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少年期
8 手合わせです
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さて、他の武器はダイジェストでいこう。
「中距離といえば斧とか鎌もあるが、腕力は鍛えてねえから鞭だろうな。後は長物も使えた方がいいし、槍も覚えとけ」
「おまえの鍛え方なら身軽な方が良いだろ。ついでに投擲もできるようになっておけ」
とまあ、いろいろ教えてもらったわけだが……
結論:レミーがハイスペック過ぎる
成長期だからか、教えられたことは掃除機のごとき吸引力で吸収していくのだ。
最近は自主練がほとんどで、師匠は時々手合わせをしてくれるが普段の相手は専ら同年代の傭兵見習い、イアンだ。ちなみに『ホリヴァル』の攻略対象でレベッカの弟。7歳上のレベッカとは違い、彼もまだ傭兵見習いだ。
気さくで実力は私と同じか少し上、お互い本気で戦えるから手合わせの相手に最適なのだ。
まあ私は近距離メイン武器の双剣、イアンはメイン武器が斧なのにロングソードで模擬戦をして五分五分、つまり単純に剣技だけで言えばイアンの方が上だ。
「おいレミー、おまえ魔法得意だったよな?」
その日も特別訓練所でイアンと手合わせすることになったが、訓練室に入ろうとしたところで呼び止められた。
「そうだけど、それがどうかした?」
「いやー、たまには俺も斧で戦いたくてな。魔法ありのメイン武器で本気の手合わせしないか?」
「いいけど、それじゃあどっちかが確実に大怪我するよ?」
私が言うと、イアンはにやりと笑った。
「それなら大丈夫だ。特別訓練室には特別な機能があるんだぜ!」
イアンは倉庫から斧と何かのスイッチを出してきた。
「これは?」
「この斧はこのスイッチと繋がってるんだ。それで……」
イアンがスイッチを押すと、斧の刃の部分が消えた。
「ただの棒になった!」
「そう!これを審判に持ってもらって、危ないときはこのスイッチを押す。これで安全に訓練ができるんだ!」
「いいね!これで手合わせしよう!」
こんなにすごいものをどうして知らなかったのか。とにかく面白そうではあるのだ。
「じゃあ、審判役探さないとね」
「それなら、次に訓練所に入ってきたやつに頼もうぜ!」
そう話した直後、訓練所の扉が開く音がした。
「「お願い!私(俺)達の手合わせの審判をしてください(くれ)!」」
「別に良いけど、おまえら元気だなー」
訓練所に入ってきたのはまさかの師匠だった。
「うぇぇ……まあ、団長なら大丈夫か」
「何が?」
隣でイアンが言った言葉に首を傾げる。
「いや、この装置はスイッチ式だろ?これを押すのは人だから、うっかり押し間違えて大怪我とか本当にあったんだよ」
「うわあ……」
「そもそも、戦ってるのを見て一瞬で判断するなんて、手合わせする2人よりも強いやつじゃないと成り立たないしな」
なるほど。だから先輩達は使っていなかったのか。
「まあ、血を流したこともない新兵のメンタル強化には使えるがな」
最後に補足した師匠の方はもう鬼畜だって分かってるから考えるつもりはない。
「まあ審判も見つかったことだし、手合わせしようぜ!」
「中距離といえば斧とか鎌もあるが、腕力は鍛えてねえから鞭だろうな。後は長物も使えた方がいいし、槍も覚えとけ」
「おまえの鍛え方なら身軽な方が良いだろ。ついでに投擲もできるようになっておけ」
とまあ、いろいろ教えてもらったわけだが……
結論:レミーがハイスペック過ぎる
成長期だからか、教えられたことは掃除機のごとき吸引力で吸収していくのだ。
最近は自主練がほとんどで、師匠は時々手合わせをしてくれるが普段の相手は専ら同年代の傭兵見習い、イアンだ。ちなみに『ホリヴァル』の攻略対象でレベッカの弟。7歳上のレベッカとは違い、彼もまだ傭兵見習いだ。
気さくで実力は私と同じか少し上、お互い本気で戦えるから手合わせの相手に最適なのだ。
まあ私は近距離メイン武器の双剣、イアンはメイン武器が斧なのにロングソードで模擬戦をして五分五分、つまり単純に剣技だけで言えばイアンの方が上だ。
「おいレミー、おまえ魔法得意だったよな?」
その日も特別訓練所でイアンと手合わせすることになったが、訓練室に入ろうとしたところで呼び止められた。
「そうだけど、それがどうかした?」
「いやー、たまには俺も斧で戦いたくてな。魔法ありのメイン武器で本気の手合わせしないか?」
「いいけど、それじゃあどっちかが確実に大怪我するよ?」
私が言うと、イアンはにやりと笑った。
「それなら大丈夫だ。特別訓練室には特別な機能があるんだぜ!」
イアンは倉庫から斧と何かのスイッチを出してきた。
「これは?」
「この斧はこのスイッチと繋がってるんだ。それで……」
イアンがスイッチを押すと、斧の刃の部分が消えた。
「ただの棒になった!」
「そう!これを審判に持ってもらって、危ないときはこのスイッチを押す。これで安全に訓練ができるんだ!」
「いいね!これで手合わせしよう!」
こんなにすごいものをどうして知らなかったのか。とにかく面白そうではあるのだ。
「じゃあ、審判役探さないとね」
「それなら、次に訓練所に入ってきたやつに頼もうぜ!」
そう話した直後、訓練所の扉が開く音がした。
「「お願い!私(俺)達の手合わせの審判をしてください(くれ)!」」
「別に良いけど、おまえら元気だなー」
訓練所に入ってきたのはまさかの師匠だった。
「うぇぇ……まあ、団長なら大丈夫か」
「何が?」
隣でイアンが言った言葉に首を傾げる。
「いや、この装置はスイッチ式だろ?これを押すのは人だから、うっかり押し間違えて大怪我とか本当にあったんだよ」
「うわあ……」
「そもそも、戦ってるのを見て一瞬で判断するなんて、手合わせする2人よりも強いやつじゃないと成り立たないしな」
なるほど。だから先輩達は使っていなかったのか。
「まあ、血を流したこともない新兵のメンタル強化には使えるがな」
最後に補足した師匠の方はもう鬼畜だって分かってるから考えるつもりはない。
「まあ審判も見つかったことだし、手合わせしようぜ!」
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