『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します

ヒゲ抜き地蔵

文字の大きさ
61 / 76
第3章

第61話 スキル開発

しおりを挟む
 ——魔王との特訓のため、魔物の居ない区間に移動してきた。

「今からオレと組み手をする。バリアと武器は禁止だ。それ以外はスキルも含めて自由にしろ」

 ば、バリア無しか……そんな戦闘、いつ以来だろうか。
 レベルが上がってどのぐらい動けるようになったかも試したい。

「わかりました。俺からいきます」

「何を言っているんだ。時間がないのだ。2人同時に来い」

 俺とミアは頷き、戦闘態勢を取る。
 魔王が指でかかってこいと合図する。

 ミアは魔王の背後にまわり、俺と挟撃できる場所に移動する。
 俺とミアはタイミングを合わせ、同時に魔王を攻めた。
 今までと比べものにならないぐらい身体が軽い。
 しかし、俺とミアの突きや蹴りを魔王は簡単にかわす。
 
 全く当たらない……だが、焦る必要はない。
 時間が経つにつれ、レベルアップで向上した身体能力に頭が追いつき始める。
 徐々にフィットしていくのがわかる。
 俺とミアの動きにキレが増し、攻撃速度が上がる。
 それでも魔王には当たらない。

 今までとは比べものにならないぐらい身体が動くのに……けど、魔王との差が絶望的に遠い。
 そう思った瞬間、俺とミアは蹴り飛ばされていた。

「グハッ……」

 壁に直撃し息が止まる。
 一体、今のでどのぐらいHPが減ったんだ。
 なっ、『HP300/450』だと!
 たった一撃で……

「……止めだ。おまえ達はふざけているのか? それとも力の差がわからないのか?」

「はぁ、はぁ、はぁ……そ、そんなのわかっています。だから全力で攻撃してました!」

「タクミはどうなのだ?」

「ぐっ、ぐぐ……俺も全力だった。けどバリアが使えないから、攻撃のバリエーションが作れない」
 
「なぜ、スキルを使わない? レベル差のある相手に正面から挑むなど愚の骨頂だ!」

 くそっ、俺だって使えるなら使いたい。
 大半の異世界人は、魔法や剣技、バフやデバフなど使えるだろうが、俺とミアのスキルは戦闘では役に立たないんだよっ!

「……使わないのでなく、使えないのか?」

「俺とミアの『スキルの素』は戦闘向きじゃないんだ。汎用性は高いからアイデア次第でどうにでも活かせる自信はある。けど、どんなにスキルを成長させても発動するのに1分かかってしまう。戦闘中では使えない……だから装備に頼っているんだ」

「おまえ達の『スキル』が何かは知らないが、発動時間を減らせる方法があれば戦闘でも使えるのだな?」

 俺は頷く。

「昔、異世界人がオレに戦いを挑んできたときに、気づいたことがある」

 魔王は右手を振ると、その手には真っ赤な石が握られていた。
 それをオレに軽く投げ渡す。
 
「その石に『スキル』を使ってみろ。いや、『スキル』を込めるという方が正しいか」
 
 スキルを石に込めるという意味がわからんが、俺は『分析』スキルをその石に使う。
 1分経過してもステータス画面は表示されなかった。
 その代わりに、真っ赤な石の中心が鈍く輝きだした。

「おおおっ、やはりか! くっくくく。その石を思いっきり壁に投げてみろ」

 俺は言われたとおり、石を全力で壁めがけて投げつける。
 石が壁にぶつかり砕けた瞬間、ステータス画面が表示された。

『名前』洞窟の壁
『耐久力』68

「「「は?」」」

 目の錯覚か……魔王まで驚いていたように見えたが。

「タクミよ。何の『スキル』を石に込めた? 壁に情報が表示されているぞ」

「そういう『スキル』を石につかったんだ。もしかして……石が割れたから『スキル』が発動したのか?」

「そうだ。あれもスキルの効果だったか! 実験が失敗したと思ったぞ」

 す、すごい。
 この石があれば、俺のスキルの使い道が広がるぞ!
 俺は魔王の元に駆け寄る。

「エンツォさん、その赤い石はどこで手に入りますか!?」

「ま、まて、そんなに慌てるな。この石は『ざくろ石』といって、世界中どこにでもある石だ」

「え? 見たこと無いですけど」

「いや、気づいてないだけだ。この『ざくろ石』は『魔石』の原石だ。この石に『罪』が浸食すると『魔石』になる」

 あの赤い石が魔石の原石だって!?
 けど、赤い石なんて全然見かけなかったぞ。
 もしかして……自然界にある状態だと、ものすごく小さいのか?

「さっき実験に使った石って、元は魔物の魔石でした?」

「さすがタクミだな。気づいたか。そうだ。あれはDランクの魔石だ。魔石をどうやって『ざくろ石』に戻すかわかるか?」

「魔道具は罪エネルギーで動く。だから、魔道具で魔石に蓄えられている『罪』を使い切ると、ざくろ石に戻る。しかも魔石の大きさで」

「……正解だ。そういう意味では手に入れやすいだろ? 魔石を単純に壊しても『ざくろ石』になる。壊れると『罪』が放出されるからな、ただ、その場合は『ざくろ石』も砕け小さくなってしまう」

 なるほど。魔物を狩って集めればいいのか。
 大きいのが欲しければ、高ランクの魔物を倒せばいいと。
 たしかに簡単に手に入るな。

「す、すごいです! 今まで『ざくろ石』を使って『スキル』を使うところなんて見たことありませんでした! もしかして……魔族だけの秘密とか?」

 ミアも興奮していた。

「いや、誰も知らんぞ。オレも今はじめて知ったところだからな。昔、オレに戦いを挑んできた異世界人がスキルを使おうとしたとき発動に失敗したことがあったのだ。そのとき魔道具から『罪』エネルギーが空になった魔石を取り出しているところだった。オレはそのとき石が輝くのを見たのだ。だから、推測はしていたが……確証は得られてなかった」

「試さなかったんですか?」

「魔族は呪いのせいでスキルが覚えられん。ドワーフ族に協力してもらったときは、『ざくろ石』にスキルを込められなかった。異世界人では試していない。理由は知らんがアイツらはオレを見ると必ず襲ってくるのだ」

 ……魔族が戦闘狂だと思っていたが、魔族から見ると異世界人の方がよっぽと戦闘狂だったとは。
 
「ドワーフ族のスキルで無理だったことを考えると、現象かもしれん。『ざくろ石』は『罪』や『瘴気』を取り込む性質がある。異世界人のスキルは『スキルの素』から構成される。もしかすると、のかもしれんな」

 ヤバい。おもしろい。
 いろいろと検証したいが……今は我慢だ。
 そんなことをしている場合じゃ無いからな。
 
 事前にスキルを『ざくろ石』に込めれば、好きなときに『ざくろ石』からスキルを使える。
 そして、『ざくろ石』に込められるスキルは1種類だけだった。
 スキルを込めた『ざくろ石』に、後から別スキルを込めることはできなかった。

 俺は魔王にスキル開発の時間をもらうことにした。
 俺達の手持ちのスキルは、戦闘に向いてないからな。
 今のままでは『ざくろ石』を使いこなせない。
 
「周りを気にせず、いろいろ試したいこともあるだろう? だから、この場所を使え。この区画に魔物は出ないから安心して良いぞ。オレもやることが出来たのでゾフに戻る。スキルの開発とやらが終わったら、呼びに来てくれ」

 魔王は俺達に「これを使え」と沢山の『ざくろ石』をくれた。
 
 ——俺はこの区画に『移動式魔法陣』を設置し、魔王をゾフに送り戻ってきた。

「さてと、ミアどうしようか?」

「スキルの開発は各自でやりましょうか。自分の『職業』と『スキルの素』は、自分が一番理解していると思うので」

 たしかにそうだな。

「じゃあ、アイデアが思いつかなくて困ったら声かけるってことにしよう」

 こうして俺とミアのスキル開発が始まった。

しおりを挟む
感想 92

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...