異世界転生した女勇者と山を登る話

宝者来価

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3話 世界の謎

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人が急に居なくなったり何故?と思う事や謎は多いがまずは生き残る事
ゲーム脳と呼ぶか迷うサバイバルゲームをしている時の心境
彼女が服を脱いでいても冷静に―――

「いや、待って!?」
「もう暗いし今のうちに着替えておこうと思ってな」
「女性が男の前で急に着替えないで下さいッ」
「え、わりタロウは女だと思ってた!!」

そういえば自分は男だなんて自己紹介してないし顔も中性的で
言動も確かにモンスタークエストの世界だと誤解されるような喋りかもしれない
自分もヒロって聞いた瞬間に誤解したのでお互い様かも?
でも次から着替える時はは言って貰うようにしなければ

「騙すつもりは無かったんだけど……ごめん、僕は男です」
「謝らなくてもいいぜ?テントに入れてくれるだけで十分に有難いからな」
「着替え終わったでしょうか!?」
「ああ」

タロウが目を開けるとヒロは上下ジャージになっていた。
中学生が着るような制服系の地味めな紺色
こうしてみればヒロは一般的な日本人に見えなくもない


「夜は本当に寒くてシゲトが毛布をくれなかったら凍えてただろうな」

シゲトは確かに親友と呼べる存在なのだが
何故に彼だけこの世界にいるのかが不明である
自分だけがキャンプ場の空間ごと転生するなら実は理屈が通る
異世界転生なんて摩訶不思議な事に科学が通じるか疑問なのは確かにそう
しかし異世界転生で『他の人間も』いる事は作品としては珍しい

「う~ん」
「……テントはやはり温かいな」

ヒロはジャージに毛布という男子高校生にはちょっと良くない恰好をしていた
極限の状態にテントの中で可愛い人がいる
何かするような勇気は無いものの直視は刺激が強かった


「毛布だと汚れたりしそうなので僕の着替えを着ませんか?」
「いいのか?」
「確かここに寒くなるかもと思って持ってきた上着があるので」

リュックから上着を取り出して渡した
近所にある服屋で2000円ほどの一般的な安物
買ったばかりで匂いとか無くて本当に良かったと思いながら渡した。

「すげぇ助かる、ありがとな」
「・・・・・・」

着替えた後にこれはこれで何かまずいものを感じる事に気が付いた
しかし寒くなってきたので羽織る物を貸しただけなので深く考えないようにして
今夜どうするかを冷静に考えなければならない

「まずは今夜ですけど寝袋があるので」
「寝袋ってなんだ?」
「こういう時に便利な布団だと思って下さい」
「ふーん」
「テントからは一切出ない方がいいですか?」
「今日俺からの頼みとしてはテントから出ないでくれたら満足って言い切れるぜ」
「タンガンウルフが近くにいるから?」
「それもあるが何もあいつだけがいる訳じゃねぇ」
「他にもモンスターが存在するなら教えて下さい」
「そのまえにちと腹ごしらえするか」

先ほど落ちたパンを食べるヒロ
見た所どうにも子供の頃に食べさせられた美味しくないパンに見える


「そのパン食べてみても?」
「食料は貴重だから一個な」
「……うん」

一つ食べれば子供の頃食べたパンの方がマシだった
硬いし本当に味がしなくて不味い
1日机の中にうっかり放置されたカチカチパンを思い出す

「焼いてみようかな」
「火を起こすのは反対だ」
「何で?」
「外に出て薪を拾うのはせめて朝になってからにしてくれ」

そういえば自分が何を持っているかまだ言ってない
何せ自分はキャンプに来ている為ある程度の物が揃っている

「小さいけどガスコンロがあって」
「がす!?」
「えっ」
「煙の事だろ『がす』って」
「えーとガスコンロという火起こしが安全に出来る装置です」
「カエン?」

モンスタークエストに共通する火の魔法だ

「カエンよりは安全ですし長く持ちますよ」
「ならいいか」

何度か使っているミニコンロに火をつける
ヒロは驚いて少し肩が上がったがすぐに警戒を辞めた。

「これ日持ちしなさそうですよね」
「そうか?」
「炭水化物は足早いの多いですから」
「・・・・・・?」

ヒロはパンに足が生えて逃げ出す様子を想像していた。
しかし実際は腐りやすいという意味でありパンに足があるファンタジーな事は起きない。
誤解されたのが分かったので言い直した。

「ええと駄目になりやすいって事です」
「確かに日持ちはしづらいかもな」
「僕が持ってきた食料は長持ちするので」
「分けてくれるのか?」
「食料の奪い合いは不毛ですし災害の時どうすべきかはよく考えるんだ」


数年前に日本では大きな地震があり自分は揺れが小さな地域にいた為助かった。
沢山の人が大変な目に遭う話を聞いたがとにかく食料は奪っていく人がいるほど
地獄みたいな経験をしたことをいわゆる朝の前校長礼で話しれくれたから

奪い合うより分け合って欲しいしそれは必ず自分の為になる

「タロウの世界も便利そうだけど色々あるんだな」
「災害はどこでもありそうだよね」

焼いてマシになったパンを食べる
先ほどよりは何とかまだマシにはなった

「そっちのパン焼いたほうが美味しいよ」
「じゃあ甘えさせてもらうか」

パンを軽く焼いて渡したら美味しそうにもぐもぐ食べてくれた
こういう時に最も避けるべきは喧嘩
味わって食べろよ何て言えば小さな火種でも大きくなりかねない

「不思議な奴」

ゲームキャラに言われた
こちらから見ればゲームから飛び出してきた彼女の方がよっぽど不思議だ
シリーズでいえば5番目で『ファイブ』がデフォルトネーム
もしかして女性だから名前が違うなどはあるのかもしれない
にしたってヒロでは違和感があるのだが。


「でも争いごとをとにかく避けようとするその姿勢は好きだぜ?」



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