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第四章:歌劇編Ⅰ/Ⅰ、交錯する思惑
10★その頃クロリンダ嬢は
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「クロリンダ様、どこへ行ってしまわれたのだ――」
年老いた魔法医は、海鳥たちが弧を描いて飛ぶ青空を見上げ、ため息をついた。
彼はアルバ公爵家のお抱え魔法医。イーヴォの火魔法でやけどを負ったクロリンダ嬢を治療するうち、彼女のギフト<支配>の犠牲になってしまった。
「あの世間知らずなお嬢様が一人で生きて行けるわけはない。わしがしっかりせねば」
十日ほど前、スルマーレ島から領都ヴァーリエへ向かう船の甲板で、クロリンダ嬢の世話を焼いていたとき、空に巨大な怪鳥が現れた。ほぼ同時に、クロリンダ嬢の様子がおかしくなった。あろうことか得体の知れない鳥の背に乗り、空の彼方へ飛び去ったのだ。
「こちらの方角に消えたはずだが――」
彼はもちろん、ラピースラ・アッズーリなどという大昔の悪霊が、クロリンダに取り憑いたとは知らない。日陰を求めてふらふらと、サーモンピンクに塗られた石壁に身を寄せた。六月とはいえ海辺の日差しは強い。浴びるだけで体力を奪うようなそれは、老体に堪えた。
潮の匂いが混じる夏風が吹いてきて、薄くなった白髪を揺らした。汗のにじむ額に心地よい。ほっと一息ついていると、
「大丈夫かい、おじいちゃん」
向かいに建つ空色の家の扉が開いて、若い女性が出てきた。高い位置でまとめた水色の髪が涼しげだ。ひとつだけ見慣れないところがあるとすれば、彼女の耳が魚類のエラを思わせる形をしていること。
「セイレーン族――の方々の漁村でしたか、ここは」
「そうさ。あんたみたいな人族のご老人が一人で、亜人族の田舎に来るなんてめずらしいから、あたし二階から見てたんだけど気になってさ」
女性は今出てきた家の二階を示すように、視線をふと上に向けた。
「実は人を探しておるのです」
「まさかそれ、クロリンダっていう人族の女性じゃないよね?」
「ご存知なのですか!?」
魔法医は驚愕に目を見開いた。
「知ってる知ってる! 村長の家にいるよ!」
女性は魔法医の手首をつかんで走り出そうとする。
「おお、待って下され」
すぐに息があがってしまう老人の前で、女性は突然しゃがんで背を向けた。
「乗んな。おぶっていってやるから」
「いやいや、とんでもない! 女性に背負っていただくなど――」
首を振りながら魔法医は、「疲れて歩けない」などとわがままを言って、自分の背中に乗ってきたクロリンダを思い出していた。
「何言ってんだい。あたしは毎日かごいっぱいのイワシやムール貝を運んでるんだ。おじいちゃんみてぇなやせっぽち一人、なんてこたぁないよ」
女性は固辞する魔法医を軽々とかつぎ上げ、色とりどりの家が並ぶ道を足早に歩きだした。
「十日くらい前かなぁ、空から人が一人、落ちてきたんだ」
女性の背中で揺られながら、魔法医は尋ねた。
「空から女の子が――ってあれですかな?」
「そんなかわいいもんじゃない。落ちてきたのは『女の子』って言うにゃあ、ちょいとばっかし厳しい年齢だったし――」
それから女性は首をかたむけて、海岸線すれすれから屹立する小山を見上げた。その斜面には白い石壁の家々が張り付き、頂上に行くほど密集している。
「モンテドラゴーネ村のてっぺんあたりから、ものすごい勢いであたしたちの漁場に墜落したのさ」
「そ、それで、クロリンダ様のお命は――」
「なんとかみんなで救出して看病して、体の方はだいぶよくなったみたいなんだけど――」
言いよどむ女性の言葉に、魔法医は不安を押し殺して、
「けど?」
と先をうながした。
「落ちたとき海底の岩にでも頭をぶつけたのか、おかしなことばかり言っているんだ」
「たとえば?」
「自分は大聖女の血を引く公爵令嬢で、帝国中の人間にひざまずかれる人物だとか、王太子様に愛されて幸せな結婚をする未来が決まっているとか――」
その言葉に、魔法医は胸をなで下ろした。
「安心しました。いつも通りのクロリンダ様です」
「そうなのか!?」
女性が驚きの声を上げたところで、二人は村長宅に到着した。
「いやよ! お母様もお父様もアタクシをいじめて、北の塔に幽閉するのですもの!」
アルバ公爵邸に帰りましょうと申し出た魔法医に、クロリンダはぶんぶんと首を振った。
「アタクシは王都に行くのよ!」
「聖ラピースラ王国の王都ですか?」
そんなところに行ってどうするのだろうかと、魔法医が怪訝そうにすると、
「王都の美しく整備された通りを歩いていると、たまたま王太子様を乗せた黄金の馬車が通りかかって、アタクシに一目ぼれなさるんだわ!」
十ばかりの少女のような妄想を披露したので、魔法医は慌てた。
「いやいや、クラウディオ殿下はポッペーア男爵令嬢と婚約されたと――」
「そんなの嘘よ!」
魔法医の言葉が終わらぬうちに、クロリンダが悲鳴のような口調で否定する。
「クラウディオ王太子殿下はアタクシと運命の赤い糸で結ばれてるんだから!」
困り果てた魔法医が、ベッドに寝かされたままのクロリンダから目をそらすと、部屋の入り口にも窓の外にもセイレーン族の人々が集まって事態を見守っていた。
「クロリンダ様、とにかく領都ヴァーリエまで行きましょう」
行き先が王都だろうとアルバ公爵領だろうと、ヴァーリエを通る必要がある。十日近く、わがままなクロリンダを看病してくれた村人たちに、これ以上迷惑をかけたくない。
だがクロリンダは、ぷいっとそっぽを向いた。
「歩けないわ。馬車を用意なさい」
魔法医は困り果てた。
「クロリンダ様、ヴァーリエまで我慢してくだされ」
ヴァーリエに着けば駅逓馬車を利用できるが、小さな漁村では馬車の手配もままならない。
「荷馬車の荷台で良ければ乗せてやれるぞ」
しわがれた声は、うしろから聞こえた。
「村長殿、まことですかな!?」
すがるような視線で振り返る魔法医に、
「わしの息子が明日、ヴァーリエ冒険者ギルドまで魔道具の素材を売りに行くのじゃ」
「パパ、巨大電気クラゲいっぱいつかまえたんだよー。干すと頑丈な巾着袋になるのー」
村長の足にからみつきながら、彼の孫娘らしき子供が自慢げに話した。
「ふん、荷馬車ですって? 仕方ないわね」
クロリンダも不機嫌ながら納得したので、魔法医は胸をなで下ろした。
「ちょいとお医者のじいさん、あれ、クロリンダさんのことじゃぁねえかい?」
ヴァーリエ冒険者ギルド前で荷台から降りた魔法医とクロリンダが、節々を伸ばしたり痛む腰をさすったりしているところに、たった今ギルドに入って行った村長の息子がきびすを返して戻ってきた。魔法医は彼のあとを追って、冒険者であふれるギルドに足を踏み入れる。彼が指さした依頼掲示板を見上げると――
『聖ラピースラ王国アルバ公爵家令嬢クロリンダ様を、帝都のエドモン第二皇子宮までお連れした者には、皇子殿下が褒美として金貨五十枚を支払うと仰せになった。皇子殿下は、絶世の美女と評判のクロリンダ嬢を一目見てみたいとご所望である』
第二皇子の家来が依頼したと思われる案件が貼り出されていた。
「じいや、アタクシをこんなゴロツキだらけの建物の前に置き去りにするなんて、どういうつもりよ!」
憤慨しながら二人を追いかけてきたクロリンダも、魔法医の視線を追って依頼文を見上げた。
「ああ…… ついに運命の相手にめぐり逢えるのね!」
クロリンダの頬は上気し、瞳はまだ見ぬ恋人を想ってキラキラと輝きだす。
「ん? あんた聖ラピースラ王国の王太子ねらいだったんじゃあ――」
セイレーン族の男のつぶやきなど耳に入らない。
「エドモン様、すぐに参りますわ! どうぞお待ちになっていて!!」
活気にあふれたギルドの喧騒を突き抜けるように、クロリンダの甲高い声が響いた。
数人の冒険者が振り返ったが、セイレーン族の民族衣装に身を包み、海水で傷んだパサパサ髪の女を、誰も皇子が求める美しい公爵令嬢とは信じなかった。
─ * ─
次回『その頃、第一皇子とラピースラ・アッズーリは』です。
またまた襲撃計画が立てられているようで……?
年老いた魔法医は、海鳥たちが弧を描いて飛ぶ青空を見上げ、ため息をついた。
彼はアルバ公爵家のお抱え魔法医。イーヴォの火魔法でやけどを負ったクロリンダ嬢を治療するうち、彼女のギフト<支配>の犠牲になってしまった。
「あの世間知らずなお嬢様が一人で生きて行けるわけはない。わしがしっかりせねば」
十日ほど前、スルマーレ島から領都ヴァーリエへ向かう船の甲板で、クロリンダ嬢の世話を焼いていたとき、空に巨大な怪鳥が現れた。ほぼ同時に、クロリンダ嬢の様子がおかしくなった。あろうことか得体の知れない鳥の背に乗り、空の彼方へ飛び去ったのだ。
「こちらの方角に消えたはずだが――」
彼はもちろん、ラピースラ・アッズーリなどという大昔の悪霊が、クロリンダに取り憑いたとは知らない。日陰を求めてふらふらと、サーモンピンクに塗られた石壁に身を寄せた。六月とはいえ海辺の日差しは強い。浴びるだけで体力を奪うようなそれは、老体に堪えた。
潮の匂いが混じる夏風が吹いてきて、薄くなった白髪を揺らした。汗のにじむ額に心地よい。ほっと一息ついていると、
「大丈夫かい、おじいちゃん」
向かいに建つ空色の家の扉が開いて、若い女性が出てきた。高い位置でまとめた水色の髪が涼しげだ。ひとつだけ見慣れないところがあるとすれば、彼女の耳が魚類のエラを思わせる形をしていること。
「セイレーン族――の方々の漁村でしたか、ここは」
「そうさ。あんたみたいな人族のご老人が一人で、亜人族の田舎に来るなんてめずらしいから、あたし二階から見てたんだけど気になってさ」
女性は今出てきた家の二階を示すように、視線をふと上に向けた。
「実は人を探しておるのです」
「まさかそれ、クロリンダっていう人族の女性じゃないよね?」
「ご存知なのですか!?」
魔法医は驚愕に目を見開いた。
「知ってる知ってる! 村長の家にいるよ!」
女性は魔法医の手首をつかんで走り出そうとする。
「おお、待って下され」
すぐに息があがってしまう老人の前で、女性は突然しゃがんで背を向けた。
「乗んな。おぶっていってやるから」
「いやいや、とんでもない! 女性に背負っていただくなど――」
首を振りながら魔法医は、「疲れて歩けない」などとわがままを言って、自分の背中に乗ってきたクロリンダを思い出していた。
「何言ってんだい。あたしは毎日かごいっぱいのイワシやムール貝を運んでるんだ。おじいちゃんみてぇなやせっぽち一人、なんてこたぁないよ」
女性は固辞する魔法医を軽々とかつぎ上げ、色とりどりの家が並ぶ道を足早に歩きだした。
「十日くらい前かなぁ、空から人が一人、落ちてきたんだ」
女性の背中で揺られながら、魔法医は尋ねた。
「空から女の子が――ってあれですかな?」
「そんなかわいいもんじゃない。落ちてきたのは『女の子』って言うにゃあ、ちょいとばっかし厳しい年齢だったし――」
それから女性は首をかたむけて、海岸線すれすれから屹立する小山を見上げた。その斜面には白い石壁の家々が張り付き、頂上に行くほど密集している。
「モンテドラゴーネ村のてっぺんあたりから、ものすごい勢いであたしたちの漁場に墜落したのさ」
「そ、それで、クロリンダ様のお命は――」
「なんとかみんなで救出して看病して、体の方はだいぶよくなったみたいなんだけど――」
言いよどむ女性の言葉に、魔法医は不安を押し殺して、
「けど?」
と先をうながした。
「落ちたとき海底の岩にでも頭をぶつけたのか、おかしなことばかり言っているんだ」
「たとえば?」
「自分は大聖女の血を引く公爵令嬢で、帝国中の人間にひざまずかれる人物だとか、王太子様に愛されて幸せな結婚をする未来が決まっているとか――」
その言葉に、魔法医は胸をなで下ろした。
「安心しました。いつも通りのクロリンダ様です」
「そうなのか!?」
女性が驚きの声を上げたところで、二人は村長宅に到着した。
「いやよ! お母様もお父様もアタクシをいじめて、北の塔に幽閉するのですもの!」
アルバ公爵邸に帰りましょうと申し出た魔法医に、クロリンダはぶんぶんと首を振った。
「アタクシは王都に行くのよ!」
「聖ラピースラ王国の王都ですか?」
そんなところに行ってどうするのだろうかと、魔法医が怪訝そうにすると、
「王都の美しく整備された通りを歩いていると、たまたま王太子様を乗せた黄金の馬車が通りかかって、アタクシに一目ぼれなさるんだわ!」
十ばかりの少女のような妄想を披露したので、魔法医は慌てた。
「いやいや、クラウディオ殿下はポッペーア男爵令嬢と婚約されたと――」
「そんなの嘘よ!」
魔法医の言葉が終わらぬうちに、クロリンダが悲鳴のような口調で否定する。
「クラウディオ王太子殿下はアタクシと運命の赤い糸で結ばれてるんだから!」
困り果てた魔法医が、ベッドに寝かされたままのクロリンダから目をそらすと、部屋の入り口にも窓の外にもセイレーン族の人々が集まって事態を見守っていた。
「クロリンダ様、とにかく領都ヴァーリエまで行きましょう」
行き先が王都だろうとアルバ公爵領だろうと、ヴァーリエを通る必要がある。十日近く、わがままなクロリンダを看病してくれた村人たちに、これ以上迷惑をかけたくない。
だがクロリンダは、ぷいっとそっぽを向いた。
「歩けないわ。馬車を用意なさい」
魔法医は困り果てた。
「クロリンダ様、ヴァーリエまで我慢してくだされ」
ヴァーリエに着けば駅逓馬車を利用できるが、小さな漁村では馬車の手配もままならない。
「荷馬車の荷台で良ければ乗せてやれるぞ」
しわがれた声は、うしろから聞こえた。
「村長殿、まことですかな!?」
すがるような視線で振り返る魔法医に、
「わしの息子が明日、ヴァーリエ冒険者ギルドまで魔道具の素材を売りに行くのじゃ」
「パパ、巨大電気クラゲいっぱいつかまえたんだよー。干すと頑丈な巾着袋になるのー」
村長の足にからみつきながら、彼の孫娘らしき子供が自慢げに話した。
「ふん、荷馬車ですって? 仕方ないわね」
クロリンダも不機嫌ながら納得したので、魔法医は胸をなで下ろした。
「ちょいとお医者のじいさん、あれ、クロリンダさんのことじゃぁねえかい?」
ヴァーリエ冒険者ギルド前で荷台から降りた魔法医とクロリンダが、節々を伸ばしたり痛む腰をさすったりしているところに、たった今ギルドに入って行った村長の息子がきびすを返して戻ってきた。魔法医は彼のあとを追って、冒険者であふれるギルドに足を踏み入れる。彼が指さした依頼掲示板を見上げると――
『聖ラピースラ王国アルバ公爵家令嬢クロリンダ様を、帝都のエドモン第二皇子宮までお連れした者には、皇子殿下が褒美として金貨五十枚を支払うと仰せになった。皇子殿下は、絶世の美女と評判のクロリンダ嬢を一目見てみたいとご所望である』
第二皇子の家来が依頼したと思われる案件が貼り出されていた。
「じいや、アタクシをこんなゴロツキだらけの建物の前に置き去りにするなんて、どういうつもりよ!」
憤慨しながら二人を追いかけてきたクロリンダも、魔法医の視線を追って依頼文を見上げた。
「ああ…… ついに運命の相手にめぐり逢えるのね!」
クロリンダの頬は上気し、瞳はまだ見ぬ恋人を想ってキラキラと輝きだす。
「ん? あんた聖ラピースラ王国の王太子ねらいだったんじゃあ――」
セイレーン族の男のつぶやきなど耳に入らない。
「エドモン様、すぐに参りますわ! どうぞお待ちになっていて!!」
活気にあふれたギルドの喧騒を突き抜けるように、クロリンダの甲高い声が響いた。
数人の冒険者が振り返ったが、セイレーン族の民族衣装に身を包み、海水で傷んだパサパサ髪の女を、誰も皇子が求める美しい公爵令嬢とは信じなかった。
─ * ─
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