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君と密室に閉じ込められたけど拒まないで
1回戦
しおりを挟むリリアナから早く離れたくて、一歩踏み出したら、甘ったるい匂いが漂い始めた。周りの空気が変わった。
何で今なんだ。
これには、身に覚えがある。
これは、もしかしともなくあの部屋。
けれども、2回目なんてあり得るのだろうか…。過去の記事で2回目があるなんて見たことがないが…。ここから出たら親に聞こう。もしかしたら何かわかるかも知れない。
2回目ともなると落ち着いていられた。フラれたばかりなのもあるかも知れないが…とりあえず今は、そんなこと言っている場合ではない。状況把握をしてさっさと条件達成して出たい。
部屋の様子は前回とは少し違かった。
見渡してみる、当たり前だが慣れた教室の壁でなくて代わりに桃色の壁があった。そう言えば、前は灰色だった。
部屋の真ん中にキングサイズのベッドがある。無機質だが、清潔感のある白のカバーがかけられた柔らかそうなものだ。これは前回と一緒。
そして、サイドテーブルの上には何か箱が置いてあった。近付き手に取ると『バイアグラ』とあった。
馬鹿にされてるみたいだ。
バイアグラは、医師が処方してそれを使うというものではなかったのか。きっと、これは紛い物?
なぜだかわからないが、酷くプライドが傷つけられた気がした。つくづく今日はついてない。
捨ててしまおうと思って手に取った。が、持つのも苛々してそのまま鞄の奥底にしまった。見たくもない。
視界にに入れないようにしていたが、ベッドの端には、なぜだか呆然としているリリアナがいた。
呆然としたいのは俺だ。
振り回された挙句踏みにじられた俺だ。
本当さっきから苛々する。
そのまま気持ちを落ち着けられず、リリアナのに近づきただリリアナのことを見下ろした。俺の気持ちに気付けと思った。こんなにも傷付いたんだって。
俺に気付いたリリアナは、怯えているようだった。それにすら言いようのない不快感を覚えた。
ただもっと怯えればいい。どうだっていい。とも思った。
だが、本心では寂しかった。悲しかった。目をそられないほど心が悲しみで覆われていた。
ねえ、リリアナ。
勘だけど、リリアナが振るとわかってて止められなかった俺が悪いの?
それとも誰よりも美しいと褒める俺は思いに応じるのに値しない男だと思われたの?
やっぱりリリアナは怯えていて、怯えろと思ったはずなのに辛かった。
そうしていると、恐ろしく汚い声が直接脳内に響いてきた。2度目だが聞き慣れない。
「グハハハ、オマエラ ノ コト 二カイ シナイ ト ダサナイ」「オマエラ クッツケタ ゲド カワラナイ」「ヤレ ヤレ セックス シロ」
……つまり、2回性行為をしないと出れないということなのか。
クッツケタ ゲド 変わらない?意味はなんだ。
考えていると、コトッと何かが俺とリリアナの頭の上に落ちてきた。多分、前回の流れからするとコンドーム。案の定コンドームだった。それぞれ15個入り。
前回も思ったが、わざわざコンドームを渡すところも、予備の枚数がかなりあるのも変な優しさを感じる。いっそ面白い。
改めてリリアナを見ると顔を真っ赤にしていた。リリアナこれから君のことを犯すよ。君は、これからいくら泣いても嫌がっても3回やるまでは出られない。
多分、3回は俺が射精する回数。その分だけ俺に汚されればいい。
責めたくなるかも知れないが、この部屋はどうせヤるまで出れない。だから責めないでね。
「ア、アレンくん……あ、あの」
リリアナが何か続けようとするのを聞かずに口付けを落とした。
話途中で口が開いていたリリアナの舌を絡めとるのは容易かった。
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