クローン人間が異世界転生して魔王に愛された

宝者来価

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40話 大喧嘩

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ヘリウズは首を傾げていた

「喧嘩……?」
「はい、ですのでしばらく魔王様には近づきません」
「お前が、ミナトと喧嘩ってアイツ何やらかしたの?」
「答えると魔王様の立場がとんでもなく危うい事になりかねないので……あのクソ魔王」


魔王へのただの罵倒など丁寧に話す事を心掛けている彼が言ったので本当にガチギレしてるなと苦笑いした。


「おう?とりあえず革命とか馬鹿な真似考えないでくれよ?」
「しませんよ、そこまで愚かに思えます?」

正確は温厚で、兵士長の座にいるのが嘘みたいな奴で
その晩は王妃の護衛にはひとまず自分がついた。
別に元々ずっと付きっぱなしになる予定なので苦ではない、しかし6155の様子からして原因はまぎれもなく魔王にあるとは思っていた。





「……マジであいつ何したんだ?」
「ヘリウズさん」
「どうした?」
「今日、兵士長さん具合悪いかも……僕に付き合わせちゃって」
「王妃様も何か知ってるのか」
「あとごめん、今ミナト魔法使えない」
「それは―――まぁ、はい」

魔王の身に何が起きたのかは理解したが、なぜ6155まで?

「様子って、見た?」
「魔王様と喧嘩したらしい事は聞いています」
「そんなにきつかったかな……シール」
「シール?」
「僕の為に作ってくれた物で、魔力が流れ込むんだけど、うっかり魔王様が6155さんに触って」
「そんな女がうっかりおっぱい触られたみたいな理由で怒ってんの?」
「すごい起ってたから、良すぎて混乱したのかも?でもちゃんとケアしてくれたんだよ?」
「ケア?」
「うん、だってこっちに来てから一度も抜いてないっていうし……」
「クソ真面目な奴だから、汚されたーとか騒いでるって事かぁ?」
「別に誰も入れてはないよ?玩具入れてあげたら気持ちよさそうにしてたから……うーん、言わない方が良かった?」
「知識が無かったのかもなぁ」
「ううん、すごい詳しくて驚いたよ?」
「……え」

詳しい?こっちの世界に来てからの事は知っているが、勉強した?
閨事なんかをアイツが?

「顔が渋いけど、どうかした?」
「ちょっと気がかりになってな、まぁいいさ敵も出ている訳でもないし」
「でも、ちょっとやりすぎたかもしれないから気は配ってあげて」


交代の時間になり、食事のあと大風呂に入った
今は夜中なので人はいないかと思えたが暗闇に人の影
一人いるぐらい気にしなくていいかと声に出した

「まぁ、いいか」
「……貴方ですか」
「ってお前かよ6155」
「護衛と言う名のおもりは大変だったでしょう?」
「いや王妃様は優しい方だからな、別に苦などない」
「そうですか」

湯の中に入り、一息つく

「ふぅ……そういえばまだ、聞いてないな」
「何をです?」
「お前の過去って奴、部下に聞こうかと思ってたんだが」
「状況が変わったので、貴方は知らないで下さい」
「はぁ?お前の過去で俺に害するような事でもしてたのかぁ?」
「プライドみたいなものです、部下にはもう口留めしておきましたよ」
「たかがプライドだろーが」
「人には人の隠したい事があるんですよ」
「おまえクローンの癖に」

いがみあっていたが、それは何時だって5分後には終わる事で
何度となくしてきた口喧嘩の筈で、だからこそ驚いたのだ。

「ーーーーあ」

突如として涙が零れ落ちた、6155の目からである。

「何で泣いてんだ!?」
「うるさいですよ」
「……俺に泣かされたのか?」
「違いますよ、悪いのは黙っていた自分なのに……優しさだったのは分かってるのにっ」
「まぁ酒でも飲む?」
「ほんと昔から、そういう所ありますよね?あと風呂場での酒は禁止ですよ」
「いいじゃねぇか今日は」
「仕方ないですね」

酒を受け取る6155、二人きりでこんな風に話し合うのは久しぶりだ

「まぁなんだ?俺が聞かなきゃいいんだろ?」
「……」
「酒でも飲んで忘れちまえ、あっ」
「あっ?」
「いや何でもねーよ」
「教えてください」
「お前だって隠し事するんだろ?だったらお互い様で」
「じゃあ話すので」
「そんなに気になるか?大した事じゃねーんだけど」
「行ってください」
「王妃と会話してたんだけどさ……」
「ふむ?」
「魔王様がドジってお前にセクハラしたとかいうくっだらない話きいたぞ」
「……え」
「シールとかなんとか、そんなもんで怒るとかお子様か?」
「……」
「おいおい、せめて何か言えよ、クローンでもセクハラは嫌とか?人間ならそんなもんきにしねーと思うけど」
「後で部屋に来てください」
「ん?閨の誘い?」
「そうですが?」
「……はい?」


冗談で言った事を真に受けたのだろうか、真面目だから


「逃げ出してもいいですよ」
「何のつもりかしらないが、部屋には行ってやるよ」
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