『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します

ヒゲ抜き地蔵

文字の大きさ
63 / 76
第3章

第63話 ミアの新スキル

しおりを挟む
 俺の目の前に、地の底が見えないほどの巨大な裂け目ができていた。

 まさか、ミアここに落ちたんじゃないだろうな。
 俺は『ping』スキルを発動する。対象はミアだ。
 どうやら、一度『スキャン』で情報を取得してしまえば、以降は『ping』で対象として選べるみたいだ。
 
 うぅぅ…… 発動までの時間がもどかしい。
 まだ1分過ぎたくらいだ。
 スキル『ping』入りの『ざくろ石』を量産しといた方が良さそうだな。
 そんなことを考えていると、突然、俺の目の前にある巨大な裂け目が消えた。

「なっ、なんだ!?」

「ふっふふふ。やったー! タクミを驚かせることに成功しました!」

「…………」

「ん? あれ、もしもし。ごめんなさい。ビックリし過ぎましたか?」
 
 何が起きた?
 ミアが突然現れたのは、隠れていたからだろう。
 それはいい。けど、あの巨大な裂け目はなんだ。
 幻影系のスキルは俺には効かない。
 精神攻撃耐性の装備を身につけているからだ。

「ミア、これは……新しいスキル?」

「はい。そうです! スキル『現実絵画だまし絵』です」

「トリックアートってこと? でも、あれは絵に近づいたり、角度を変えて見たりするとすぐに見破れるよね。あの巨大な裂け目は近づいてもまったく分からなかったんだけど」

「トリックアートは錯覚とかを利用して描きますが、わたしのスキル『現実絵画だまし絵』は、写真のような写実的な絵を描いて、それに音や匂い、存在感などの『特徴』を付与してます。だから絵だけど現実そのものに感じるんです。近づいてもわからないと思いますよ。おもしろいですよね」

「いやいや、おもしろいって……凄すぎでしょ!」

 なるほど、俺にスキルをかけたわけじゃない。
 ミアはスキル『現実絵画だまし絵』を地面に対してかけたんだ。
 だから、精神攻撃耐性のアクセサリーは機能せずに、俺はだまされた。

「急にだまし絵が消えたけど、あれはミアがスキルを解除したから?」

「はい。スキルを解除すると絵は消えます。あと、絵に触れても消えます」

「これは使えるよ! なんでも描けるの?」

「私がしか描けません。あとはスキルを発動するのに最低10分。10秒ごとにSP1消費します。絵のサイズが大きくなると、それに比例して発動までの時間やSPの消費が増えますね」

 あの裂け目は、地下洞窟で見かけたやつか。
 
「さっきの裂け目は、どのぐらいかかったの?」

「あれだと、発動するのに30分。10秒ごとにSP4消費しました。『ざくろ石』でどうなるかってところですね」

 なるほどな。
 俺のスキルもそうだけど、ミアのスキルも『ざくろ石』の恩恵を大きく得られる。

 それにしても、ミアの『スキルの素』と『職業』の組み合わせは、相変わらずチートだ。
 俺は改めて、ミアにステータスを見せてもらった。
 
 ------
名前:ヤマモト ミア
職業:画家
レベル:45(New)
HP:450/450(New)
SP:414/450(New)
スキルの素:
 『素材』対象を素材にする。
 『特徴』特徴の効果。
 『表現』対象を表現する。
スキル:
 『デフォルメ』素材の特徴を誇張、強調して簡略化・省略化して現できる
 『現実絵画だまし絵』素材の特徴をリアルに表現した絵を描ける
------

 『デフォルメ』と違って、『現→現』にしても、効果は変わらなそうだ。
 スキル『現実絵画だまし絵』の絵は、すでに現実と区別つかないレベルだったからな。
 
「タクミのスキルはどうでしたか? 興味あります!」

 俺の新しいスキル『スキャン』『ping』『ルーター』をミアに説明した。
 詳細については、俺もこれから検証するところだ。

「今から2時間ぐらい、スキルと『ざくろ石』を検証しよう。目標は魔王を倒せるようになること!」

「えっ!? 倒しちゃうんですか?」

「あっ、いや、本当に倒しはしない。さっきの戦いで手も足もでなかったからさ、見返してやろう」

「そうですね! わたし達に時間を与えたことを後悔させてやりましょう。ふっふふふ」

 まさか……魔王に蹴りを入れられたことで、何かヤバいスイッチも入ったか?
 こ、怖いです。ミアさん。

 ◇

 ——それからミアと『ざくろ石』の検証を行った。
 検証してわかったことをまとめるとこうなる。

・『ざくろ石』に込められるスキルの量は、石の大きさによって変わる。
 スキルの量とはSPのことだ。SPを多く消費するスキルは、大きな『ざくろ石』が必要になる。

・『ざくろ石』には1つのスキルしか込められない。
 『スキャン』と『ping』を同じに石に込められない。

・『ざくろ石』に込めたスキルは誰でも使えるが、スキルの所有者は変わらない。
 『ざくろ石』に込めた『スキャン』をミアが使っても、『スキャン』の結果はに表示される。

・『ざくろ石』に込めたスキルの内容は、スキル所有者以外は変えられない。
 ミアが猫の絵の『現実絵画だまし絵』を『ざくろ石』に込めた場合、誰でも『ざくろ石』を使っても猫のだまし絵が設置できる。しかし、ミア以外は『ざくろ石』に込められた猫の絵を、違う絵に変えることはできない。

「なかなか複雑ですね…… 『ping』はわたしには使えないんでしょうか?」

「いや、たぶん使える。検証して気づいたんだけど、スキルの込め方に抜け道がある」

 俺は、スキル『ping』を込めた『ざくろ石』を2つミアに渡す。

「この2つの『ざくろ石』は違うモノが入ってるんですか?」

「説明するより実際に使ってみた方が早いかな。あと『ざくろ石』はわざわざ割らなくても込められたスキルは使えるよ。『ざくろ石』に込められたスキルを放出するイメージでやってみて」

「はい。ではまず1つ目使いますね」

 ミアは『ざくろ石』を持つ手に、意識を集中する。

「あっ…… タクミのいる方向に赤いモヤモヤが出ました。この色の濃淡で相手との距離がわかるんですね。あっ、消えた」

「SP1の量しか込めなかったから10秒しか使えない。もう1つの石にも『ping』を込めてある。対象を俺にして使ってみて」

「はい。使ってみます。……あれ? 何も起きませんね。石もまだ輝いてるからスキルが使われてない?」

「大丈夫。想定通りの動作だから。1つ目は『ping』の対象を俺にしてスキルを込めた。2つ目は『ping』の対象を決めないでスキルを込めた。ミア、その『ざくろ石』を俺に戻して」

 俺はミアから『ざくろ石』を受け取り、対象をミアにして『ざくろ石』に込められたスキルを使う。

「……よし。動作した。ミアには使えなかったけど、スキル所有者の俺は問題なく使えた。つまり、スキル所有者に依存する部分を全て解決してあげれば、他の人でも使えるってことだ」
しおりを挟む
感想 92

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

処理中です...