『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します

ヒゲ抜き地蔵

文字の大きさ
10 / 76
第1章

第10話 バーセリーの街

しおりを挟む
 バーセリーの門衛に、冒険者カードを見せるとすんなりと街の中に入れた。

 街は石造りの外壁で囲まれている。外から内側の様子が見えなかったが、中に入ってみるとロゼッタ村の10倍ぐらい人も家の数も多い。

 人間だけでなく、耳の長い美形のエルフ、背の小さいドワーフも見かけた。

 エルフとドワーフの容姿は、漫画やアニメの印象そのままだ。異世界から地球に広めた奴がいるのではと疑ってしまう。

 この街だけなのか、種族的なものなのかわからないが、階級的なものを感じる。
 わかりやすく例えるなら、エルフは貴族、ドワーフはスラムの住人のような雰囲気だ。エルフが道を歩くと、町民やドワーフはビクビクしながら道の端に避けている。

 俺は関わらないように魔石を売るため冒険者ギルドへ向う。

 ハリーさんから聞いた話だと、冒険者ギルドはどの街でも門から近い立地にあるらしく、簡単に見つけられた。
 
 ギルドの中に入ると、夕方だからか受付カウンターの前には10人ぐらい並んでいる。俺は魔石買い取りの窓口に並んだ。

 前に並んでいた冒険者、歳は40代ぐらい見るからに熟練の冒険者が話しかけてきた。

「おまえ見ない顔だな。どこから来たんだ?」

「ロゼッタ村からです」

「ロゼッタ村か。あの周りだとザコばっかりで儲からないからな。おまえ何ランクだ?」

 さすが熟練。とてもエラそうな物言いだ。

 個人情報を無遠慮に聞いてくるのはどうかと思ったが、この世界では常識の範疇かもしれないので、素直に答えることにした。
 
「……Fランクです」

「エ、エフ、Fランクだって。あははははっ、その程度で出稼ぎのためバーセリーに来るとか、おまえバカすぎんだろっ」

 Fランクってそんなにバカにされるのか。

「悪いことは言わないからロゼッタに戻れ。この街は最低でもEランクはないと死ぬぞ」

 少しずつ腹立ち始めるが、顔に出さないように教えてやる。

「いや、この辺の魔物なら簡単に倒せますよ」

「まあまあ、強がるなって。おまえぐらいの歳だとイキる気持ちはわかるけどよ。無理すんなよ」

 心配して言っているのか、悪意で言っているのか、俺は冒険者との付き合いなんてハリーさんしかいないのでわからない。けれど、俺はこのおっさんのことが嫌いだってことは確定した。
 
 おっさんがFランクと騒ぐから、まわりにいた冒険者の数人が、俺のことをチラチラ見て話している。碌な話じゃないだろう。俺が不機嫌になったのを察したのか、それからおっさんは話しかけてこなくなった。

 ――しばらくすると、受付の順番がまわってきた。

 受付の女性に冒険者カードとリュックから取り出した魔石を渡す。

 「タクミ様ですね。魔石をお預かりします。……これ全てタクミ様が倒されたのですか?」

 この二日間でスライム、ゴブリン、一角兎、コボルト合わせて50個近く魔石が溜まった。おっさんが俺の様子を少し後ろから覗いているのは気配でわかっていたので。

「この街まで移動しながらだったので、この程度ですが……」

 とオッサンに聞こえるように言った。

 チッ……と舌打ちが聞こえた後、オッサンの気配が遠ざかる。

 ふふふっざまないな。この魔石の量がどの程度なのかわからないが、オッサンの期待を裏切ったのは間違いないだろう。

「Fランクでこんなに沢山魔物を討伐するとはすごいですよ。コボルトもいますよね。……何か昇格したくない理由とかあるんですか?」

「ただ昇格条件を知らないだけです。どうすれば昇格できますか?」

「討伐含むクエストを1つ、他はなんでもいいので2つのクエストを完了させてください。それでEランクに昇格できます」

「そんな簡単なことで良かったんですね。明日にでもクエスト受けてみます」

「他にもわからないことがあればお気軽にお尋ね下さい。こちらが魔石の買い取り代金の250ゴールドになります」

 冒険者ギルドを出ると、おっさんがパーティメンバーらしき奴らと話していた。

 ん? エルフもいるのか。

 関わり合いたくないので通り過ぎようとしたとき、おっさんが話しかけてきた。

「おいまて、おまえ異世界人か?」

 おっさんは、どこまでも無遠慮な奴だった。
しおりを挟む
感想 92

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

処理中です...