『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します

ヒゲ抜き地蔵

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第3章

第68話 未整備地区

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 ——翌朝、いつもより早く起きてミアと一緒に念入りに準備をした。
 今日中にレベルを60に上げるつもりだからな。
 カルラやアーサー達がいるから、ある程度予想外なことが起きても大丈夫だと思うが、それでも心配なのだ。
 魔王もそのために地獄の修行コースを用意してくれるようだ。
 期待に応えないとな。

「よし、食事も終わっているな。食料も忘れるなよ。この屋敷にあるものなら好きに持って行け。レベルが60になるまでは帰れないからな。くっくくく」

 昨日の夜にミアと相談して、ざくろ石の準備も万全だ。
 戦闘に使う予備の武器やアイテムも『収納バングル』に移した。
 ぬいぐるみのポケットから荷物を取り出す余裕もなさそうだからな。

「今日は、地下洞窟の未整備地区に行くぞ。出現する魔物のランクや種類は様々だ。名前のとおり全くの未整備で広大なエリアだ。高難易度のダンジョンと変わらん。そこでレベル60になるまで、ひたすら生き抜け。ただし、俺が手を貸したり『移動式魔法陣』で脱出したら、その時点で未整備地区での修行は終わりだ。昨日までの修行に戻すからな」

「わかりました。1つだけ質問があります。魔物はSランクも出現しますか?」

 魔王はニヤリと笑う。

「ああ、出るぞ。勘違いしているかもしれないから説明しておく。Sランクの定義は『Aランクの魔石サイズより上』だ。Sランクの弱い魔物100体よりも、同じSランクの強い魔物1体の方が強いことなんてざらにある。つまりSランクの魔物が出るエリアでは、魔物のランクはあてにならん。どんなに弱そうな魔物でも外見に騙されるなよ。そして、Sランクの中でも特殊な魔物がいる」

「はい! リドのことですね」

 ミアが元気よく答えた。

「そうだ。リドのような魔物のことだ。魔物はランクがあがると知能も上がる。だからSランクをより細かく分けると、SSやSSSのような存在かもしれん。こいつらに出会ったら戦わないで逃げろよ」

 そのリドを一方的に倒せるアーサーの強さは、異常ってことなんだろうな。
 魔王の話が終わってからすぐに俺達は未整備地区へ向かった。
 
 ◇
 
 ——地下洞窟の未整備地区に着いた。
 この未整備地区は、地下にある巨大な屋外フィールドだった。
 天井を見ると太陽らしきモノまである。

「ゴンヒルリムに……そっくり」

「ミア、驚いたか? ここはドワーフ族の都ゴンヒルリムのような居住区ではないが、古代人の遺跡であることは見たとおり間違いない。オレの予想だが古代人の保養地区だったのかもしれん。ゴンヒルリムとは違い、ここはかなり広い。一度、最奥まで調査に行ったことがあるが3日かかった」

 3日……どんだけ広いんだよ。
 俺達のいる場所は小高い丘になっていて遠くまで見渡せる。
 ここから見えるだけでも、森や川はもちろん、湖や小さな山まであった。

「さてと、景色を見るのも良いが時間を無駄にはできんぞ。今から自由行動だ。レベル60になったら、オレに『念話』で知らせろ」

 そう言い捨てて、魔王はオレ達から離れていく。
 俺はスキル『スキャン』を半径100メートルの範囲で使うが、魔物は見つからなかった。

「ミア、この辺りにはいないみたいだ。中央の草原を歩くのは論外として、右側の森を進もう」

「森に入って大丈夫? 草原の方が戦いやすくないですか?」

「森ならこまめに『スキャン』を使えば、俺達の方が先に魔物を見つけて有利な状況を作って戦える。けど草原だと大群に襲われる危険があるし、先に魔物を発見してもすぐに距離を詰められて有利な状況を作りづらい。俺達のスキルを考えると、平原よりも森の方が相性良さそうなんだ」

 ——俺達は森に入り『スキャン』と『ping』で索敵し、サテュロスという上半身が人で下半身が山羊の魔物を見つけた。
 2体が弓を持ち、1体が槍のような鋭い木の杖を持っている。

『3体いますね。どうしますか?』

『こいつで先制攻撃して、その後はいつもの感じで行こうか。弓の2体からかたづけよう』

 俺とミアは、魔王の屋敷にあった手槍を『収納バングル』から取り出した。
 攻撃力はスキル『改ざん』で『25→95』に変えてある。
 ミアは、サテュロスの視界から外れた瞬間、『現実絵画だまし絵』の込められたざくろ石をサテュロスから見て俺達の反対側の木を目がけて投げる。
 木がタクミに変わった瞬間、サテュロス達は後ずさり戦闘態勢に入る。
 すかさず俺とミアが投げた手槍は、弓を持つ2体のサテュロスの背中に突き刺さり胸を突き抜けた。
 
 残り1体のサテュロスは、槍を掲げてものすごい速度で突進してきた。
 槍を投げてくる可能性があるから、『ルーター』ではなく『心の壁』バリアで受ける。
 バランスが崩れた隙をついて、ミアがライトセーバーで胴体を切り裂いた。

 手槍を拾った後、3つの魔石はぬいぐるみのポケットに収納する。
 この区画の魔石は自由にして良いと、魔王から許可はもらっていた。

「なんか余裕でしたね。わたし達強くなってますよね!?」

「間違いなく強くなっているけど、相手が弱いかはわからないな。奇襲作戦のおかげで、相手が力を出す前に倒しているからね。物足りないかもしれないけど、相手が全力を出す前に叩く。これが効率的で俺達に合っているスタイルかな」

 ——突如轟音が鳴り、タクミくん人形が落雷に当たったように縦に割れる。

「「!?」」

 ひづめの音がする方を見ると、3体のサテュロスがこちらに向かって駆けてくる。

「ごめんなさい。フラグ立てちゃったかも」

「そういうことなら、俺もフラグ立てたかも」

 俺達が戦っている間に、別のやつらに見つかったか?
 けど、『スキャン』を使ったときは、倒した3体しか近くにいなかったんだけどな。
 まさか……こいつら特有の伝達手段があるのか?
 そうなるとマズいな。

 俺は『スキャン』を使い半径100メートルの範囲を調べると、3体のサテュロスと4体のオルトロスが表示された。
 オルトロスってゲームだと頭が2つある狼だな。こいつも仲間呼びそうだな。

「ミア! あと7体が近くに来てる。随時、ダミー人形作っておいて。あと俺がOK出すまでは常にバリア張るつもりで! いくぞぉぉぉぉぉ!」

 この後、サテュロスを25体とオルトロスを32体と戦闘になりレベルが50になった。
 森と隣接している山の方へ移動しながら戦ったので、魔物の群れから離れたのだろう。
 森の中心へ移動していたら危なかったかもしれない。

 俺達は小さな洞穴を見つけ、そこに身を潜めた。
 もちろん『スキャン』の結果、この周辺に魔物がいないのは確認済みだ。

「『スキャン』の距離は伸ばせないんですか?」

「できるけど、応答まで時間がかかるんだ」

「ここで少し休憩しませんか? その間、距離を伸ばした『スキャン』を使うのはどうですか?」

 いいアイデアだ。俺は頷き半径1キロの『スキャン』使う。

 ——20分後、結果が返ってきた。

【範囲】半径1キロ
【対象】魔物
サテュロス×16、オルトロス×34、キラーマンティス×3、ヘルストーカー×5、フェンリル×1、九尾×2

 ……へ?
 なんかヤバそうなのいるんだけど。
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