この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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朝。いつも通り校舎に入り、下駄箱で靴を履き替え、階段を上がり、廊下を歩く。
1-Bの教室に入る前に1-Aの教室を横切る。
ふと、教室の中をチラッとだけ覗いた。
目に入ったのは桜山と鶴里・・・と森下・・・。
3人で仲睦まじく話しているようだが、あいつらはいつの間に仲良くなったんだろう・・・。

その日の美術の授業。
クジで2人組を作り、交代で相手をデッサンするそうだ。
クジの結果、俺は森下とペアになった。
・・・他の男子達の視線が痛い。

「・・・・・。」
「・・・あの・・・森下?小さくモソモソ動くのやめてもらっていい?」
「え!?あ!ごめんね!じゃあ、車道君!なんかポーズ決めて!」
「じゃあ、とりあえずメガネをかけようか。」
「へっ!?メガネ??・・・これでいい?」
はい!美しい!森下ほどメガネが似合う女子なんて桜山ぐらいしか・・・いや、なんで俺があいつのメガネ姿を想像しなきゃならんのだ!

「・・・なあ、森下?」
「ん?なに?」
「お前、いつの間に桜山とあんなに仲良くなったんだ?」
「ふぇっ!?いや・・・それは・・・あの・・・私も本好きだから・・・その・・・桜山さんって図書室の本ほとんど読んでて・・・それで・・・オススメを紹介してもらったり・・・しているのである!!」
・・・である?・・・なんでこいつはこんなに動揺してるんだ?

「そうか・・・でもお前と桜山が仲良くなったのって図書室で2人きりになってからだよな?あの日なに話してたの?」
「にゃ!?にゃにも話してないよ!!本が好きとか・・・いや、好きじゃなくて・・・いや、本は好きなんだけど・・・あの・・・て・・・てやんでい!!」
・・・てやんでい?いや、最初の猫語も気になるが、とりあえずメガネの美少女が慌てふためく様子はとにかく可愛いな・・・。

「すごい!神沢君、絵上手いんだね!」
「本当だ!すごい上手!」
声の方に振り向くと神沢が女子に囲まれてチヤホヤされていた。
まあ、あれだけのビジュアルで芸術センスもあるってなったらそりゃチヤホヤされるわな・・・。
神沢はデレデレしていた。
・・・ただの女好きなんて知れたらあの取り巻きがサッといなくなるんだろうな・・・。

少しして俺が描き終わり、森下が俺を書く側にまわる。
「えっ・・・と・・・ここをこうして・・・こうして・・・」
絵を描く時もメガネするのか・・・天使だな・・・。
「・・・これで・・・こうして・・・できた!」
「お!できた絵見せてよ!」
「へへへ・・・私にしては上手くできた方だよ!」
俺は森下が描いた絵を覗き込む。
・・・・・スーパー下手だった。

その日の放課後。もうすぐGWだし、神沢と飯でも行こうかなと思い珍しく俺から誘ってみた。
「神沢、このあと飯でも行かない?」
「あ、いいねー・・・でもちょっと学級委員の仕事残ってるからそれ終わるまで待っててもらっていい?」
「・・・え!?・・・えーーー!?お前、学級委員だったの!?」
「コーちゃん・・・クラスの学級委員が誰かくらいは覚えておこうよ・・・。」
「いや・・・なんていうか・・・意外!」
「コーちゃんは俺をただの女好きだと思いすぎなんだよ!俺だってやるときはやる男だぞ!」

「神沢君!早く行くよー!」
森下が神沢を呼ぶ。
「はーい!森下さ~ん!待って~!」
神沢はデレデレしながら走り去っていった。
あいつはやっぱりただの女好きだった。

もうすぐGWだ・・・。
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