、何故金持ちばかりを狙ってこんな事を?」
「ウイルスでは大勢が死にますから」
「人が死にすぎるのは都合が悪いとでも?」
「人を殺す事が目的ではありません、私はこの先の人類が暮らしていく為の基盤を作りたいだけなので」
「……その為なら、犠牲者は出していいと?」
「ええ、この寒い国で震える孤児の為に旅をやめて孤児院でも開きますか?今その選択をしてなかったせいで出た者は平和への犠牲者と呼ばないのでしょうか?」
「結局なにを選んだとしても、光には必ず影が出来る事は私も分かっていますよ」
牢屋からでも分かる爆発の音と共に、魔王たちは再び集い『敵』を打ち取った。
「妙だな……焼き殺したのは確かなんだが、奴は手加減していたような?」
「何にせよこれで『平和』は訪れたと皆に伝えられますね」
彼に囚われていたミミと双子の姉妹であるハナを助け出して、旅の大元である目的は達成され、その後に魔王が新たに国を作った。
0
あなたにおすすめの小説
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる